(逆転勝利に感情が溢れたカリッサ) PHOTO:© WSL/Andrew Shield

ステフが笑い、カリッサが泣いたCT第3戦『Bonsoy Gold Coast Pro』初日

現地時間5月1日、オーストラリアレッグの最終戦、CT第3戦『Bonsoy Gold Coast Pro』がウェイティングピリオド初日に開幕してウィメンズ、メンズの順にR1が進行。
その後、日没前までにメンズR2の2ヒートが行われた。

会場のスナッパーロックスがCTで使用されるのは、ジュリアン・ウィルソンとレイキー・ピーターソンが優勝した2018年以来。
サイクロンの影響で地形が崩れやすいことに加え、パンデミックや、数年間CSイベントに変更した期間もあり、この夢のようなポイントから遠ざかっていた。

初日は公式3-4ftレンジと小ぶりなサイズながら今年は地形が完璧に近く、見応えあるヒートが多かった。
明日以降は更に良いコンディションが期待できる予想になっている。

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ホームで復帰後初のヒート勝利を決めたステフ

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

2年のブランクが大きかったのか、復帰後に2戦続けてR1敗退。
ランキングも最下位のステファニー・ギルモア(AUS)は、相性が悪いエリン・ブルックス(CAN)とのカードを間一髪で勝ち上がった。

ホームで6度の優勝を誇るステフは彼女らしいスタイリッシュなカービングとバレルで6ポイント台を2本まとめてリード。
最後の波でエリンは強烈なバックハンドを披露して7.30を出したが、ニードスコアの7.93には届かなかった。

「正直、身体が鈍っているわ。2シーズン休んでいたから、最初の2ヒートは感覚を取り戻すことが大切だった。何度もワイプアウトしてしまったけれど、それは問題じゃない。とにかく波を捕まえてリズムに乗ること。誰もいないスナッパーでサーフィンできることが何より重要だった。エリンは本当にタフな対戦相手よ。最後は彼女がスコアを出したかと思った。彼女はとても賢くて戦略的。私たち二人は同じコーチに教わっているから、実は面白い状況でもある。この先も勝ち続けたいなら、もっとレベルを上げなきゃいけないことは分かっている。今の若い世代の女の子たちは本当に驚かされるばかりね。ここにいられて、その一員としてヒートで一勝できたことが本当に嬉しい」

五十嵐カノアも入っているスネークことジェイク・パターソン率いる「SnakeTales」のメンバーであるステフとエリン。
ステフは復帰後初のヒート勝利に加え、エリンとの連敗記録もストップさせている。

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(エリン・ブルックス)
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涙の勝利を決めたカリッサ

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ステフとは対照的に2年のブランクをあまり感じさせず、9位、5位とまずまずの結果を重ねているカリッサ・ムーア(HAW)は、15歳のルーキー、ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)と初対戦。

4〜6ポイント勝負の争いでティヤがリードしていたが、カリッサがブザービーターの逆転勝利を決めた。
開幕から3戦連続で最下位のティヤの涙と対照的にカリッサは安堵の涙を流し、最後はカリッサがティヤにハグを求めていた。

「彼女のサーフィンの大ファンよ。彼女は年齢以上に成熟していると思うし、見ていて本当に美しい。手強い相手になることは分かっていたし、心から尊敬しているから、決して甘くは見ていなかった。ヒートの大部分で追い詰められていた。そして、西オーストラリア以降はかなり疲れ果てていた。母親としての仕事をこなしながら、大会に出続ける方法を学んでいる最中なの。だから、自分の思い通りにいくか分からなくて、感情的になってしまった。もちろん、まだ勝ち残っていたい。この波でサーフィンをすることは、全てのサーファーにとっての夢が叶うということ。ここにいたいし、ヒートに勝ちたい。もし叶うなら、優勝したい。本当に心からそう願っているわ」

今イベントで2勝しているカリッサだが、最初の優勝はティヤが生まれる前日の2011年3月8日だった。

(3戦連続最下位のティヤ・ゼブラウスキ)
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ハイエストはヴァヒネ・フィエロ

