(素晴らしい勝負を見せてくれたフィリッペとギャビー) PHOTO:© WSL/Andrew Shield

数多くの名勝負が生まれたCT第3戦『Bonsoy Gold Coast Pro』3日目

現地時間5月3日、連日グッドコンディションに恵まれているスナッパーロックスはこの日も世界最高峰のサーフィンレースにふさわしい舞台を整えてくれ、メンズはベスト8が決定。
ウィメンズはQFのH3まで進行し、CT第3戦『Bonsoy Gold Coast Pro』は残すところファイナルデーのみとなった。

このパーフェクトなライトのポイントブレイクは、条件が揃うと岬に沿ってグリーンマウント、キラまで繋がることがあり、スーパーバンクと呼ばれている。

その中でも常に混雑しているスナッパーロックスんのラインナップを二人で貸切りにできるCT選手は、パイプラインの次に多くのサーファーが羨むような特権でもある。

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(オーストラリアのスポーツ選手として史上最も多くのメダルを獲得した競泳選手の一人、エマ・マキオン。元女子テニス世界ランク1位のアッシュ・バーティ。その他、オーストラリアを代表するハリウッドスター兄弟。クリス&リアム・ヘムズワースも会場を訪れた)
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大会3日目のトピックは、ギャビーさえも納得させるパーフェクトに近いゲームをしたフィリッペ、ミゲル&サミュエルのプーポ兄弟の異次元対決、ソーヤとナディアの快進撃。そして、女王ステフのホームでの復活など。

その他にも名勝負が数多く生まれた1日だった。

なお、優勝した昨年のJ-Bay戦を彷彿させる強烈なバックハンドで今シーズン初のQF進出を決めた日本のコナー・オレアリーのインタビューは以下。

フィリッペ vs ギャビー

(フィリッペ・トレド)
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大会2日目のR2で9.50を含むトータル18.00のハイエストを出したフィリッペ・トレド(BRA)は、イエロージャージを着たガブリエル・メディナ(BRA)と対戦。

ライトのポイントブレイクにおけるレールサーフィンを再定義したフィリッペが覚醒した時の見本になるようなサーフィンで、バレルとエアーもミックスさせて9.77と9.17をスコア。
ギャビーは7.33、8.23のトータル15.56と他のヒートならば勝てる水準だったが、トータル18.94には遠く及ばなかった。

ヒート終了後、負けたギャビーが笑顔でフィリッペを迎えたことも含め、まさに「Heat of the Day」だった。

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「ガブリエルとラインナップに並ぶ時は、間違いなく良いヒートになる。どちらが勝つにせよ、常にハイスコアが並ぶんだ。今のガブリエルの絶好調な状態を考えると、彼を抑え込む方法はただ一つ。ハイスコアを2つ揃えて、彼がパーフェクト10とかを出さないように祈るだけ。ガブリエルは全員にとってインスピレーションの源なんだ。年齢はほとんど同じだけど、彼を尊敬している。戦術面や経験値、そしてあらゆる動きの正確さにおいて、彼は最高にタフな競技者の一人だと思う。だから、海に出てハイスコアを2つ出し、ヒートをコントロールすることが戦略だった。ブラジルでこれほどの観衆は見たことがあるけど、オーストラリアでは初めてだよ。自分たちにとって、これは本当に特別なこと。ガブリエルとは対戦相手だけど、今日のこの会場の盛り上がりとサポートには二人とも本当に喜んでいるはずさ。ただただ感謝しているよ」

フィリッペのコメント通り、日曜ということもあり、会場には溢れんばかりのファンが押し寄せ、まるでブラジル戦のようだった。
サーフィンが国技でもあるオーストラリアで開催される2032年のオリンピックもきっと凄い盛り上がるに違いないであろう。
開催地がクイーンズランド州ということで、スナッパーロックスが会場になる可能性もある。

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder
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サミュエル vs ミゲル

(圧勝した弟のサミュエル)
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兄のミゲルが開幕戦で優勝し、弟のサミュエルも好成績を重ね、揃ってトップ5に君臨するプーポ兄弟。

