現地時間7月18日、南アフリカのバリートで開催されていたCS開幕戦『Ballito Pro』が終了。
57回目を迎える歴史ある今イベントは過去にジョーディ・スミス、マーク・リチャーズ、ショーン・トムソンなどが制したこともある格式高い伝統の一戦。
CSになってから初の開幕戦となり、2027年のCTクオリファイをかけて世界中からトップ選手が集まった。
来年3月にかけて全5戦で争われるCSの基準を示した1週間だった。
イベント期間中は前半に大きなウネリが入り、バレルもあるグッドコンディション。
後半はサイズダウン傾向となり、ファイナルデーはスモールになっていた。


CTクオリファイの条件

2027年CTクオリファイに関係するCSは全5戦。
スケジュールは以下。
▪️『Ballito Pro』
2026年7月12日〜7月18日
バリート,南アフリカ
▪️『Lexus US Open of Surfing』
2026年7月27日〜8月2日
ハンティントンビーチ,カリフォルニア
▪️『Banco do Brasil São Sebastião Pro』
2026年9月26日〜10月3日
サン・セバスチャン,ブラジル
▪️『EDP Ericeira Pro』
2026年10月6日〜10月12日
エリセイラ,ポルトガル
▪️『Newcastle SURFEST』
2027年3月1日〜3月7日
ニューキャッスル,オーストラリア・NSW州
・メンズ上位10名、ウィメンズ上位6名がクオリファイ。
・5戦中のベスト4戦の結果がカウントされる。
・QS6,000の1戦の結果をCSの結果に置き換えることが可能。
★ウィメンズはシーズンワイルドカード次第で上位7名がクオリファイ可能になる。
エアーゲームを制したコール

PHOTO: © WSL/Pierre Tostee
ファイナルデーはメンズ、ウィメンズ共にファイナルのみが残されていた。
メンズサイドはCTで苦戦しているためにCSにも出場しているサンクレメンテのコール・ハウシュマンドとブラジルのウェスリー・ダンタス。
スモールコンディションでのグーフィーフッター対決はエアーゲームになった。
まずは1本の波で2回のエアーリバースをメイクして7.83を出したウェスリーが先行。このエアーでスイッチが入ったコールが高さのあるストレートエアーで8.90を出して逆転に成功。
ニードスコアは5.41と低かったため、ウェスリーは最後まで執拗に攻めて飛びまくったが、メイク出来ず…。
コールが最後まで逃げ切り、2023年以来、2度目の今イベント制覇を成し遂げた。
「最高の気分! 今年経験してきた苦しい状況を考えると、今回の優勝は今までの中でも最高のものの一つかも。リズムを取り戻すためにここに来た。とにかく良い流れに戻りたかったのさ。本当に嬉しいよ。バリートには何か特別なものがある。この場所が大好きだよ」



2023年にマンリー、バリートと2連勝してクオリファイを決めたコール。
ルーキーイヤーの2024年はベルズで優勝。
2年目の2025年はブラジルで優勝したが、2026年の前半戦はニュージーランドの5位以外、全て最初のラウンドで敗退と苦戦を強いられている。
今イベントに出場している他のCT選手同様、リクオリファイするためにCSをカバー。
サイズがあった前半のラウンドは彼の十八番であるパワーサーフィンを武器に勝ち上がり、サイズダウンしたファイナルデーはエアーで勝負を決めた。
「自分本来のパワーサーフィンを貫けると思ったけど、彼が最初のエアーを成功させたのを見て、彼の土俵で勝負しなければならないと確信した。真っ向からぶつかり合って互角に戦いたかったので、本当に嬉しい。今週の初めにコーチのマイヤーズに『もし良いリップが見つかったら、ストレートエアーを決めたい』と話していたんだ。あのエアーは完璧なリップで、着地の時にボードが折れるんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、スコアが出た時は本当に気持ち良かったね」

可能性を秘めた28歳のウェスリー

PHOTO: © WSL/Pierre Tostee
元CT選手のウィゴリーの弟でもあるウェスリーは荒削りながら、QFでは今イベントのハイエストスコアを出していた。
CSではこれまで二桁ランキングだったのが、今年は一気に2位になる成長ぶりを見せ、兄の同じ道に近づいている。
「これほど大きな結果を得ることができて、本当に嬉しいね。ここに来た時、少なくとも5位くらいにはなれるだろうと思っていた。どうなるかは分からなかったので、めちゃくちゃ嬉しいよ。このまま努力を続け、全力を尽くして、年末までにはクオリファイという自分の目標を達成したい」



