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「2019年のサーフィン界」が分かる 話題のニュースTOP10

2020年東京オリンピックが間近に迫るなか、国内外で様々な動きがあった2019年のサーフィン業界。THE SURF NEWSで人気だった話題TOP10と共に、この一年を振り返る。

1. 五十嵐カノア CT初優勝

PHOTO: © WSL/Dunbar

2019年5月25日、サーフィン界の歴史が塗り替えられた。バリ島・クラマスで開催された2019年チャンピオンシップツアー(CT)第3戦で、五十嵐カノアが日本人として初めてCT優勝を成し遂げた。

21歳、キャリア4年目にして念願のCT初優勝を果たし、ランキングでも2位に浮上。その後もタイトルレースに絡み、最終ランクは自身最高の6位。五輪の出場権も獲得し、カノアにとって躍進の一年となった。

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2. ISAワールドサーフィンゲームスの熱狂と村上舜の活躍

9月、宮崎県で開催された『ISAワールドサーフィンゲームス』には、東京五輪出場資格を懸けて、例年であれば参加しないCT選手も数多く参加。最終日は1.8万人、期間中累計で8万人の観客が木崎浜のビーチに押し寄せた。

“オリンピックより豪華”とささやかれたこの大会で、村上舜は敗者復活の最終ラウンドでケリー・スレーターを倒し、日本代表としてただ一人決勝に進出。イタロ・フェレイラ、コロヘ・アンディーノ、ガブリエル・メディナに続き、4位入賞。アジア1位となり五輪出場枠も条件付で獲得した。

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3. 都筑有夢路がCT入り

台湾でのワールドジュニアでも日本人として初優勝し大きな話題になっていた都筑有夢路 Photo: WSL / Matt Dunbar

今年9月にスペインで開催された予選リーグ(QS)で最高グレードの10,000『ABANCA Galicia Classic Surf Pro』で優勝し、QS最終ランク8位につけた都筑有夢路。

CT昇格ラインまであと1枠届かず惜しい結果となるところだったが、今年のワールドチャンピオンであるカリッサ・ムーアが来季休暇を宣言したことにより、繰り上がりでCT参戦が決定した。

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4.牧之原にウェイブプール計画が浮上

Image: Surf Stadium Japan株式会社

静岡県牧之原市で、人工サーフィン施設の建設計画が発表された。2020年秋開業予定で、場所は静波海岸からすぐ近く。テキサスのBSRサーフリゾートと同じ造波装置を使用し、アメリカの五輪代表や日本の強化指定選手のトレーニングセンターとしての利用も視野に入れている。遅延や建設頓挫がつきもののウェーブプールだが、ついに日本に大型モダンウェーブプールの誕生となるか。

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5. 東京オリンピック出場選手が続々決定、ケリー出場逃す

『ビラボン パイプ マスターズ』の表彰式ではオリンピック出場選手が壇上に並んだ PHOTO: WSL/Sloane

2020年東京五輪の出場枠は男女各20名。2019年は、4つある選考イベントのうち3つが行われ、条件付の選手も含めると男子15名、女子13名の枠が埋まった。

なかでも注目を集めたのはアメリカ男子代表の争い。2019年CT最終ランク上位10名かつ各国最大2名という条件下で、コロヘ・アンディーノが一足先に1枠獲得。残り1枠をジョン・ジョン・フローレンスとケリー・スレーターが取り合う状況となり、その争いはCT最終戦パイプマスターズのファイナルデーまでもつれ込んだ。優勢だったジョンジョンが逃げ切り、11度の世界王者はあと一歩でその座を逃がすこととなった。

日本は、五十嵐カノアが正式獲得、村上舜と松田詩野が条件付で獲得している。

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6. イタロとカリッサのワールドタイトル獲得

Photo by Kelly Cestari/WSL

2019年のWSLチャンピオンシップツアーで、自身初のワールドタイトルを獲得したブラジルのイタロ・フェレイラ。ツアー前半は成績に波があったが、9月のISAワールドサーフィンゲームスで大遅刻から金メダル獲得と奇跡的な「イタロ劇場」の主役となったのをきっかけに、その後好成績を重ねた。カレントリーダーとして挑んだパイプマスターズで優勝し、初のワールドタイトル獲得。米SURFER Magazineが主催するSURFER AWARDSでもベストサーファーに選出され、まさに「イタロイヤー」の1年となった。

