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マスターズ直前のジョン・ジョン・フローレンスに7つの質問

パイプラインの目の前で育ち、2つのワールドタイトルと3度のトリプルクラウン。
東京オリンピックの出場権まで獲得したジョン・ジョン・フローレンスが唯一手に入れたことがない名誉がある。

それは『ビラボン パイプマスターズ』の栄冠だ。

2008年の初出場から10回以上も参加して2度の準優勝と惜しい場面はあったものの、それ以外のシーズンはQFさえ通過したことがない…。

しかし、2021年の開幕戦として開催中の今年はジョン・ジョンにとって転機になる可能性がある。
2018年から悩まされていた膝が完治したのに加え、ツアーの最終戦から開幕戦に移動したことでワールドタイトルのプレッシャーなく戦うことができるからだ。

「Hurley」から離脱して自身のブランド『Florence Marine X』を立ち上げて心機一転。
コロナ禍でいつもより長い間ホームにいたことでパイプラインとの関係もより密接になったと言える。

プレッシャーから解放され、リラックスした状態のジョン・ジョンほどこのブレイクで怖い存在はいないだろう。

そんなジョン・ジョンにWSLはハレイワのオフィスで『ビラボン パイプマスターズ』開幕前にインタビューを実施。
オフシーズン、新しいビジネス、2021年CTのフォーマットなどについて質問。

ちなみにインタビュー直前にはシーズン最初の大きなウネリが入り、パイプラインがCT選手のセッションの舞台になっていたが、パイゼルサーフボードで最大のバレルに包まれていた彼の姿を見つけるのは簡単だった。

長期間休んで、やっとコンテストジャージを着る気分は?

冬に向けてサーフィンをしていて、久しぶりにエネルギーが湧いてきたよ。
いつもはスナッパーからスタートするのが普通だから、ここパイプでシーズンが始まるのは面白いね。僕にとっては、スナッパーでの開幕戦は家から離れていくような感じだし、ただ戦いに行くだけ。それが自分にとっての大きな違いだね。

自分のルーティーンはあまり変えていない。パイプで沢山サーフィンしてきたから、ワクワクしているよ。
昨年再びコンテストジャージを着た気分は、’自分はヒートに出ている。これは大変!’って感じだった。

膝の怪我で1年の大半を休んでいたので、コンテストジャージを着てもすぐに現実とは思えなかったのさ。
コンテストジャージを着た途端、競争心が芽生えて、勝たないといけないと思ったけどね。

今朝の練習はどうだった?

今朝は本当に楽しい波だったよ。
朝早く起きて波を見たら4人しかいなかったけど、急いで海に入ったらすでに30人もいたね。
とても楽しかった。
今回は良い感じのウネリが入っていた。
しばらく、ウネリがパイプ向きではなかったんだ。

(2019年のマスターズでオリンピックの代表枠を獲得した)
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今までとは全く違うシーズンだよね。パイプからのスタートだし、サンセット、サンタクルーズとツアーでは新しい会場がいくつかある。2021年は何を楽しみにしている?

ローワーズでの5人決戦のアイデアが好きだね。
素晴らしいことだと思うよ。

その日に世界タイトルが獲れることをみんな知っているからね。
良いウネリの日を選び、ベストデイではフルに戦い、良い波に乗ることができるでしょう。

サンタクルーズのイベントには参加したことがあるよ。
難しい波だけど、小さなボイルやステップ、セクションの全てなどラインナップの癖を知らなければ勝てないという意味ではコンテスト向きだね。

寒そうだけど(笑)

個人的にはブーツに慣れるのが困難な戦いかも。
全体的に見ると2021年は楽しい年になりそうだよ。

今年のWSLの変化と革新は良いと思う?

変化は常に良いことだと思う。
何かを試してみて、それがうまくいくかどうかを見てみる価値はあるよね。
うまくいくかどうかは、やってみないとわからない。
でも、試すだけの価値はあると思う。

(開幕戦は順調に勝ち進みファイナルデイに残る)
PHOTO:© WSL/Brent

’Florence Marine X’について詳しく教えて

ボブ・ハーレーとその家族と一緒に新しいブランドを立ち上げたんだ。

このブランドは環境に優しいアウトドアウェアを作ることをテーマにしている。外に出てセーリングを楽しんでいたら、海を美しく保つための手助けをしたいと思ったのさ。

それが自分の使命だよ。
人々を奮い立たせ、海に降り立って冒険する気にさせるためにね。

今年で50回目を迎えるパイプマスターズ。ハワイアンとしての意味は?

パイプマスターズはツアー最大のイベントで、毎年楽しみにしているイベント。

キャリアの中でいつか優勝したいと思っているイベントでもあるよ。
自分のヒーロー達がこのイベントでサーフィンをして世界タイトルを獲得するのを見て育ってきた。パイプサーフィンをしている人は皆、この波と自分との小さな関係を持っているから、大会で優勝することは大きな偉業なんだ。

自分にとっては最大の目標の一つさ。

多くの人にとってタフな一年だった。ツアーが休みだった1年の間にあなたの人生に起こったポジティブな変化は?

この一年は世界中の多くの人にとって不幸だった。

自分は家で過ごせたので、とても良かったけどね。
子供の頃から一度もこんなゆっくりと家にいたことがなかったんだ。

他に新しいブランドを立ち上げる時間はとても楽しかった。色々なことをして膝を治す時間を持てたことは良かったし、感謝したい。
年初はスナッパーロックスの開幕戦のために急いで膝を治そうとしていたけど、1年経った今は、何も考えずに100%の状態に戻っている。
もう膝のことを考えなくて済むのは本当に幸せだよ。

私達は食べ物を育てる土地があり、それを行なったのが楽しかった。
様々なことを学ぶために今年は多くの時間を費やした。

そう!セーリングもしたよ。
カイ・レニーと一緒に私が持っているこの小さなフォイルボートでカウアイ島まで航海したんだ。
小さなボートで長時間のセーリングだったけど、とても楽しかったし、勉強にもなったよ。

参考記事:John John Florence Breaks Down What Winning At Pipe Would Mean, The WSL Finals And His Entrepreneurial Spirit

(空海)

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