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「場所ごとにサーフボードは変えるべきか?」 – F+

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マーガの試合で誰が活躍しそうか、セス・モニーツ、ブロンティ・マコーレー、ロス君的中。セスは現在3馬身差ぐらいでタイトルレースをひた走るガブを破ってクオーターファイナル。ブロンティはジョアンヌ・デファイを破ってセミ。セミまで行っても驚かないって言ってたから驚いてないね(笑)。

まぁ、タイトルレースとしてはこの辺でガブがコロッといってくれないと離れすぎなわけだけど、これで面白くなってきたかと思いきや、ジョン様膝の負傷でこの試合途中棄権。同じ膝でも前にやったところとは違うようだけど、なんかこの人ケガが多い。次のロットネストアイランドも出ないってことになった。結構厳しいかな、と思う。まぁ、今シーズンは5位以内に入ればヨシなので、そんなに深刻でもないかもしれないけど。

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選手というのは、そのキャリアの中でずっとケガに泣かされる人と、ほとんどケガのない人に分かれると思う。今回出ていないレイキー・ピーターソン、そしてジョンジョンは怪我の多いほうだと思う。50歳近くなってようやくケガし始めたケリーではあるけど、そのキャリアの大半は怪我なくすんでいた。基本的にスタイルに癖のない人って怪我がないように思う。正しい身体の使い方ができてるんだろうと思うし、癖のある人はどこかに無理がかかってるということだと思う。スタイルほんと大事。

さて今回は後半の板の話が圧巻。ミックのフィンの話なんて、聞いててよかったこのコンテンツ、って感じ(笑)。では第17回まいりましょう。

1:この試合での本命と穴馬、どっちが活躍を見せそうか

ロス:本命のほうからあげるとガブリエル、イタロ、ジョンジョン、女子ではステファニー・ギルモア、カリッサ。今のところみな順調に行ってる。個人的にはイタロがエアーサーフィンからマーガレットリバーのサーフィンにうまくスイッチできたのに驚いている。

ミック:そうだね、僕は穴馬サイドからまずはライアン・カリナン。彼の10点満点のラストターンはすごかった。そしてグリフィン・コラピント。実にシャープだ。ベテランの中ではジェレミー・フローレス。マット・マギルヴレーもここにきて急に頭角を現した。きりがないけど、最後にもうひとり、ブロンティ・マコーレー。彼女はすごく力強くなったと思う。

ブロンティ・マコーレー PHOTO: © WSL / Miers

2:エキサイティングなメインブレイクでの10ポイントライド、今回のジョンジョンのバレルと以前のケリーのバレル、どっちの10点がエキサイティングか

ミック:ジョンジョンかな。ケリーの波は絵にかいたようにきれいなバレルの波。ジョンジョンのやつはテクニックで抜けてきた感じだ。タジがメインブレイクで過去最高のチューブの抜け方だって言ってたけど、テクニック的に見ればジョンジョンのほうがちょっと上だと思う。

ロス:僕もそう思う。ケリーのやつはメインブレイクにしちゃバックドアみたいな夢のような波だ。

3:グーフィーフッターとレギュラーフッター、マーガレットリバーではどっちがすごいか

ロス:ライアン・カリナンのバックハンドサーフィンを見てると本当に驚きだけど、僕はここではやはりレギュラーフッターかな、と思う。 フロントのパワフルなカーブのほうがバックサイドのフックより難しそうに見えるから。バックサイドフックはクリティカルな掘れたセクションさえあればエキサイティングに見える。板を垂直にあげて、でかいスプレーを飛ばすバックサイドスナップはみんな好きだ。でも歴史を変えてきたのはジョンジョンのカーブやカリッサ、ステファニーのカーブだ。だから僕はそっち。

ミック:グーフィーには難しい波だけど、今回のグーフィーフッターはうまくやれてると思う。昔はツアーじゃレギュラーフッターが優位だったけど、その時代はガブとイタロの登場によって終わった。このイベントでのライアン、ガブ、イタロ、女子ではブロンティ、キャロライン、タチアナなんかのグーフィーフッターはすごいと思う。でもどっちかを決められるものじゃない。

ロス:そこそこのカービングと、ジョンジョンとかジュリアンとか、ほかの何人かのクレイジーなカーブ、正確なコントロールでレールを深く入れ続けてもノーズのあたりにスプレーの出ないカーブ(注:おそらくこれは最後がパチンってならないカービングを指すのだと思う)、そして美しいスタイル……それは本当に難しいテクニックで、バックサイドスナップより何倍も難しいと思う。

