今回の裏側リポートは ”The 30th IBARAKI SURFING CLASSIC KAWARAGO PRO”
S.ONE ショート、ロングの開幕戦、そしてマスターズ開幕戦が行われた。
会場となった河原子海岸でプロのコンテストをやるのは初めて。
会場のすぐ近くにはスーパー、お風呂、おいしいご飯のお店もたくさん。
更には波にも恵まれ、選手たちは河原子をエンジョイしながら試合に挑んでいた。
会場を一際盛り上げてくれたのは河原子ローカルの皆さま
ローカル選手の選手紹介では大勢の方が集まり、選手を鼓舞していた。
地元開催ということで、ローカル選手たちにはチャンスはある一方、とてつもない緊張感も襲ってくる。地元の皆さんの応援は選手にとってかなり力になっただろう。
河原子一丸となって応援している姿に、どこか羨ましく、この海岸のコミュニティの凄さに圧倒された。


河原子プロの一週間前にはS2大洗戦も行われ、また今月の25,26日には鉾田にてS2のロングがさ開催される。3戦連続茨城で行うこの”IBARAKI BREAK”には、I.S.Uの多大な協力があってこそ。30年続く茨城サーフィンユニオンの歴史の深さ、そして大会開催を快く引き受けてくださるローカルのみなさまのお心遣いに感謝したい。
マスターズの五耒潤選手は自分の出番がない日も朝からずっと応援団にまわり、ビーチリポーターの私にローカル選手の情報提供までしてくれた。
彼の選手紹介でお馴染みのヘルメットはスポンサーさんが特別に作ってくれたもの。今回は地元開催ということでヘルメットを作ったスポンサーさんも応援に駆けつけた。
マスターズの先輩方との交流会は毎晩?行われていたようで(笑)いつもコメントで先輩への敬意を示している五耒選手らしいおもてなしだ。

今回珍しくチームで行動していた塚本勇太、川俣海徳、大音凜太
同じトレーニングジムに通い、この大会に向けて身体作りはもちろんメンタル強化にも力を入れた。
かなりハードなトレーニングに取り組んでいるようだが、どのくらいハードなのかはやった人にしか分からない。それを一緒に乗り越えているのだから、彼らのチーム力はもちろん素晴らしいものだった。
先に敗退してしまった勇太がコーチにまわり、海徳と凜太をサポートした。
絶好調だった2人はセミで当たってしまう。そのヒート前、勇太に話しを聞いた。

”コーチだなんて大したことしてないよ。優勝目指してやっていく中で、自分のことが信じられなくなったり、不安なことが出てくる時だってある。自分より自分を信じてくれる人が横にいてくれるのはすごく安心すると思うから、それをやってるだけ。だからこの2人はセミで当たっちゃうけど、いつもの実力を出し合って、良い試合がみれると思う”
選手の楽しさ、苦しさを一番側で理解してくれる存在は選手にとってもかなり心強いだろう。
これからもこのチームには目が離せない。
今年から若い層の選手が増えたS1ロングボード
自分の出番を待っている間、波チェックはもちろんしている上で、他のヒートの選手紹介の度に笑顔で拍手している姿が印象的だったこの3名。内田鈴音は決勝まで進み準優勝を果たした。

セミファイナルでクイーン吉川広夏に敗れた山口晴菜も、新たに出てきた若手選手の1人。
敗戦後は吉川と握手を交わし、その後悔しそうな表情もしていたが、すぐに切り替え、Abema TV生配信カメラに変顔も披露。
その後はずっと試合を観戦していた姿も印象的だった。

山口、そして内田との勝負を制し、優勝した吉川広夏
“新たに若いロングボーダー選手が増えて嬉しい。一人一人個性があって、異なるスタイルも持っている選手ばかり。これからのロングボードシーンがより盛り上がっていくと思うをワクワクします“とコメント。
若い選手たちはきっと、吉川の背中を追いかけ、いつか必ず勝ちたい存在として見ているだろう。
決して驕らず、ヒート後に握手をしにきた選手に敬意を示すその姿勢が、さすがはS.LEAGUEチャンピオン。
また新たなキャラクターのプロサーファーたちがS1に登場し、吉川の言う通り、これからますます盛り上がっていきそうだ。

