Photo: Sabrina Brennan / Surf Equity

ノースショアで女子大会を!男女平等の推進をハワイの議会で承認

1月末、ハワイのホノルル市議会ではノースショアのサーフィン大会に女性枠を設けるように勧める歴史的な決議案が全会一致で承認された。この「決議20-12」にはオアフ島のノースショアで開催されるすべてのサーフィン大会に女性枠を設けるよう、大会の許可を管理しているホノルル市の公園・レクリエーション課に求めている。これによりCT大会のパイプラインマスターズを始め、トリプルクラウンなどノースショアの全大会に女性が参加できるようになる見込み。

不平等な現状

昨年からWSLが運営するサーフィン大会で男女の賞金金額が平等化されるなど、近年世界のプロサーフィン会では男女平等の動きが少しずつ前進している。その中、サーフィンの聖地であるハワイのノースショアでは数多くの男子大会があるにも関わらず、女性が参加できるプロ大会が一つもない。 現時点では、男性プロならノースショア開催の大会で良い成績を出せばハワイから出なくてもCTにクオリファイできるのに、女性プロはハワイを出ないことにはQS大会に出場すらできない。 オアフ出身の現女子世界チャンピオンのカリッサ・ムーアが地元の大会で世界トップのサーフィンを披露できないという悲しい現実だ。

4度の世界チャンピオン、カリッサ・ムーア。地元で参加できるプロ大会が一つもないのは信じがたい現実だ。 Photo:WSL/Cestari

決議の内容

決議20-12(Resolution 20-12)の内容には、女性が5割以上で構成される特別審査委員会を可能な限り早く設立し、今後の大会申請の審査・許可プロセスを監視し、ノースショアのプロサーフィン大会の男女平等化を推進するよう求めている。決議は法律の改正を求めているものではなく、連邦法にあるスポーツにおける男女平等の決まりに準ずるように求めているだけ。

決議案はノースショア代表の議員Heidi Tsuneyoshiによって提出され、多くの著名なプロや元プロサーファーに支持されている。Tsuneyoshi氏によると「過去10年ほどハワイでは地元の女性サーファーが(CT)クオリファイするための機会がほとんどない。今年の五輪でサーフィンがデビューするにあたり、ハワイの女性にもクオリファイできる機会を提供したい。公平な活躍の場を作るのが目的だ。」

決議案の審査にあたり、前CTトッププロのロシェル・バラード氏は「若い頃カウアイ島で育ち、ノースショアのサンセットやハレイワの大会に出るのが大きな目標だった。私が大会をまわっていた頃は女子トリプルクラウンもあった。今はオアフ出身の4度のワールドチャンピオンがいるのに、参加できる大会が一つもない。」と、不平等な現状への失望をあらわにした。
市民の要望を受け入れながらのプロセスになるため、また2020年の大会許可が既に締め切っていることから、女子の参加枠が現実になるのは2021年以降になる見込みだ。

ノースショアで女子大会があったら、喜んで参加するサーファーは他にもいる。タイラー・ライト Photo: WSL/Cestari

女性参加の大会が開催できるために

ノースショアで許可させている大会はSunset Pro, Volcom Pipe Pro, Backdoor Shootout, Vans Pro, Hawaiian Pro, Vans World Cupと Pipeline Mastersで現時点ではこれ以上増やす余地はない。
現行の決まりでは、たとえ女子大会を開催する予算が取れたとしても、少なくとも2020年度は現在予定している大会以外に増やすことが許されないだろう。

ノースショアで女性参加のサーフィン大会を開催するためにはいくつかの手段がある

・女子大会を新規開催するための許可をする(大会許可を増やす)

・現在男子大会に割り当てている大会許可を取り消し、女子大会に当てる

・現在の男子大会の大会許可の日数を延長し、女子大会を並行して開催できるようにする

・現在の男子大会の参加枠を一部女子に割り当て、既存の大会許可内に開催できるようにする

ノースショアのサーフィン大会の許可を審査するホノルルの公園・レクリエーション課とハワイ州の土地・自然資源課がこれらの選択肢を精査して、プロサーフィンの組織や地元の一般サーファーと協議しながら決断を下すことになるだろう。

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大会がなくても、パイプをチャージするハワイの若手女子 モアナ・ジョーンズ

ノースショアで女子大会が新設されたら

ノースショアで女子大会が一つもない中、日頃からサンセットやパイプで練習している女子プロサーファーの数はだいぶ限られているかもしれない。いきなり明日から6~8フィートのパイプで女子大会ができたとしても、それに参加してチャージする女子プロはそう多くないだろう。しかし、女子トッププロの技術の進歩や若手女子の勇敢なメンタリティーを見ていると、平等な機会さえあればすぐにパイプのような危険で難しい波でもチャージするようになるに違いない。

(ケン ロウズ)

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