男女の賞金格差について物議を醸した2018年プロジュニアイベント優勝者の写真。WSLは翌2019年から男女の賞金同額化に踏み切った。 Photo: WSL / KELLY CESTARI

「サーフィンにおけるジェンダー平等について」-F+

F+(エフプラス)

あけおめから瞬時にして2022年カレンダーの季節だなぁ。もう今年何があったかとか考えるまもなく過ぎてゆくのだよ。
皆様におかれましても、質問、格言応募等でお忙しいところ失礼します(笑)

Photo: WSL / Diz

さて、質問その1
ユキさんがブラジルトップ3がこの先数年間活躍すると記事にされています。そうなると五十嵐カノア選手はワールドチャンピオンになるっていうのはかなり厳しいくらい差があるんですか?日本からワールドチャンピオンが生まれるのはまだまだ先のことと考えますか?

結論から先に言うと、個人的にはまだ先のことと思う。
オリンピックで銀メダルは、結果的には世界で2番であり、あと一息で世界一ではあるんだけど、それはオリンピックというひとつのコンテストの中での出来事であって、出場選手の選択方法も、世界各国から均等にという条件を付加することで、逆に偏りも出る。ワールドチャンピオンというスケールとは別の話だ。
ワールドチャンピオンになりそうな人を考えると、世界中のどこの会場でも優勝できそう、という感じのする人になるだろうし、実際にあちこちで優勝している人ということになる。まぁ、年間1勝もしないけど、ずっと2位3位だったらタイトルは取れるだろうけど、近年のブラジリアン3人の感じを考えると、なかなかねぇ。走ってハイエアー1発にエクセレントレンジ、というジャッジが今後も続くのであれば、まずはあのエアーに対抗できるクオリティのエアーを武器に持つことが最低条件になる。
過去のことを考えれば、オーストラリア、アメリカ、ハワイ、ブラジル……近年のワールドチャンピオンを生み出した国はワールドツアーに常時何人もの選手を送り込んでいる。まぁ、日本もカノアだけじゃなくて、あと何人も常時ワールドツアーにいる、という状況になったらワールドタイトルもあるのかなぁ、と思う。

PHOTO: © WSL / Nolan

質問その2
「プロサーフィンで初めて男女が同じ人数、同じ日、同じステージ、同じ賞金でチャンピオンシップツアーの世界タイトルを競う、これは世界のスポーツリーグの中でも画期的なことであり、完全なジェンダー平等を生み出そうとしているWSL長期計画の第2フェーズであり、スポーツにおいて女性に平等なチャンスを提供するリーダーとしての地位を確立するものだ」という内容の記事を読みました。ユキさんはサーフィンにおけるジェンダー平等についてどう思いますか?

ジェンダー平等という問題はなかなか奇妙な問題で、例えばジェンダーが完全に平等になってしまうと、ジェンダーという区分け自体も不要になってしまう。ジェンダーは差があるからジェンダーなのに、と思う。シンプルに、男性だから、女性だからという理由で何かやりたいことを妨げられなければいいんじゃないかと思う。成し遂げられるられないは別として、チャレンジ権は平等であるべきだろう。
出席簿の男女分け廃止でジェンダー平等とかって、本当にくだらないと私は思う。言葉狩り的な感じ。

サーフィンにおいてはというか、スポーツにおいては、ジェンダー完全平等は逆差別に近い感じになるかな、と思う。だって、スポーツというのは身体能力を競う場であって、その身体能力が性差で違うのは明白なのに、それを平等にするって、無理あるな、と思う。
質問にあるWSLの長期計画の同じ人数、同じ日、同じステージ云々は、まさに逆差別かな、みたいな。例えば男女の競技人口が同じぐらいの数なのであれば、それもいいとは思うけど、実際に世界中で海を見てみれば男女どっちが多いかは明白。100万人の中からの32人と、50万人の中からの32人は後者のほうがラクだ。競技人口に比例して数決めたほうがいいんじゃないかと思う。それが平等ってもんだ。
同じ日、同じステージは、イベントを開催するにあたっての効率を考えると、あえて分ける必要もないだろう。
まぁ、過去も現在もサーフィン界は男社会であり、試合も潮周りのいいときはメンズ、ダメな時や風が入ったらウイメンズ、というのがふつうに行われていて、これをジェンダー不平等というなら、そうだろうけど、興行面で考えるなら集客力は今のところメンズのほうが上なので、平等にしちゃうとその辺の評価はどうなるんだ、って話も出てくる。まぁ、入場料取るわけじゃないから、集客力あまり関係ないけど。
ジェンダー平等って耳あたりはいいけど、行きすぎると逆差別になると思う。

質問その3
ここ数年のサーフテクニックの更なる向上により、ケガのリスクが上がっていますね。実際に、ジョンジョンは膝ボロボロだと思います。これからのサーフテクニックの進化および選手生命について、望ましい発展をユキさん独自の視点でお聞かせ下さい。

長くなっちゃったので、質問その3は次週に繰り越します(笑)

Photo by snowy

写真はうちの猫のジェンダー平等。茶と白の2匹は盲目というハンディキャップありだけど、そちらも平等

F+編集長つのだゆき

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