(この日の主役となったジョン・ジョン) PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

ジョン・ジョン・フローレンスが圧倒的なパフォーマンスを披露!『Billabong Pro Pipeline』4日目

全10戦で争われる2023年CTの開幕戦『Billabong Pro Pipeline』はクライマックスに向けて一気に進行!
現地時間2月7日に4日目を迎え、メンズRound of 32からスタート。二つのマンオンマンヒートを同時に行うオーバーラッピングヒートを使用してRound of 16まで行い、QFを戦うベスト8が決定した。
すでにウィメンズは前日にベスト4が決まっており、2月8日がファイナルデイになる予定だ。

ほぼ完璧だったジョン・ジョン・フローレンス

(このジョン・ジョンに勝る者はいるのか?)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

コンテスト4日目は前日に入った北西ウネリが更に強まり、公式5-8ftレンジ。僅か4ヒートのみの進行となった前日と比べるとパイプライン、バックドア共にバレルが開いていたが、不安定なヒートが多く、ディフェンディングチャンピオンのケリー・スレーター(USA)、五十嵐カノア(JPN)がほとんど乗れず、呆気なく姿を消してしまう残念な場面も…。

(五十嵐カノア)
PHOTO:© WSL/Tony Heff
(2023年のパイプラインでケリーはこんなボードをチョイス)
PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

そんな中、一人だけ違う場所でサーフィンしているかのように圧倒的なパフォーマンスを見せたのがこのブレイクの目の前に住むジョン・ジョン・フローレンス。

Round of 16でもう一つのマンオンマンを戦うライバルのガブリエル・メディナ(BRA)がロボことジャック・ロビンソン(AUS)に追い込まれているのを尻目にバックドアでシャンデリアに次ぐシャンデリアを潜り抜け、これ以上ないドギードアから姿を現してパーフェクトに近い9.93。
更に再びバックドアを抜けて最後にエアーリバースをメイクして9.40を重ね、トータル19.33とこの日ダントツのハイエストスコアを出して主人公になっていた。

「面白い波で興奮したね。特にあの波は良かったさ。大分速い波だったけど、クリーンな壁になっていてメイクすることができたんだ。ストークしたね。2本目のバレルはよじれていて閉じちゃいそうだったので、体を傾けて乗り越えたのさ。その後のエアーも決まってスタートしたよ。明日は少し小さくなると思うけど、バックドアが楽しくなるんじゃないかと期待している。クリーンで良い波になるはずだよ」

次のQFではRound of 16でガブリエルを倒したロボと対戦。
ロボもまたこの波を得意とするサーファーであり、親友でもあるので余計な駆け引きがない素晴らしいヒートになりそう。

和井田理央がデビュー戦を9位で終える

(和井田理央)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

Round of 32ではコナー・オレアリー(AUS) vs 和井田理央(IND)という共に母親が日本人同士のカードが実現。
小ぶりなパイプラインをメイクしたコナーのリードから始まったが、リオがこのヒート最大のパイプラインをグラブレールで抜けて7.00を出し、後半にはクリーンなバックドアを見つけ、ストールからプルイン、6.00を重ねてトータル13.60でラウンドアップ。

次のRound of 16ではジョアン・チアンカ(BRA)に抑えられたが、波運に恵まれなかっただけでバレルのスキルは互角だった。
リオのデビュー戦は9位、それも更に上にいけるポテンシャルを秘めての結果だったと言える。

フィリッペがパイプラインで勝つことは可能なのか?

(ヒート後のフィリッペとヤゴ)
PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

昨年、念願のワールドタイトルを獲得したフィリッペ・トレド(BRA)はリプレイスメントのカルロス・ムニョス(CRI)、ヤゴ・ドラ(BRA)を倒してパイプラインでは2度目のQF進出を決めた。

「ヤゴはいつもこのパイプで良い成績を残しているから厳しい戦いになると思ったよ。セットとセットの間に小休止があったんだ。彼がエアーを狙っているのは分かっていたし、自分は良い波を待つしかないと思っていた。そして、バックドアに乗ったんだ。通常フォームボールに押し出されるんだけど、あの波はそうならなかったね。でも、小さいながらパイプラインの波を見つけられたのは嬉しかった。QF進出の5位以上でシーズンをスタートできるのは本当に嬉しいよ」

フィリッペの2013年からの長いキャリアでQF進出は2014年のみで早期敗退が続いていた。
長年ワールドタイトルを獲れなかった理由の一つとしても、このパイプラインが弱点と指摘されていたのだ。
今回、ようやくキャリア2度目のQFの切符を手に入れたが、次のヒートでジョアン・チアンカ(BRA)に勝ってもSFはジョン・ジョンか、ロボが対戦相手になる。
波予報を見るとバックドア勝負になりそうなので、まだチャンスはあるが…。

(苦手なパイプラインを克服することができるのか? )
PHOTO:© WSL/Tony Heff

メンズQF、ウィメンズSFのマッチアップは以下。

ジョーディ・スミス(ZAF) vs レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
リアム・オブライエン(AUS) vs カイオ・イベリ(BRA)
フィリッペ・トレド(BRA) vs ジョアン・チアンカ(BRA)
ジャック・ロビンソン(AUS) vs ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)


レイキー・ピーターソン(USA) vs タイラー・ライト(AUS)
カリッサ・ムーア(HAW) vs ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)

ネクストコールは現地時間2月8日の朝7時45分(日本時間の9日午前2時45分)で、15分後にスタートする予定。
ライブ中継はWSL公式サイト、公式YouTube、公式アプリで配信される。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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