ミック:バックハンドのサーフィンには限界があるのは確かだ。でもバックハンドのボトムターンは注目に値する。ガブの数秒ホールドするようなボトムターンはすごい。グーフィーかレギュラーかを論じるより、ツアーにクラウドブレイクみたいなリッパブルなでかいレフトのポイントも加えるほうがいい。ジョンジョンやグリフィン、ジェレミーなんかのものすごいバックハンドアタックも見たいから。両方あって初めて比較できると思う。

4:場所ごとにボードを変えたほうがいいのか、あるいは調子のいい板をオールラウンドに使ったほうがいいのか

ミック:あのコンディションでジョンジョンは6‘2“。いつものやつだ。みんなはそうか、あれならあのサーフィンができるんだ、って思うかもしれないけど、そういうわけにはいかない。僕自身も何度もパイプでやらかしてるけど、短い板を使ってうまいやつらみたいなサーフィンしようとか思ってもそうはいかない。バレルよりずっと前に出ちゃったり、ボリュームがありすぎてスピードコントロールができなかったり、散々な目に合う。メインブレイクでも同じ。短くて厚めの板とかでいくと思うようにいかない。だから長めのトラディショナルな板で行ってた。そういう板はよくわかってるからね。でも何人かの短い板で行くグループがあるのは確かだ。ジョンジョンはその中でもネクストレベルだけど、グリフィンも小さい板だ。でも6’4”に乗ってるジェレミー・フローレスやライアン、超薄い6’6”のチッパ・ウイルソン、6’4”のジャック・ロボなんかのカービングは見栄えがいい。だから、誰が何に乗ってるからそれって決められないと思う。そこに行って、自分で試してみないと。

ロス:みんなジョンジョンがどんな板に乗ってるかとか、ケリーがどんな板に乗ってるかをものすごく気にしてる。なぜなら彼らが世界のベストサーファーだから、どうして彼らがあんなサーフィンできるのかを知りたいから。でもジョンがそれに乗ってるからって同じのに乗るのは違う。ジョンはちょっとでも違うサーフィンをしようと考えていて、12フィートの波でのタイトなポケットでのパフォーマンスの微妙な差にこだわる。それはノーマルな感覚じゃない。そのコンディションは僕の時代ならサバイバルコンディションで、何かをするってレベルじゃなかった。僕の時代にはケリーがよりアグレッシブなサーフィンができるイクイップメントを世に広めた。アンディもだ。今までと違う板で今までと違うライン。彼らはサーフボードのパイオニアとなんだと思う。

アンディ・アイアンズ Photo: WSL

ミック:アンディをあげてきたのは面白い。だってアンディこそ長い板に乗るから。彼は超アグレッシブでパワフル。ある意味どんな板に乗ってるかなんて気にしない。それが何であっても思い切り押し込んで、みんなが考えもつかないところに持っていく。

ケリーは時にターンすらままならないような超短い板を持ち出して、それがうまくいかなきゃまた違ったタイプの板を使う。

ジョンの話で興味深いのは、フィンについてのコメントだ。波が大きいときはフィンをミディアムにかえるって話。みんなもやれることだと思うけど、僕は6’1”以上の板に乗るときはいつもフィンをラージからミディアムに変えてた。それでよりレールが使える。長い板にラージフィンだと張り付いちゃって動かない。その辺はまだみんながあまり時間を割いて試していない部分かなと思う。

ロス:アンディに話を戻すけど、彼は超アグレッシブなラインでポケットにしっかり入ってリップを吹き飛ばすようなターンをする。あの時代の板はもう少し長めだったからもっとカーブがあったし、もっとロッカーがあった。今のジョンジョンの板は小さくて短くて、より敏感にポケットにフィットする。でもテール寄りの部分はよりレールが使えるデザインなんだと思う。結局自分がどんなサーフィンをしたいかを見極めて、どんな板に乗るかをよく考えなくちゃならないってことだね。

ミック:じゃぁ、ロスが1本オーダーするとしたらなに?

ロス:う~ん。エリック・アラカワかな。ここ何年か冬は彼の板に乗ってるんだ。ハワイにはいいシェイパーがたくさんいるけど、彼らはとにかく忙しいからね。ミックは?

ミック:初日のメインブレイクだったら6’6”だね。とにかくその長い板でレールをできるだけホールドしたい。

F+編集長つのだゆき

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