ポルトガル人対決を制したテレサ

PHOTO: © WSL/Pierre Tostee
ウィメンズサイドはテレサ・ボンヴァロ、フランシスカ・ヴェセルコのポルトガル人対決。
波数が少ないヒートでテレサはスマートな戦略を見せた。
アンダープライオリティでスコアを出し、フランシスカとは離れたピークへ移動してバックハンドでの垂直リップで更にスコアを伸ばし、クロスゲームを制した。
「今は言葉が見つからないわ。本当に信じられないくらい嬉しくて、感情が溢れている。もし、大会前に私が優勝するなんて言われても、きっと信じなかったと思う。夢でも見ているんじゃないかな。これほど長いブランクを経て、復帰後最初の大会で優勝できるなんて。ただ毎日を前向きに、目の前のことに集中しようと努めていただけよ。本当に夢のようだわ」

2025年のCSは開幕戦で3位と好調なスタートを切ったテレサだったが、その半年前にポルトガル代表として出場したエルサルバドルでのISAのWSGでウニを踏んでしまった時の合併症で第2戦以降は不調が続いた。
なんとかシーズンは終えたものの、一時は歩くこともできないほど悪化して大会の結果も散々。
最終戦の後に手術で全ての棘を取り除き、その復帰戦となった今イベントで優勝した。
「キカと一緒にポルトガル勢同士のファイナルに進めたことは、ポルトガルのウィメンズサーフィンがどれだけ成長しているかを示している。本当に光栄なことよ。今になってようやく実感が湧いてきたわ。手術後初の大会で、毎日が特別だった。ここではいつも楽しく過ごせる。水温も快適で、本当に幸せよ」


CT残留のための重要な1戦になったフランシスカ

PHOTO: © WSL/Pierre Tostee
2026年のCTルーキーでもあるフランシスカは開幕戦からR2が壁になり、ランキングで最下位。
今年はミッドシーズンカットがないものの、このままシーズンが終わるとCT脱落の道を歩むことになる。
コール同様にリクオリファイするためにCSをカバーした初戦で2位と好調なスタート。
ポイントを稼いだと同時に、この自信がCTにも活かされる可能性がある。
「悔しさ半分、嬉しさ半分という感じね。もちろん優勝したかった。CSシーズンとしては良いスタートが切れたので、この結果を受け入れたいと思う。ツアーの滑り出しは本当に厳しかった。ここに来る前は、3か月間もヒートを勝ち上がれていなかったので、こうして大会で結果を残し、再びあのリズムと勢いを取り戻すことができて、めちゃくちゃ嬉しいわ。テレサと一緒にファイナルの舞台を共有できたことは、ポルトガルにとって大きな瞬間でもあった。その一部になれたことを幸せに思う」
次のCS第2戦はカリフォルニアのハンティントンビーチを舞台とした『Lexus US Open of Surfing』
7月25日〜8月2日にロングボードのワールドツアー、LTと併催で行われる。


『Ballito Pro』結果

1位 コール・ハウシュマンド(USA)
2位 ウェスリー・ダンタス(BRA)
3位 ジャーヴィス・アール(AUS)、ジャクソン・パンチ(HAW)
5位 ライアン・カイナロ(BRA)、イアン・ゴーベイア(BRA)、ジェイク・マーシャル(USA)、タジ・リンドブラッド(USA)

ウィメンズ
1位 テレサ・ボンヴァロ(POR)
2位 フランシスカ・ヴェセルコ(POR)
3位 アリアン・オチョア(EUK)、ソル・アギレ(PER)
5位 シエラ・カー(AUS)、ローラ・ラウップ(BRA)、ベラ・ケンワーズィ(USA)、エデン・ワラ(USA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Ballito Pro presented by O’Neill Women’s Final Result:
1- Teresa Bonvalot (POR) 10.33
2- Francisca Veselko (POR) 9.10
Ballito Pro presented by O’Neill Men’s Final Result:
1- Cole Houshmand (USA) 13.23
2- Weslley Dantas (BRA) 12.53
(黒本人志)