1勝1敗で迎えたキャリア3度目のヒート対決は、サミュエルが9.17、9.73のトータル18.90とフィリッペの次に高いスコアで圧勝して勝ち越した。
今イベントの結果次第では、サミュエルがイエロージャージを手に入れる可能性がある。

本当に仲の良い兄弟である二人は互いをプッシュして成長しており、一時は世界トップでイエロージャージを着た兄に刺激され、弟も昨年とは違ったアプローチで強いサーファーに変貌している。

「CTでのキャリアの中で、最高のヒートだったと思う。世界で一番大好きな場所で、兄と一緒に海にいられることで、とてもリラックスできたし、幸せだった。ガブリエルとジョージが負けるのを見て、このヒートを勝ち抜くための火が少しついたよ。二人のために波が入ってきてくれて、素晴らしいヒートができたことが本当に嬉しい。二人とも本当に良いサーフィンができた。間違いなく人生で最高のヒートの一つだね。前のヒートでフィリッペが素晴らしいサーフィンをしていたのは分かっていた。だから、もしミゲルに勝って次のヒートに進むなら、自分がここにいて、準備ができているということを全員に示すような演技をしたいと思っていたんだ」

サミュエルは次のQFでフィリッペと対戦する。

(兄ミゲル)
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ステフ vs ケイティ

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ウィメンズのQFはガブリエラ・ブライヤン(HAW)がルーキーのナディア・エロスタルベ(EUK)、モリー・ピックラム(AUS)がソーヤ・リンドブラッド(USA)に敗れる波乱があった。

そして、ステファニー・ギルモア(AUS)とケイトリン・シマーズ(USA)の新旧ワールドチャンピオン対決は、ステフが今シーズンのベストスコアとなる7.83でヒートを開始させ、バックアップスコアを6.90まで伸ばしてホームで復帰後初のSF進出を決めた。

「面白いことにケイティとは去年バーレーでもヒートがあった。その時と同じで、試合前まで二人で凄い楽しんでいたの。本当に良い雰囲気だったわ。海の中でも、ヒートが始まる前に『これ最高に楽しくない? 波もパンピングしてるし!』って。私は彼女を本当に尊敬している。大好きなサーファーだから、彼女と一緒に海をシェアできるなんて、これ以上クールなことはないわ。お互いにリスペクトしつつ、良いバトルをしたいと思える、すごく健全なライバル関係ね。でも、本当に彼女のサーフィンには見惚れてしまう。試合中もずっと『ああ、ケイティなら岩の裏からテイクオフして10ポイントを出してもおかしくない』って考えていたわ。だから、波に乗るたびにとにかくスコアを伸ばそうと必死だった。ようやく納得のいくヒートを組み立てることができて、最高に嬉しいわ」

(奥はコーチのスネーク)
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(シーズン2度目の5位になったケイティ)
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(モリーを倒したソーヤ・リンドブラッド)
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(快進撃を続けるルーキーのナディア・エロスタルベ)
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リアム vs GP

(熱狂的な応援団を味方につけたリアム)
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メンズのR3は最後の2ヒートに重なったフィリッペ、サミュエルの圧倒的なサーフィンに霞んでしまった感があったが、カウリ・ヴァーストとマルコ・ミニョのフランス対決、イタロ・フェレイラ(BRA)を倒したイーサン・ユーイング(AUS)のレールサーフィン、今イベントのダークホースになりそうなマテウス・ハーディ(BRA)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)の快進撃など見所満載だった。

(カウリ・ヴァースト)
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(マルコ・ミニョ)
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(マルコとカウリ)
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(イーサン・ユーイング)
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(マテウス・ハーディ)
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(レオナルド・フィオラヴァンティ)
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そして、H4ではマーガレットリバーを制して一躍時の人になったGPことジョージ・ピター(AUS)が昨年に引き続き、熱狂的な応援団を味方につけたリアム・オブライエン(AUS)と対戦。