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ルーキーイヤーだった昨年の今イベントで3位に入っているヴァヒネ・フィエロ(FRA)は、2シーズン目でまだ苦戦しているが、ブリッサ・ヘネシー(CRI)とのヒートでは、バックハンドのリップが炸裂。この日一番のサーフィンを披露して8.67のハイエストスコアと16.50のハイエストヒートスコアを出していた。

「スナッパーは、チョープーと並んでツアーの中で一番好きな大会なの。最高の気分。まるでホームにいるみたいにリラックスできているわ。雰囲気が大好き。スナッパーのCTに出場するために、ここ数年はCSを戦ってきた。今こうしてCTの舞台に立ってハイスコアを出せて最高ね。ブリッサとの対戦は、間違いなく私の実力を引き出してくれる。彼女は本当に強い選手よ。彼女のニードスコアは8.70だったけど、彼女ならどんな波でも10ポイントを出せる力があるから、バックアップスコアを伸ばせるよう全力を尽くした。海のリズムと一体になれて、とても気持ち良かった」

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

その他、この日はバックサイドになるグーフィーフッターの活躍が目立ち、ナディア・エロスタルベ(EUK)がCTで初のエクセレントスコアを出してアリッサ・スペンサー(USA)に勝利。
ソーヤ・リンドブラッド(USA)もワイルドカードのディミティ・ストイル(AUS)を相手にプライオリティを使った際どいドロップインを見せながら勝ち上がった。

また、ヨランダ・ホプキンス、フランシスカ・ヴェセルコの初のポルトガル対決はCSトップでクオリファイしたヨランダに軍配が上がった。

(ヨランダ・ホプキンス)
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GPに刺激されたモーガン

(モーガン・シビリック)
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メンズサイドでは、R1でカラム・ロブソン(AUS)、モーガン・シビリック(AUS)の返り咲き組とマテウス・ハーディ(BRA)、ルーク・トンプソン(RSA)のルーキー組が勝ち上がった。

モーガンは親友のGPことジョージ・ピター(AUS)が数々のワールドチャンピオンに勝ち、遂にマーガレットリバーで優勝したことに刺激を受けたと話している。
過去4ヒート中全敗のガブリエル・メディナ(BRA)とのR2の意気込みも語った。

「これまではかなり厳しくて、全然リズムに乗れていない感じだった。親友の一人が最後まで勝ち進んでCT初優勝を飾るのを見た。あの大会でGPがみんなを圧倒する姿は、本当に象徴的なシーンだった。若手オージー全員が夢見ていることだし、あの優勝が火をつけてもっと勝ち星を挙げられるように望んでいる。トップに食い込むのが最終的な目標。サーフィンの調子は良いし、メンタル面も安定していて、周りには最高の仲間がいる。全力でぶつかって世界1位の選手を倒すつもりだよ」

3戦続けての最下位を免れたカラムは、R2でヤゴ・ドラ(BRA)と対戦する。
マテウスはグリフィン・コラピント(USA)、ルークはイタロ・フェレイラ(BRA)と彼らにとって息つく暇は全くない。

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(マテウス・ハーディ)
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カウリとマルコがR3へ

(マルコ・ミニョ)
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2ヒートだけ進行したR2では、マルコ・ミニョ(FRA)がバロン・マミヤ(HAW)を相手に土壇場の逆転劇を演じ、ルーキーのカウリ・ヴァースト(FRA)がジョーディ・スミス(RSA)を退けた。

2025年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したマルコは、最後まで追い込まれながらも、諦めずにラストウェーブでクリティカルセクションでのバリエーション豊かなターンと美しいカービングを繰り返し、初日で2番目のスコアとなる8.33を出して逆転に成功した。

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder
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(ジョーディを倒したカウリ・ヴァースト)
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また、カウリは序盤から積極的に動き、素晴らしいバックハンドのパフォーマンスでトータル15.16をまとめ、ルーキーイヤーで初のR3進出を決めた。

