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ブラジリアン・ストームは通り過ぎた?!CT第7戦『Tahiti Pro Teahupoo』

キング・ケリーが怪我でツアーを離れ、ミック・ファニングがベルズ戦を最後に引退。
更に2年連続ワールドチャンピオンに輝いたジョン・ジョン・フローレンスがバリ島での怪我で復帰の時期も不明と今年のワールドツアーはスターが次々と離脱。

その一方でツアーの1/3を占めるブラジリアンが勢力を伸ばし、第2戦のベルズから全て優勝と前代未聞のシーズンになっている。
ブラジリアンが台頭してきた約5年前に生まれた「ブラジリアン・ストーム」という言葉もこれだけ彼らの強さが定着した今、古い言葉になりつつある。
すでにブラジリアン・ストームは通り過ぎたと言えるだろう。

スターの離脱と共にCTファンを戸惑わせているのは、開催地の変更。
今年はフィジー、トラッセルズの変わりにバリ島、サーフランチが選ばれた。
フィジー、トラッセルズ共にツアーでは長年核となるイベントだっただけに残念に思うが、今年はタヒチがまるでトラッセルズのような波だったという声も。
ガブリエル・メディナを始め、エアリアルを得意とする選手はセクションを見つけると迷わず飛んでスコアに結びつけていた。

ガブリエル・メディナ まるでトラッセルズのように
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ワイルドカードの2枠を決めるトライアルが最も良い波だったという皮肉なシーズンとなった今年のタヒチ戦。
昨年までメインスポンサーだった「Billabong」が抜けてイベント名は『Tahiti Pro Teahupoo』に変わり、2010年にこの世を去り、彼自身タヒチでの最後のイベントを優勝で飾ったA.Iことアンディ・アイアンズに敬意を表して作られた「A.I Award」も消滅した。

救いだったのはガブリエル・メディナとオーウェン・ライトのファイナルで勝負の決め手となったのがガブリエルのバレルライドだったことだろう。
最後に入ったセットでは勝負の世界で重要な鍵となる運がガブリエルにあり、プライオリティを持っていたオーウェンの1本目の波よりもガブリエルが乗った2本目の波の方が明らかにポテンシャルがあったのだ。

最後はバレルライドで決めたギャビー
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「最後は神様に祈ったよ。’もう一本波を与えてください’とね。もし、オーウェンが最初の波に乗らなければ、自分が乗っていたところだった。本当に嬉しいけど、オーウェンの気持ちは理解出来る。昨年の自分も同じ立場だったのさ。もどかしい。でも、それが私達が愛する勝負でもあるのさ。このイベントでは最高の結果に恵まれた。この瞬間を楽しんだ後、次のイベントに気持ちを切り替えるよ」
ガブリエル・メディナ

2014年以来、2度目のタヒチでの優勝となったガブリエル。
この記録はアンディ・アイアンズ、ボビー・マルティネスに並ぶ2位。
1位は通算5勝のケリー、ガブリエルがこの記録を更新するならば、同時にワールドタイトルの数も増えてくることだろう。

また、WSLが公表した興味深い数字、ファイナル進出での勝率は18回中9回の優勝で5割。
アンディの74%、ケリーの69%、ミックの65%と比べると低い数字だ。
(フィリッペは100%だが、ファイナル進出の数が7回と比較した他の選手と比べると少ない)

ちなみにQFではCTで過去一度も勝ったことが無かったイタロ・フェレイラと対戦。
初めての勝利をコンビネーションスコアの圧勝で収めた。

苦手なタヒチを克服したフィリッペ
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「J-bay」でのCT第6戦『Corona Open J-Bay』で2連覇を達成してカレントリーダーの座を手に入れたフィリッペ・トレド。

今年は『Vans US Open of Surfing』をスキップして早くからタヒチでトレーニングを積み、大きな進歩を遂げた。
イエロージャージを守るために全力を尽くし、キャリアの大半で最下位だったタヒチを見事に克服。

ディフェンディングチャンピオンであり、ランキング2位だったジュリアン・ウィルソンがR2で早々と敗れたこともあり、初のワールドタイトルにまた一歩近づいた。

「とても嬉しいし、ここでハードなトレーニングを積んだ自分を誇りに思うよ。タヒチでのSF進出は間違いなくキープ出来る結果さ。ツアーに参加している6年間で今年は最も上手く行っているシーズン。自分にとってプラスになるようにきっちりと仕事をこなしたい。自分がするべきことに集中するのが重要。トレーニング、サーフィン。その他のことは気にしないようにね」
フィリッペ・トレド

今回の優勝でガブリエルが2位に浮上してきたものの、1位と2位のポイント差は広がっている。
次はフィリッペ、ガブリエル共に得意な「サーフランチ」で開催される第8戦『Surf Ranch Pro』
自然に左右されないだけに短時間で緊迫した戦いが期待出来そうだ。

なお、『Surf Ranch Pro』には「HURLEYトライアル」で3度目となるCTのワイルドカードを獲得した大原洋人が参加する。

『Tahiti Pro Teahupoo』
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 オーウェン・ライト(AUS)
3位 フィリッペ・トレド(BRA)、ジェレミー・フローレス(FRA)
5位 マイケル・フェブラリー(ZAF)、ウェイド・カーマイケル(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コロヘ・アンディーノ(USA)

WSL公式サイト

(空海)

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