(クオリファイが確定したクロスビー・コラピント) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

2024年のCT新メンバー確定。米豪勢が大躍進

F+(エフプラス)

CSの最終戦のブラジルが終了し、2024年のCT新メンバーが確定した。
男女ともアメリカ、オーストラリア大躍進といったところか。
グリフィン・コラピントの弟のクロスビー・コラピントがクオリファイ、兄弟CTプレイヤーになった。
今日本人でCT目指している(と思われる)選手たちよりずっと下にいたよね、コロナ前まで。あのクロスビー・コラピントですよ、あの。と声を大にして言いたい(笑)。
先日も書いたけど、この何年間かでクロスビーがどれだけ変わって、日本人がどれだけ変わっていないかの差がランキングに出ちゃうわけさ。

日本人最高位はメンズ大原洋人の56位、ウイメンズ都築虹帆の28位。まぁ。CSは誰もが出れるわけではないので、若手の不在を嘆いてもしょうがない部分ではあるものの、CS最終戦を優勝したサムエル・プポ22歳、エリン・ブルックス16歳、まぁ、この年代の日本人選手がCSにいたらどうなんだろう、って考えたところで、どうでもないだろうな、とすぐ答えが出てしまうあたりが悲しい。
日本人で上手くなったなと思う選手はいたとしても、世界が10変わっているうちの1ぐらいしか変わってないもんな。その伸びしろの小ささは、与えられた刺激から受けるものや目指すものの方向のズレ、問題の分析、解決意識の欠如、そういう所かなぁ、と思う。ま、届かないとなればすぐ逃げちゃうし。

(CS最終戦優勝のサムエルとエリン)PHOTO: © WSL/Thiago Diz

昔から思ってることのひとつに、日本の環境がぬるすぎ、ってのがあって、ちょっと選手をチヤホヤしすぎなところがある。
今QSやCSに出ている日本のトップと思われる選手たちの実力なんか、オーストラリアのサーフスポットに行けばいくらでもいる、ちょっとうまいアマチュアレベル、世界じゃちっともすごくない。でも志田にいれば周りのレベルが低いので、やっぱ違うな、って目で見られてしまう。そうなれば本人もその気になるのはしょうがないし、その気にならずに黙々とつらい努力を継続することはとても難しい。なまじ結果が出たりしてしまうと、もっと難しいことになる。いつもいる環境の中に、自分の頭を踏んでくれる上位者がいないことほど、自分の意識を高く保つことを邪魔するものはない。まさに井の中の蛙。志田に毎日五十嵐カノアやコナー柄沢オレアリーがいたら、世の中変わるかもしれない。それでもあれは特別、って逃げちゃうケースもあるだろう。自分の中のスケールを世界レベルに保つというのは、日本人の場合本当に難しいことだ。
実際私がそういう話をするとたいていの人が、でもいきなりそこと比べても……となる。そんなこと言ってるからダメなんだよ。常にそこと同じスケールを持たないと、そこには行けないんだよ。

(2024ツアーで復活するフィジー)PHOTO: © WSL/Kelly Cestari

2024ツアーは長いこと続いていた南アフリカのジェフリーズベイがなくなって、フィジーが復活する。まぁ、レフトバレルオンリーかライトマニューバーオンリーか、みたいな差で、波質も好き嫌いが大いにあるところだから、ランキングには大きな影響を与えるような気がする。フィリッペピンチ。
パイプ、サンセット、ポルトガル、ベルズ、マーガレットリバー、ここでハーフカット、後半はタヒチ、エルサルバドル、ブラジル、フィジー、ファイナルズとなる。
ファイナルズ、やめられないらしい。もちろんあのシステムに反対する選手は多いものの、1年間で最も収益の上がるドル箱イベントになっているようで、経営難(ではないのかと思う)のWSLにとっては絶対に手放せないお宝のようだ。

(ビーチを埋め尽くす観客のWSLファイナルズ)PHOTO: © WSL/Pat Nolan

アメリカのインダストリーの中心地で開催、そこで世界のすべてが決まるイベント、みたいなスペシャル感は、オンラインでも現場でも、スポンサーは集めやすい。そこにお金が集中するぶん、通常の試合でのスポンサー集めは厳しくなってるのかなと思う。だってシンプルに、お金出すならファイナルズ押さえとけばいいんでしょ、なわけだから。 (すべて個人の感想です)

F+編集長つのだゆき

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