「完璧な波でジョーディと二人だけでヒートができるなんて最高だね。簡単なヒートではなかった。今年のCTは新しいフォーマットのせいもあって、どのヒートも実質的にファイナルみたいだよね。ジョーディが大好きだし、大ファンなんだ。彼と一緒に海に入れたことは、本当に最高の瞬間だった。完璧な波でただサーフィンをしたかった」

R3はマルコとカウリのフランス対決となる。

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

ネクストコールは現地時間5月2日6時45分(日本時間同日5時45分)で20分後にメンズR2のH3から開始予定。
五十嵐カノアはH8でリアム・オブライエン(AUS)、コナー・オレアリーはH10でジョエル・ヴォーン(AUS)と対戦する。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Women’s Round One Results
HEAT 1: Yolanda Hopkins (POR) 11.27 DEF. Francisca Veselko (POR) 10.86
HEAT 2: Sally Fitzgibbons (AUS) 12.33 DEF. Bella Kenworthy (USA) 11.60
HEAT 3: Vahine Fierro (FRA) 16.50 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 12.10
HEAT 4: Carissa Moore (HAW) 12.33 DEF. Tya Zebrowski (FRA) 12.10
HEAT 5: Nadia Erostarbe (ESP) 15.16 DEF. Alyssa Spencer (USA) 13.17
HEAT 6: Tyler Wright (AUS) 11.37 DEF. Anat Lelior (ISR) 7.36
HEAT 7: Stephanie Gilmore (AUS) 13.26 DEF. Erin Brooks (CAN) 12.63
HEAT 8: Sawyer Lindblad (USA) 13.84 DEF. Dimity Stoyle (AUS) 11.84

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Men’s Round Two Results
HEAT 1: Marco Mignot (FRA) 13.40 DEF. Barron Mamiya (HAW) 13.17
HEAT 2: Kauli Vaast (FRA) 15.16 DEF. Jordy Smith (RSA) 13.40

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Men’s Round One Results
HEAT 1: Callum Robson (AUS) 11.33 DEF. Oscar Berry (AUS) 11.27
HEAT 2: Mateus Herdy (BRA) 14.43 DEF. Reef Heazlewood (AUS) 12.93
HEAT 3: Luke Thompson (RSA) 12.04 DEF. Winter Vincent (AUS) 10.76
HEAT 4: Morgan Cibilic (AUS) 13.10 DEF. Ramzi Boukhiam (MAR) 12.93

Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Women’s Round Two Matchups
HEAT 1: Gabriela Bryan (HAW) vs. Sally Fitzgibbons (AUS)
HEAT 2: Caroline Marks (USA) vs. Nadia Erostarbe (ESP)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Vahine Fierro (FRA)
HEAT 4: Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Stephanie Gilmore (AUS)
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) vs. Yolanda Hopkins (POR)
HEAT 6: Isabella Nichols (AUS) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 7: Lakey Peterson (USA) vs. Carissa Moore (HAW)
HEAT 8: Luana Silva (BRA) vs. Tyler Wright (AUS)

Remaining Bonsoy Gold Coast Pro Presented by GWM Men’s Round Two Remaining Matchups [Heats 3 – 16]
HEAT 3: Italo Ferreira (BRA) vs. Luke Thompson (RSA)
HEAT 4: Ethan Ewing (AUS) vs. Rio Waida (INA)
HEAT 5: Crosby Colapinto (USA) vs. Jake Marshall (USA)
HEAT 6: Griffin Colapinto (USA) vs. Mateus Herdy (BRA)
HEAT 7: George Pittar (AUS) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 8: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Liam O’Brien (AUS)
HEAT 9: Yago Dora (BRA) vs. Callum Robson (AUS)
HEAT 10: Connor O’Leary (JPN) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 11: Jack Robinson (AUS) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 12: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 13: Gabriel Medina (BRA) vs. Morgan Cibilic (AUS)
HEAT 14: Filipe Toledo (BRA) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 15: Samuel Pupo (BRA) vs. Joao Chianca (BRA)
HEAT 16: Miguel Pupo (BRA) vs. Eli Hanneman (HAW)

(黒本人志)

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