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ジョンジョンとカイがフォイルセイルボートでオアフからカウアイ島へ渡る「Crossings」

2度のサーフィンワールドチャンピオン、ジョンジョン・フローレンス。2018年に怪我を負い、療養中の時期を利用して自身のヨットVELAでパルミラ環礁まで1600㎞の冒険に出たり、フィアンセと二人だけでオアフ島を一周するなど、サーフィン以外のことに挑戦する姿を公開している中で世界チャンピオンのもう一面の素顔が見えてきた。

最新のアドベンチャーではフォイル界屈指のウォーターマン、カイ・レニーと2人で18フィート(約5.5メートル)のフォイルセーリングヨット「Phantom」でオアフ島からカウアイ島まで95マイル(約150㎞)の横断に挑戦する。

フォイルヨット「Phantom」は水中翼の力で海面から浮き上がり、時速55キロ以上のセーリングを可能にする Photo via youtube / OutsideTV

フォイルボードでジョーズをチャージしたり、ウィンドサーフィンやカイトサーフィンもこなし、モロカイ海峡をフォイルボードで渡る「モロカイチャレンジ」の記録保持者でもあるカイだが、フォイルセーリングは初めて。

ジョンジョンから誘いを受けたカイはすぐさまオアフ島に飛び、3日間かけて横断に向けて道具に調整をかけ、練習を始めた。

操作を間違えれば波に突っ込み一気に減速 Photo via youtube / OutsideTV

フォイルセーリングヨットはフォイルの力を使ってすぐに浮上でき、船体が海面上約1メートルの高さで飛んでいる。そのため、水の抵抗や波の影響を受けずに一気に加速して、時速18.5kmの風があれば船体はその倍の速度で滑り出す。しかし少しでも操作を間違えれば、船体は沈んで波に突っ込み一気に減速し、大けがやヨットの故障にもつながる。

様々なカメラアングルで臨場感あふれる映像が楽しめる。 Photo via youtube / OutsideTV

2人がチームワークに磨きをかけたところで、フォイルやリグのチューニングを念入りにし、いよいよカウアイ島を目指して出発した。

オアフ出発はジョンジョンの家の目の前から。途中追い風で減速した時間帯もありながら、9時間弱で目的地のハナレイベイに到着した。(通常のヨットは追い風がスピードが出るが、フォイルヨットは風よりも早く走るため、ダウンウインドでは見掛け風が正面から来てしまうためそれ以上速度が上がらない)

カウアイ島では故障部分の修理をし、オアフ島までの帰りの横断に出発。スコールからの風をうまく読みながら初めてフォイルヨットで横断を終えた。

「早く目的地にたどり着くには、時には遠回りをしなければいけないんだ。」
カイ・レニー

帰りは少し余裕な表情。二人の絆がまた少し深まったようだ Photo via youtube / OutsideTV

約20分の動画ではジョンジョンは相変わらずあまりしゃべらないが、迫力ある様々なカメラアングルとカイとの面白い掛け合いでワールドチャンピオンの飾り気ない素顔が見えてくる。

シェーン・ドリアンも言うように、ある分野で極めたのちに新たな分野に初心者として挑むことは何とも新鮮だ。ジョンジョンも、今やスポンサーに縛られることもなく、サーフィンの域を超え、我流でオールラウンドのウォーターマンへと成長している過程を大いに楽しんでいるようだ。

(ケン・ロウズ)

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