今月初旬に北上した南うねりは、過去10年でも最大級と言われ、各地で記録的なサイズの波をもたらした。そんな中、メキシコ堀指のヘビーなビーチブレイクとして知られるパスクアレスではジェイミー・オブライエンの姿があった。しかし、そのサーフトリップ中に思わぬアクシデントが発生。ローカルサーファーであり、サーフフォトグラファー兼ジェットスキーオペレーターとして活動するマットのトラックが、高波にさらわれて海へ半沈没する事態となった。現場ではジェイミー・オブライエンも救出作業に加わり、その後自身のYouTube動画を通じてマットへの支援を呼びかけている。
“完璧な波”を求めて
YouTuberとしても人気を集めるノースショアの代表的サーファー、ジェイミー・オブライエンが向かった先は、メキシコ人初のCT選手として活躍しているアラン・クリーランドの出身地であるメキシコ・コリマ州にある世界有数のパワフルなビーチブレイクと知られる「パスクアレス」。ジェイミーにとってここはお気に入りのサーフトリップ先のひとつである。これまで何度も足を運び、撮影を行ったり、ローカルのサーフコミュニティと交流したりしながら、この波と向き合ってきた。ジェットスキーからサーフボードまで現地に揃えているほど通い慣れた場所だ。

過去10年で最大級とも言われる今回の南うねりは、パスクアレスのポテンシャルを最大限に引き出し、ジェイミーをはじめとするサーファーたちに極上のコンディションをもたらした。
うねりが入る初日に「誰よりも先に海へ入る」と決めていたジェイミーは、まだ薄暗い夜明け前にビーチへ到着。
「波は8〜10フィート。信じられないくらい完璧だ。人生最高の日だ!」
そう興奮気味に語るジェイミー。自身のYouTubeには、チューブを次々と駆け抜ける様子が収められており、セッションの充実ぶりが伝わってくる。


海に押し流されたローカルサーファーのトラック
まさに理想的な一日――。誰もが羨む最高のセッションかと思われたが、この日炸裂した南うねりはサーファーたちに歓喜をもたらす一方で、その圧倒的な自然の力を改めて思い知らされる出来事となった。
予想を上回るサイズで押し寄せたうねりにより、マットのトラックが、ジェットスキーの出艇作業中に波にさらわれるアクシデントが発生。
トラックはそのまま海へと引きずり込まれたが、ジェイミーと彼のチームメンバーが2台の車を使って救出作業を行い、なんとか陸へ引き上げることに成功した。しかし、海水をかぶった車両のダメージは深刻で、修復は極めて困難な状態だったという。

車の持ち主であるマットは、サーフフォトグラファー兼ジェットスキーオペレーターとして活動している。水上安全管理を担いながら、特別な瞬間を写真に残すことを生業としており、トラックはその仕事を支える欠かせない存在だった。
また、彼のトラックはジェットスキーの運搬や出艇だけでなく、撮影機材の輸送、ビーチへのアクセス、そしてハードコンディション下での安全サポートを可能にしていた。サーファーたちが人生最高の波に乗る瞬間を記録し、安全を支えるための重要な役割を担っていたのである。
しかし、そのトラックを失ったことで、これまで通り仕事を続けることが難しくなった。移動手段を失えば、普段行っている全ての業務に直接影響し、収入の減少だけでなく家族を支える手段そのものが脅かされる。

この状況を受け、ジェイミーはマットを支援するためクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を立ち上げ、自身の動画を通じて支援を呼びかけた。ジェイミー自身も寄付を行っており、目標額は25,000ドル(日本円で約400万円)に設定されている。
集まった資金は、失われたトラックの買い替えや、マットが仕事に復帰するまでの生活・活動支援に充てられる予定だ。
「彼が再び海へ戻り、人々の安全を守り、そして忘れられない瞬間を写真に残し続けられるように」
ジェイミーはそう語り、海で生きる仲間へのサポートを呼びかけた。
■ マットへの支援はこちら GoFundMe
(Mion)
























