ハワイ初の人工サーフィン施設「Wai Kai Wave」

ハワイ・オアフ島の「Wai Kai Wave」とは。citywave境町スタッフが現地を視察

サーフィンの聖地、ハワイ・オアフ島の西部エワビーチに位置する“ホアカレイリゾート”内にて、今年3月に誕生したウォーターフロントレクレーション施設「Wai Kai(ワイカイ)」。

本施設の中心には、様々なアクティビティ体験を提供する「THE LINEUP(ザ・ラインナップ)」があり、その目玉アトラクションが、citywave搭載の「Wai Kai Wave(ワイカイ・ウェーブ)」だ。

このWai Kai Waveと、一般的なcitywave施設で最も異なる点は、そのプールサイズ。Wai Kai Waveのプール幅は約30mあり、これは日本のcitywave Tokyo Sakaimachiの約3倍にあたる。
オープン時には、ケリー・スレーターやカリッサ・ムーアらも訪れ話題を集めていた。

また、大井町時代のcitywaveと同様に、THE LINEUPにはバーやレストランも併設されており、夜のエンターテイメントとしても展開しつつ新たなファンを獲得している。

今回は、citywave Tokyo Sakaimachiスタッフが実際に現地を訪問し、このWai Kai Waveを体験。そして、サーフアイランドであるハワイ・オアフ島で、今なぜcitywaveなのか、その経緯と狙いを聞いた。

広い駐車場も完備するホアカレイリゾート内
36,000平方メートルに及ぶウォーターフロント
ラグーンに面した土地ならではのライフスタイルとレクリエーションを楽しめる

施設完成後は早速ケリー・スレーターもこのWai Kai Waveを試したようですが、その感想は?

彼はワークアウトが大好きで、有酸素運動のレベルに驚きました。そして、彼は(Wai Kai Waveのことを)ボードとフィンをテストできるのが気に入っている、と言っていました。その後はエルサルバドルからも直接メールがあり、帰国後に友人らと次のサーフセッションを計画したいと言っていました。彼は、ここのプライベートVIPカバナで友人と過ごすことをとても気に入っているようで、訪れるたびにその機会を楽しんでいるようです。

ほかにWai Kai Waveを体験したサーファーや、ローカルの評判は?

レビューは圧倒的に好評です。 ケリー以外にも、カリッサ・ムーア、ココ・ホー、カイ・レニー、ジェリー・ロペス、ネイザン・フレッチャー、ロス・ウィリアムス、ノア・ベッシェン、ギャレット・マクナマラなどのトッププロやセレブサーファーたちが、Wai Kai Waveを体験していて、いかに素晴らしいハイパフォーマンス・トレーニングウェーブであるかのコメントをしています。
そして多くの若手・有望なサーファーたちがトレーニングやコンテストの準備のためにこのWai Kai Waveを利用しています。地元のサーファーの多くは、ここでエアーのやり方を最初に学び、その後に自信を持って海に行くことができるようになりました。地元コミュニティからは10サーフパッケージ(10回券)が人気で割引き等も行っています。評判は上々ですが、(citywaveの波は特徴的なため)海でサーフィンをする人にとっては、何回かの練習が必要であることは間違いないでしょう。

幅30mのプールはcitywave最大。3エリアにも仕切ることも可能
広いショルダーでは、プール中央とサイドで掘れ方が若干異なる

ハワイに人工サーフィン施設を作ろうと考えたキッカケは?

トレーニングセンターを設計した他のプロスポーツやオリンピック競技と同様に、波のプールはサーファーがトレーニングするには最適で、管理された環境を提供できていると思います。また、海では風が強かったり、うねりのない時期があったりと、常に良い条件が整っているわけではありません。そして、サーファーにとってオアフ島は非常に混雑した海でもありますね。Wai Kai Waveでは45分間の1セッション中に12~15回のしっかりした波に乗ることができます。海でのセッションでは、45分間でわずか2~4回のライディングしかできないこともありますから。

プール目の前には、レストラン&バー施設も。この距離感がcitywaveの魅力でもある
レストランのメニューも本格的、地元の評判も上々

ラグーン型のウェーブプールではなく、citywaveテクノロジーを選んだ理由は?

私たちはWai Kaiのマスタープラン内にある限られたスペースしか持っていなかったため、ラグーンウェーブ・テクノロジーは現実的な選択肢ではなく、世界中で13以上の施設に導入されているcitywaveを選びました。また、観客が間近で観覧したり、参加したり、波の周りに集まることができる環境の親密さも気に入っています。

他施設のように幅9mのプールではなく、世界最大のcitywavew開発を決めた理由は?

サーフィンの発祥地であるここハワイで、スタンディングウェーブ技術を導入すると考えた際、可能な限り最高の製品を作りたいと考えました。地元のコミュニティは、ワイメア・ベイの砂州が掘り起こされ、川が湾に流れ込んだ後に時折り形成されるスタンディングウェーブ(リバーサーフィン)の知識も持っています。もし私たちが小さな波を再現するだけでは、期待するような注目を集めることはできませんし、サーファーがスピードやフロー、ビッグターン、そして他のどのスタディングウェーブよりも大きなエアーを生み出すため、より大きな波のフェイスというキャンバスを提供したかったのです。
余分なスペースは、仕切りを追加したり、複数のサーフィンレーンを運営したり、スループットを向上させてより良い収益モデルを作り出すことにも役立っています。

なお、日本国内と同様に、電気代の高騰等が大きな懸念となっているハワイだが、Wai Kaiでは週末のファーマーズマーケット開催など、サーフィンをしていない地元の方の取り込みなど様々な施策を実施していた。こうした取り組みは、今後日本側の施設の参考となる。

この日は海洋保護をテーマにしたフェスティバル「Ocean Fest 2023」が開催されていた
敷地内にはミシュランシェフが手がけるダイニング「kitchen door」も

citywave Tokyo Sakaimachiとの連携

日本のcitywaveの約3倍のプール幅を誇るWai Kai Wave。実際に本施設を体験した境町スタッフによれば、やはりフェイスの幅が増えた分、アップス&ダウンに近い動きも可能とのこと。また、プール中央が最も掘れていて、両サイドにはスープセクションがあるなど不規則な部分もあり、より海のサーフィンに近い感覚も得られるという。
(逆に、整ったフェイスを安定的に提供できるのは、従来のcitywaveの特徴とも言えそう)

また、今回の視察ではスタッフ間で集客や施設オペレーションに関する意見交換なども行い、今後は日本からハワイへの団体ツアーなども構想中とのこと。

citywave Tokyo Sakaimachiでも、今後は本場ハワイの施設との連携体制を強めていく方向で、新たなコンテンツやサービスが誕生する可能性もある。海でのサーフィンとの差別化や、プールトレーニングの特性等を活かして、新たな活用例の提案なども含めサーフィンファン獲得を目指していく予定だ。

詳細はcitywave Tokyo SakaimachiのwebサイトおよびSNSをチェックして欲しい。

エントランスでは電子キーを使用
清潔&お洒落なロッカー/シャワールーム
夜のバータイムも良い雰囲気

取材協力
THE LINEUP(Wai Kai)
https://atthelineup.com/

素材/写真提供
citywave Tokyo Sakaimachi(シティーウェーブ境町)
https://citywave-tokyo.jp/

(THE SURF NEWS編集部)

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