PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ジェレミー・フローレスが「脳腫瘍の診断と手術、記憶喪失、再生について語る」

フランスを代表する元CTサーファー、ジェレミー・フローレスが命に関わる脳腫瘍について告白。
2025年6月4日に公開されたばかりのドキュメンタリー映画『Dos au Mur(背水の陣)』では、彼の闘病と回復の物語が描かれている。

ジェレミーは2021年に33歳で現役を引退後、激しい偏頭痛と原因不明の極度の疲労に悩まされていた。
ジュニア時代からの長い競技人生を終え、二人目の子どもの誕生を控えた平穏な生活が始まるはずだった矢先、脳の基底部に腫瘍があると診断されたのだ。

一時は多くの医師が手術不可能と判断したが、2022年10月にフランス・モンペリエの神経外科医ユーグ・デュフォー氏による手術を受けた。
腫瘍は完全には除去されなかったものの、手術は成功して現在も3カ月ごとのMRI検査の経過観察をしている。

手術後、言語、読み書き、記憶の再学習を余儀なくされ、子どもたちの顔さえも思い出せないほどの記憶喪失に苦しんだ。
そんな彼を支えたのは、妻と現役時代からの親友であるケリー・スレーターだった。

そして、回復後、2024年にはパリ五輪のフランスチームの監督として2つのメダル獲得に大きく貢献。
CTタヒチ戦で優勝したヴァヒネ・フィエロのコーチとしても手腕を発揮した。

「一日一日を大切に生き、できるだけ長く生きたい」と語るジェレミー。

『Dos au Mur(背水の陣)』は、勝利と栄光だけでなく、試練と再生の物語でもある。
壮絶な闘いを通じて、命の尊さ、家族の絆、そして仲間の支えの大切さを私たちに強く伝えてくれている。

(黒本人志)

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