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2019年サーフィン強化合宿が終了。2020年東京五輪出場選考が本格的にスタート。

3月30日から31日にかけて、千葉県鴨川市の東条海岸(通称マルキポイント)で「2019サーフィン強化合宿」が行われた。参加対象者は「2019年サーフィン強化指定選手」の男子50名女子25名。五十嵐カノアはオーストラリア・ゴールドコーストで開催されるWSLのCT開幕戦が控えているため欠席した。

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今回の合宿の主目的は、2020年東京五輪選考において重要なイベントである「ジャパンオープン」の出場選考。 1日目から2日目の午前にかけて、ヒート形式のトレーニングが行われ、日本のトップ選手達が出場枠獲得を掛け挑んだ。

試合フォーマットについては、勝ち上がり形式ではなく、各選手が2ヒートずつ戦う形式。各ヒートでのベスト2スコアの合計点で順位が決まり、男女各上位12名が「ジャパンオープン」への出場を決めた。

男子1位通過は村上舜、女子1位通過は川合美乃里。ジャパンオープン出場枠全16枠のうち、残りの男女各4名はNSA(日本サーフィン連盟)推薦枠として後日NSAホームページで発表される。

男子1位通過 村上舜
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初日はコシハラ程度のトロめの波で、セットを待てば形の良いピークもあったが、波数は少なめ。2日目はオンショアの影響で、ハラムネ程度にサイズアップ。

今回の選考会は、ジャパンオープンの出場選手選考のほかに、より長期的な視点での選手育成のために、各選手の現時点での実力を測ることも目的のひとつ。そのため、勝ち抜き戦ではなく各選手が同じヒート数をこなす形式が取られ、プロ選手とジュニア選手が対戦する形でヒートが進行。

また、波数が少なく良い波が限られていた初日は、各選手のスコアにもばらつきがありいくつかの番狂わせも発生。潮周りの影響など時間帯でコンディションが変化する中、1位~2位の勝ち上がり形式ではないベスト2本のライディング点数による全体の順位決めに選手からの戸惑いの声もあったが、サイズアップした2日目には実績のある選手らが帳尻をあわせてきた形だ。

ジャパンオープン出場者

■男子上位12名
1位 村上舜 10.63/12.73/23.36
2位 新井洋人 11.67/10.93/22.60
3位 伊東李安琉 9.53/11.30/20.83
4位 大橋海人 9.80/10.60/20.40
5位 大音凛太 10.26/10.00/20.26
6位 田中大貴 11.60/8.53/20.13
7位 稲葉玲王 10.83/9.20/20.03
8位 大原洋人 8.40/11.47/19.87
9位 加藤嵐 8.63/10.57/19.20
10位 森友二 10.00/9.16/19.16
11位 安室丈 8.60/10.27/18.87
12位 堀越力 9.60/8.70/18.30
》ジャパンオープン男子出場者詳細

■女子上位12名
1位 川合美乃里 12.26/8.5/20.76
2位 松田詩野 6.0/12.86/18.86
3位 黒川日菜子 10.5/7.6/18.1
4位 中塩佳那 6.23/11.04/17.27
5位 大村奈央 9.3/6.86/16.16
6位 野中美波 6.03/9.9/15.93
7位 橋本恋 8.1/7.2/15.3
8位 前田マヒナ 6.6/8.66/15.26
9位 庵原美穂 7.74/7.14/14.88
10位 都築有夢路 7.9/6.8/14.7
11位 鈴木姫七 6.9/6.36/13.26
12位 都築虹帆 5.27/7.76/13.03
》ジャパンオープン女子出場者詳細

男女トップ12 ライディング映像

「ジャパンオープン」に出場を決めた男女トップ12名のライディング映像を公開。DAY2ハイライト動画には「ISA世界戦W優勝報告会」の様子も収録。

Film by Kenji Iida

あわせて読みたい:
2019年サーフィン強化合宿1日目レポート
https://www.surfnews.jp/feature/3171/

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2020年東京オリンピックの出場選考において、重要なイベントとなる本合宿には、昨年にも増して多くのメディアが集結。選手達は囲み取材にも対応した。また、昨年の強化合宿にはなかったヒート毎の勝者インタビューも実施された。

