『Western Australia Margaret River Pro DAY1』、ラウンド2・メンズヒート9で、昨シーズンのワールドチャンピオンである ヤゴ・ドラ と、ローカルワイルドカードの ジェイコブ・ウィルコックス の対戦中、パドル時の接触をめぐる判定が物議を醸した。
この場面について、2人のジャッジはジェイコブによるインターフェアレンスを支持したが、残る3人は基準に満たないと判断。最終的に多数決によりインターフェアはコールされず、ヒートはそのまま続行された。
問題のシーンは、残り23分の時点で発生した。プライオリティを保持していたヤゴが波に乗ろうと振り返った時、その前方にジェイコブが進路を取ったことで、ヤゴはテイクオフを断念。

ヤゴはこの場面について明らかにインターフェアレンスだと主張。一方のジェイコブは、ヤゴが意図的に状況を作ろうとしたと感じていた様子だった。ヤゴはその後リズムを崩していたようにも見えたが、ヒート前半にスコアした7.10ptと6.57ptの合計13.67ptをキープ。ジェイコブの12.93ptを上回り、ラウンドアップを決めた。
勝利を手にしたものの、この判定に対してヤゴが納得していない様子は明らかだった。

海の中で始まり、ヒート後も階段でのヤゴとジェイコブのやり取りが続いた。
ヒート後のインタビューでヤゴはこう語っている。
「自分が狙っていたラインに、まさか彼がぴったりいるとは思わなかった。だからブレーキをかけた。結果的にコールされなかったなら、もっと強引にいくべきだったのかもしれない。あの時点で自分は10ポイント以上持っていたし、本来ならインターフェアがコールされてヒートはほぼ決まっていたはず。でもそのあと彼が波をつかんで流れが変わった。状況について触れずに普通に進行していたのも正直かなり混乱した」
さらにこう続けた。
「あの場面は明らかにインターフェアだと彼も分かっていたはず。起きた直後から海の中で何か言ってきたしね。自分としては“無理にいったわけじゃない。まだその波に行くか判断している段階で、そこに彼がいた”と説明していた。あれがコンペだし、神経もかなり張り詰めている。ただ、ジェイコブは素晴らしいサーファーだし、この一件でリスペクトがなくなるわけじゃない。今後しっかり話せればいいと思う」

なお、その後2人は話し合いの場を持ったとされるが、Stab Magazine によると、ロッカールームや駐車場で小競り合いに発展し、元プロボクサーでもあるジェイコブ側のセキュリティが介入したとの情報もある。
ただし、同記事は現在閲覧できない状態となっており、公開取り下げの要請があったのかなど、詳細な真相は不明だ。
またSNS上では、「昔と今でサーフィンのエナジーは変わらない」といった声とともに、2000年に起きた衝突と今回の一件を重ね合わせる投稿も拡散されている。
一夜明け、SNS上ではさまざまな憶測や意見が飛び交っていたが、ヤゴが自身のインスタグラムストーリーを更新。両者が話し合いの末、和解に至ったことを明かした。
「コンペティションである以上、ああいう状況は起こり得るものだし、すべては海の中に置いていくべきだと思っている。昨日は必要以上にエスカレートしてしまったが、一晩置いて、今日ジェイコブと僕、そしてチームで話し合いの場を設け、しっかり向き合うことができた。
ジェイコブは非常にタフな競争相手であり、同時に素晴らしい人間でもある。今年のチャレンジャーシリーズでの成功を心から願っている。
話し合いの機会を作ってくれたジェイコブと彼の父親にも感謝したい」
ヒート中の緊迫したやり取りから一転、両者は冷静な対話を経て関係を修復した形となった。今回の一件は、コンペティションの厳しさと同時に、プロフェッショナルとしての姿勢も改めて示す出来事となった。

初戦でのジャック・ロビンソンのインターフェアレンスに続き、ジャッジングをめぐる議論が再び浮上する形となった。
しかし、選手の感情が揺れる場面があるのと同様に、ジャッジの判断にも難しさが伴うのは避けられない事実だ。
それでも今回、ヒート後に両者が対話の場を持ち、和解に至ったことはポジティブな結末と言えるだろう。勝敗や判定を超えて、こうしたスポーツマンシップが示されたことには大きな意味がある。





