R2でカノアを倒したリアムの勢いは更に増し、1本目でダブルバレルとカービング、フローターで9.00をスコア。更に止まらないレールサーフィンでフリーサーファーがひしめく隣のグリーンマウントまで乗ってしまう場面も…。
最後の波で8.50とバックアップスコアを伸ばし、トータル17.50とGPをコンビネーションに追い込む圧勝で2024年のサンセットビーチ以来のQF進出を決めた。

「たまに、全ての波が自分のところに来て、しかもワイプアウトもしないというラッキーなヒートがあるんだ。自分は他の選手に比べるとそういう機会が少ない気がするので、チャンスが来た時はしっかり掴みたいと思っているよ。本当に最高に楽しいヒートだった。以前ツアーを脱落した時は少しやさぐれて、『くそ、これだけ努力しているのにどこにも辿り着けないじゃないか』なんて思ったこともあった。でも、それがスポーツの本質なんだと思う。努力をしても結果が出ないという状況を受け入れる覚悟が必要なんだ。努力は結果を得るためのチャンスを自分に与えてくれるに過ぎない。結果が出て当然だと思わないようにして、海に出て、学び、成長し、最高のサーフィンをする。その機会一つ一つを楽しむようにしているよ」

PHOTO:© WSL/Andrew Shield

ネクストコールは現地時間5月4日8時30分(日本時間同日7時30分)で35分後にミック・ファニングとジョエル・パーキンソンを含むボードライダークラブのチーム戦『WSL50 Expression Session Kirra vs Snapper Surfriders Superheat』から開始予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Women’s Round Two Results
HEAT 1: Gabriela Bryan (HAW) 16.66 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 13.60
HEAT 2: Nadia Erostarbe (ESP) 14.67 DEF. Caroline Marks (USA) 13.93
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) 14.26 DEF. Vahine Fierro (FRA) 10.60
HEAT 4: Stephanie Gilmore (AUS) 11.67 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 11.53
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) 15.67 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 11.50
HEAT 6: Sawyer Lindblad (USA) 14.83 DEF. Isabella Nichols (AUS) 14.50
HEAT 7: Lakey Peterson (USA) 13.27 DEF. Carissa Moore (HAW) 7.27
HEAT 8: Luana Silva (BRA) 14.33 DEF. Tyler Wright (AUS) 11.47

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Men’s Round Three Results
HEAT 1: Kauli Vaast (FRA) 14.33 DEF. Marco Mignot (FRA) 13.97
HEAT 2: Ethan Ewing (AUS) 17.50 DEF. Italo Ferreira (BRA) 13.93
HEAT 3: Mateus Herdy (BRA) 14.33 DEF. Jake Marshall (USA) 10.87
HEAT 4: Liam O’Brien (AUS) 17.50 DEF. George Pittar (AUS) 10.93
HEAT 5: Connor O’Leary (JPN) 14.60 DEF. Callum Robson (AUS) 9.60
HEAT 6: Leonardo Fioravanti (ITA) 12.43 DEF. Jack Robinson (AUS) 11.83
HEAT 7: Filipe Toledo (BRA) 18.94 DEF. Gabriel Medina (BRA) 15.56
HEAT 8: Samuel Pupo (BRA) 18.90 DEF. Miguel Pupo (BRA) 15.43

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Women’s Quarterfinal Results
HEAT 1: Nadia Erostarbe (ESP) 15.67 DEF. Gabriela Bryan (HAW) 14.33
HEAT 2: Stephanie Gilmore (AUS) 14.73 DEF. Caitlin Simmers (USA) 10.83
HEAT 3: Sawyer Lindblad (USA) 14.76 DEF. Molly Picklum (AUS) 12.50

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Women’s Quarterfinal Remaining Matchup
HEAT 4: Lakey Peterson (USA) vs. Luana Silva (BRA)

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Men’s Quarterfinal Matchups
HEAT 1: Kauli Vaast (FRA) vs. Ethan Ewing (AUS)
HEAT 2: Mateus Herdy (BRA) vs. Liam O’Brien (AUS)
HEAT 3: Connor O’Leary (JPN) vs. Leonardo Fioravanti (ITA)
HEAT 4: Filipe Toledo (BRA) vs. Samuel Pupo (BRA)

(黒本人志)

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