大村奈央
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大原洋人
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「この一年、この合宿やジャパンオープンなど五輪選考のイベントにしっかり参加して、自分を積極的にアピールしたい。自分で勝ち取るのか選ばれるのか、どちらにしても日本代表としてISA世界戦に出場し、しっかり結果を残してオリンピックに出場したい。」
大原洋人

テレビ局の取材を受ける前田マヒナ
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2日目の午後には、鴨川グランドホテルに会場を移し、『2018年ISA世界選手権・世界ジュニア選手権国別W優勝報告会』が行われた。

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波乗りジャパンの各選手が、ISA世界戦、世界ジュニアの思い出を振り返りながら、今後にかける思いなどを語り、会場は大盛り上がり。 選手達には、スポンサーの提供により名前入りのティファニーのペンが贈られた。サプライズで人気アーティスト平井大さんから、歌やメッセージのプレゼントもあった。

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「今回の世界戦で一番楽しかったのは、マーさんと洋人と一緒にダンスバトルしたこと(笑)。でも、本当に日本全体のサーフィンのレベルも上がってきていて、今回のような結果が出ていると思う。」
村上舜

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「2017年の世界ジュニアで3位で悔しかったので、今回は頑張った。世界戦優勝できて、チームでも優勝できて嬉しい。 」
上山キアヌ久里朱

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「(ISAジュニアのファイナルでキアヌが1位、自分が2位になったことについて)悔しくてあんまり覚えてない。それくらい悔しかったけど、次は勝てるように頑張りたい。」
安室丈

平井大さんとスカイプ越しに生電話
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「これまで個々のスポーツだったサーフィンが、五輪に採用され、海外を回る選手も増えてきたので、もっと先輩を頼ってほしい。海外の試合場であっても、日本の選手が集まって団結力を示すことで、日本のサーフィンが発展すると思う。」
チームキャプテン・アスリートサポート 大野修聖氏

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「日本代表と十何年間関わってきて、日本代表が世界戦で4番に入るまですごく長い道のりだった。4番になってから、いきなり優勝するなんて夢にも思っていなかったので、本当にこのメンバーに感謝したいです。 」
NSA強化本部強化委員会委員長 井本公文氏

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「サーフィンは何十年もの間、個人のスポーツだと考えられてきました。でも、この1年で日本代表がオープンとジュニアの両方で団体金を獲得したことは、“チームスポーツとしてのサーフィン”を示したと思う。ここに2つの優勝チームがいるということは、日本中から集まってきたこの部屋にいる皆さんが、ワールドチャンピオンになれるということ。皆すごく才能があって、頑張っているのを知っているし、私達はこのパフォーマンスを継続させていける。このチームの一員でいられて本当に嬉しいです。」
波乗りジャパンチームコーチ  ウェイド・シャープ氏

会場は終始和気藹々とした雰囲気で、「日本代表波乗りジャパン」として今回活躍した選手達はもちろん、過去に出場した選手や、これまで長年にわたり支えてきたスタッフ達が、これまでチーム一丸となり歩んできた歴史の上に、今回のW優勝があると感じる時間だった。

優勝報告会後は、アンチ・ドーピングセミナー、動画活用講座などの座学が行われたほか、2020年までの今後のスケジュールについての説明があった。


2020年までのスケジュール

2019年
3月 強化合宿
↓ 男女16名を選出
5月 ジャパンオープン
↓ 男女1名を選出
9月 ISA世界選手権

アジア1位になれば五輪での1枠確保

2020年
1~3月 強化合宿

↓ 男女16名を選出
1~4月 ジャパンオープン
↓ 男女1名を選出
1~6月 ISA世界選手権
↓ 上位者
7月 東京オリンピック

テストイベント
2019年7月18日~21日に五輪会場である千葉 県の釣ヶ先海岸(志田下)で開催。
会場設備・運営側の確認がメインとなるイベントだが、ジャパンオープン出場選手なども参加予定。

2020年東京五輪まで500日を切り、いよいよ本格的に五輪選考がスタートした。サーフィンが初めてオリンピック競技となる2020年に向け、日本の選手たちの成長は目覚しいと世界からも注目を集めている。今後の活躍に大いに期待したい。

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