そんな吉川とともに、存分に河原子エリアを楽しんでいた中山祐樹
近くのパワースポットだという神社へ出向き、お参りするのがルーティーン。
インタビューでは神社でゲットしたお守りも見せてくれた。
神頼みしなくても十分にスキルを持っている中山だが、今回は3位タイ。
神様の力を借りるのは次回に持ち越しか。

メンズのロングで大波乱が起きたのはQF H2
浜瀬海がまさかの敗退。
S2から上がってきた瀬筒雄太が浜瀬を破った。
最後に浜瀬が敗れたのは2年前のグランドファイナル。インターフェアーをしてしまい敗退となったが、今回は波に恵まれなかった。
敗退後少し会話をしたが、悔しい表情に満ち溢れつつ、なぜ負けたのかを速攻で振り返っていた。次こそ絶対に負けないという強い気持ちはもちろん、悔しい敗退の後でも不貞腐れることなく冷静に会話ができる彼もまた、S.LEAGUEチャンピオンらしい人格者だ。
ファイナルヒート中は石井ノアと共に体育座りで観戦し、優勝した瀬筒雄太を担いだ。
最近はお子さんも産まれ、またさらにパワーアップするであろう浜瀬の次戦が楽しみだ。

マスターズ優勝したのは関谷利博
鴨川から応援団が駆けつけ、鴨川の後輩たちが関谷を担ぐシーンにはグッときた。
ファイナリスト4人の中で最年長、最後の最後に狙っていたバックサイドの波をメイク。
今大会全てのカテゴリーの中で、ハイエスト9.50を出し、逆転での初優勝を飾った。


普段から多くを語らない印象のある関谷。優勝インタビューでの一言目は、“嬉しいですね。何も言えねえ。”と笑いを誘った。
“縦に行こうとしたけど、途中フローターになっちゃって“と言っていたが、あの河原子のバックサイドでフローターをするのは簡単なことではない。今年56歳になる関谷が見せたソリッドなバックサイドターンに魅了され、また憧れるサーファーはたくさんいるだろう。私もそのうちの1人。
表彰式では副賞でウイスキーが贈呈され、ウィナーズパネルを受け取ったときよりも嬉しそうな関谷の表情は、いい意味でコンペティターすぎない、関谷らしい姿を見ることができた。

惜しくも、本当に惜しくも準優勝だった山田桂司
なんと26年飲み続けているお酒をやめ、今大会に挑んだ。
昨シーズン、後一歩のところでS.LEAGUEチャンピオンを逃した。その後仲間から言われた一言がきっかけで禁酒を決めた。
“どこかぬるい所があるんじゃないの?”
図星だと感じた場合、誰もがイラっとしてしまうだろう。そして言わなければ誰にも分からない、隠そうと思えば隠せるこの件を、山田は私にサラッと話しれてくれた。
誰もが山田桂司の優勝だなと予想するほど好調だったその背景には、仲間から言われた言葉を素直に受け入れ、実行していた“本気“の裏側があった。
山田桂司が勝ち、美味しいビールを飲んでいる姿が見られるのはそう遠くないだろう。

選手テントを除くと、面白いメンバーが揃っていた。
左から細川理事長、ウィメンズ優勝の脇田紗良、河野正和、牛越峰統。
このメンバーの中に物怖じせず座ることができるのは脇田紗良ぐらいだろう(笑)

会場で売っていた削りいちごを美味しそうに食べていたのはこの2人。
普段とのギャップが凄すぎて思わず写真を撮らせてもらった。
岡野漣、米山珠波瑠。
若い時からコンテストをフォローし、海ではいつもキレキレなサーフィンを見せてくれる彼らだが、陸ではいちごを楽しむ少年の姿を見ることができて、何だか安心してしまった(笑)

裏側レポートを書くに当たってやはり外せないのが加藤翔平。
日本一の応援団を見ると記事にせずにはいられない。
今回応援アイテムとして新しく翔平の顔写真うちわが導入され、選手紹介やインタビューでもエンターテイメント性を発揮してくれた。
やることやってない選手がやると、一見ふざけているように見られてしまうが、翔平のような一流アスリートだからこそ、ユーモアがあって周りを楽しませてくれる。
優勝は逃したが、ショートボードメンズではハイエストスコア8.75をメイクして魅せた。


26-27シーズンもついに開幕したS.LEAGUE
今シーズンはどんなドラマが生まれるのか。
次回の裏側リポートもお楽しみに!

(高橋みなと)






















