20007年から2022年までの15年間、世界の女子サーフィン界は3人の絶対女王によって支配されてきた。
ステファニー・ギルモア、カリッサ・ムーア、そして、タイラー・ライト。
ステファニー8回、カリッサ5回、タイラー2回と3人で15回ものタイトルを獲得してきた。
しかし、2023年を境に、その強固な城壁は音を立てて崩れ始めている。
タイラー・ライトと長年のメインスポンサーである「Rip Curl」の契約終了は、その象徴的な出来事とも言える。
世代交代の加速

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2023年にキャロライン・マークスが初のワールドタイトルを獲得して3人の牙城を崩した後、ケイトリン・シマーズ、モリー・ピックラムと次々と若手が台頭。
2026年のリップカール陣営を見渡すと、モリーを筆頭に、エリン・ブルックス、ティヤ・ゼブラウスキと次世代のスターがズラリと並ぶ。
ブランドの投資対象が、明らかに「レジェンド」から「これからのタイトルコンテンダー」へとシフトしたことが窺える。
タイラー・ライトの「停滞」とシビアな現実

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ワイルドカード時代を入れると17回のCT優勝を誇り、2016年、2017年にワールドタイトル連覇を成し遂げたタイラーだが、2018年以降は病気の影響もあり、低迷している。
2022年、2023年にはベルズで連覇を達成。
2023年はランキング3位になったが、再び頂点に返り咲くような勢いは見られない。
関係筋によれば、「タイラーに新契約は提示されなかった。ただそれだけのことだ」と、「Rip Curl」との離脱は極めてドライなものだったという。
離脱を決定づけた「後ろ盾」の不在
今回の離脱には、経営陣の変化も色濃く反映されている。
タイラーと親密だった元CEOのブルック・ファリスが7ヶ月前に退任。
更に長年のマネージャーだったニック・フォーダムと疎遠になっていると報じられている。
強力な交渉者と理解者を同時に失ったタイミングで、ブランド側はガブリエル・メディナやタイラーに支払っていた多額の予算を若手選手にシフトしたと言われている。
ちなみにブルック・ファリスは3年以上の在任期間中にステファニーと8年間で数百万ドル(日本円で約1億5千万)の契約を締結。
「The Search」を復活させ、ワイメアで『THE EDDIE』で「Rip Curl」の存在感を際立たせるなど、「Rip Curl」で二人目となる女性CEOで成功を収め、WSLのCMO(最高マーケティング責任者)へと転身した。

セルフプロデュースの可能性も
オフシーズンの間に「Rip Curl」と契約終了したガブリエル・メディナもそうだが、4月からのCT開幕戦が迫る中、まだメインスポンサーは決まっていない。
タイラーは、今後自ら交渉を行うか、新たなマネジメントを探している段階だという。
20歳前後の若手がツアーを席巻する今、今年はステファニー、カリッサの絶対女王がツアーに戻る興味深いシーズンでもある。
タイラーがどのブランドを背負い、どのような「ベテランの意地」を見せるのか。
セルフプロデュースの可能性も含め、注目したい。
(黒本人志)