ウィメンズは、ハワイのカリッサ・ムーアが自身4度目となるワールドタイトルを獲得。2020年シーズンは休暇を取ることを発表し、都筑有夢路のCT入りをもたらした。

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7. 五輪の準備が本格化

Photo: THE SURF NEWS

2020年東京五輪サーフィン競技の会場となる千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸(通称 志田下)では、昨年から一部周辺エリアの整備等が進められていたが、具体的な整備計画が明らかになり工事も本格的に始まった。

7月には五輪組織委が主催するテストイベントも行われ、本番同様のフォーマットで試合を実施し、大会運営や会場設備などを確認。5月、11月には観戦チケットの抽選販売も始まったり、五輪記念硬貨としてサーフィンの100円玉ができたりと、オリンピックムードが加速した1年だった。

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8. 台風被害

新島・羽伏浦Pではゲート前の道路左側が陥没。写真提供:民宿 富八/佐藤晃子

2019年、令和元年の最大の気象ニュースは、やはり甚大な被害を与えた台風15号と19号だろう。台風15号は関東に上陸した台風としては過去最強クラスで、特に被害が大きかった千葉では観測史上1位の風を記録して沿岸部でも被害が大きかった。台風19号は記録的な大雨となり、千曲川など一級河川を含む堤防の決壊が相次ぐなど自然災害の恐ろしさを改めて思い知らされた。

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9. 人工サーフィン施設が世界各地で建設ラッシュ

Photo: Surf Lakes

昨年に引き続き、2019年も世界各地で新たなウェーブプールのニュースが相次いだ。意外にもウェーブプール開発は後発組だったオーストラリアで「SURFLAKES」のデモ施設が誕生し、そのSF的な外見が話題を呼んだ。

造波システム製造各社も世界展開を進めており、Wavegarden社はイギリス・ブリストルで商業施設「The Wave」を10月に一般公開。オーストラリア・メルボルンや韓国でもプロジェクトを進行させている。AWM社はテキサスのBSRサーフリゾートに続き、アメリカ東海岸のニュージャージー、そして日本の静岡県牧之原市でプロジェクトをスタートさせている。

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10. プラスチックごみと環境問題

世界的に海洋プラスチックごみ問題への意識が高まり、スターバックスやマクドナルド、すかいらーくなどの大手がプラスチックストローや袋の廃止を宣言し、日本でも2020年7月以降レジ袋有料化にむけ省令改正されるなどその流れが加速。

サーフィン業界も例外ではなく、WSLは2019年末までにツアーで提供される使い捨てプラスチックの使用を廃止することを宣言。WSLはそのほかにも、タヒチのCTではサンゴを守るためにジャージカラーを変えたり、五十嵐カノアがアンバサダーを務める資生堂とのコラボプロジェクトでビーチクリーンを行ったりと、WSLの環境保全活動団体WSL Pureを通じた啓蒙活動を強化した。

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番外編

今年、メインストリームコンペとはまた別の世界で、世界的に認められた日本人サーファーといえば松岡慧斗。昨シーズンの『Da Hui Backdoor Shootout』のヒート中、パイプラインで驚異のバレルライドを披露してイベント唯一のパーフェクト12をスコア。その映像は『O`NEILL WAVE OF THE WINTER』で日本人初の総合優勝を勝ち取り、さらに『SURFER AWARDS』のベストバレル部門も受賞した。

また、今年4月、2000年のワールドチャンピオンであるハワイアンのサニー・ガルシアが、うつ病との長い戦いの末に自殺未遂をしたニュースには、世界中のサーファーが心を痛めた。何週間も危篤状態が続いていたが、幸い一命を取り留め徐々に回復に向かっているようだ。


いよいよ令和元年も終わり。オリンピックイヤーとなる2020年は、きっと想像以上のドラマが待っているだろう。日本、世界のサーフシーンがもっと盛り上がると同時に、皆さまのサーフィンライフがより良いものになりますように。

(THE SURF NEWS編集部)

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