「2020年のサーフィン界」が分かる 話題のニュースTOP10

新型コロナウイルスの世界的な蔓延により激動の年となった2020年。THE SURF NEWSで話題になったニュースTOP10と共に、サーフィン業界の一年を振り返る。

1. 緊急事態宣言とサーフィン自粛

Photo: THE SURF NEWS

今年4月、緊急事態宣言が発令され、GWを前に全国的に「サーフィン自粛」を求める動きが広まった。当初は宮崎や千葉などの自治体から「サーフィン目的の来訪自粛」要請が出されたが、マスコミ報道、NSAの#STAYHOME発信、プロサーファーやYoutuberによる発信等を受けて、自粛を要請する自治体が全国的に拡大。GW期間中は約9割がサーフィンを自粛する結果となった。

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2. 五輪延期

Photo: WSL / GETTY IMAGES

今年3月、新型コロナウイルスの影響を受け、『東京2020オリンピック』が約1年後の2021年7月23日から8月8日に延期されることが決まった。現時点では、簡素化や感染予防対策を講じたうえで実施方向で調整が進んでいる模様。これを受けて五輪最終選考会『ISAワールドサーフィンゲームス』も延期となっている。

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3. 国内外で試合中止、デジタルコンテスト芽吹く

五輪の延期に続き、日本プロサーフィン連盟(JPSA)やWorld Surf League(WSL)も今年のツアー中止を発表。それぞれ特別イベントはいくつか実施されたものの、活躍の場が減ってしまった選手にパフォーマンスの場を提供すべく、複数のデジタルコンテストが立ち上がった。9月の『Surf Web Series』日本大会では岩見天獅が優勝した。

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4. プロサーファーがYouTubeチャンネルを続々開設

コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことにより、需要が高まったとされるYouTubeでの動画視聴。サーフィン界も例外ではなく、新たなサーファーYouTuberが続々登場。なかでもプロサーファーによる新規チャンネル開設が相次いだ。

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5. コロナ禍での経済的打撃とアウトドア需要の高まり

PHOTO: © WSL/Cestari

不況に強いと言われているサーフィンだが、それでも新型コロナウイルスの波はサーフィン界にも押し寄せた。特に海外市場では大手ブランドの解雇等が相次いで報じられ、Quiksilver、Rip Curl、Billabong、Hurley、 RVCA、 Visslaを含む大手サーフブランドの多くがアスリートたちの契約金額を50%カットした。

一方、コロナ禍はアウトドア需要を喚起した側面もある。国内の一部地域では例年以上にサーフボードやウェットスーツの売り上げが伸びたり、海水浴場が閉鎖された夏にソフトボードの売上が伸びたりと、コロナ特需的な動向が報告されている。

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6. 止まらないウェイブプールブーム

静波海岸に近接する「SURF STADIUM」の完成図 Photo: Surf Stadium Japan

ここ数年世界で続いているウェイブプールブーム。コロナ禍でもその勢いはひるむことなく、世界各地で新たな建設計画が持ち上がった。韓国では10月にWavegarden社のプールが一般公開。

11月には、静岡県牧之原市で建設中のAmerican Wave Machine社の造波装置を利用したウェイブプール「SURF STADIUM」が公式サイトを大幅リニューアル。造成工事も着実に進んでおりかなり完成形に近くなっている模様だ。2021年のオープンを楽しみにしたい。

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7. 史上初の五輪サーフィン競技に出場するのは?出場枠争う最終メンバー決定

Photo: NSA

延期の末、11月に行われた『第2回ジャパンオープン』では大原洋人と前田マヒナが優勝。来年5月末から行われる五輪最終選考会『ISAワールドサーフィンゲームス』の最後の出場権を獲得した。

同大会には2人の他、五十嵐カノア、都筑有夢路、村上舜、松田詩野が日本代表“波乗りジャパン”として出場予定。サーフィンが初めて五輪競技となる東京大会の最後の出場枠を懸けてエルサルバドルに挑む。

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8. 試合再開、リアルコンテストの新たな在り方を模索

JPSA特別戦ショートは西慶司郎と脇田紗良、ロングは塚本将也と吉川広夏が優勝 Photo: THE SURF NEWS

今年のツアー中止を発表していたJPSAは10月に鴨川で特別戦を開催。無観客で行われ、ソーシャルディスタンス用傘の配布、フェイスシールドと手袋の着用、アルコール消毒の設置、大会10日前からの検温など様々な感染対策がなされた。

悲願のパイプマスターとなったジョンジョン Photo: WSL

12月にはハワイで2021CTシーズンが開幕。無観客、ライブ配信のみで開催されたものの、「パイプマスターズ」ではWSLのCEOやスタッフ複数名から新型コロナ陽性反応が出て一時中断。再開後は、選手もインタビュー時にマスクを着用し、表彰式では控えめにシャンパンファイトが行われる等の対策がなされた。

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9. 激動サーフィンメディア

10月、世界初のサーフィン専門誌として創立された『Surfer』のスタッフ全員が解雇されたことを、編集長が自身のInstagramで報告。「サーフィンの聖書」として名を馳せた60年の歴史に終止符が打たれた。

一方、台頭するウェブメディアの代表格『Stab Magazine』は、これまでの購読無料モデルから有料化に踏み切った。日本でも月刊誌は全くない現在。今後サーフィンメディアはどのように変革していくのか。

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10. 男女平等、ジェンダーフリーの動きが加速

豪州の旗に代わり虹色のプライドフラッグを付けて「マウイプロ」に出場したタイラーは見事優勝 Photo by Keoki Saguibo/WSL

男女賞金が平等化となった昨年に続き、今年も男女平等・ジェンダーフリーの動きが加速した。ノースショアで女子大会を推進する決議が採択され、12月には史上初となるパイプラインでのウィメンズCTが開催。タイラー・ライトはプライド・フラッグを付けたジャージで出場し、「これからは豪州とLGBTQの代表である」とその想いを語った。

他にも、マヤ・ガベイラはナザレで男子記録を上回る波に乗りギネス記録更新。サーフィン界における女性の立場について描いた本や映画がいくつも世に出た。

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1年前に思い描いていた「2020年」とはすっかり異なる様相となったこの一年。サーフィン界にとっても大きな打撃があったことは間違いないが、デジタルコンテストなどの試みや、テレワーク推進で沿岸部への移住が促進されるなど新しい動きも生まれた。

2021年、一刻も早く事態が収まり、自由に世界中の波を追いかけられる日々が戻ってきますように。今年もTHE SURF NEWSにお付き合いいただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い致します。

(THE SURF NEWS編集部)

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