(ファイナリスト) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ケイトリン・シマーズ&ヤゴ・ドラが優勝!CT第8戦『VIVO Rio Pro』ファイナルデイ

2023年のCTもブラジル、南アフリカ、タヒチと残り3戦。
トラッセルズでワールドタイトルを決める「Rip Curl WSL Finals」に進出する5名も徐々に見え始めてきた中、現地時間7月1日、ウェイティングピリオド最終日にCT第8戦『VIVO Rio Pro』が終了した。

ブラジリアンの連勝記録が更新される

(ブラジルのファンはとにかく熱狂的)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ブラジル戦の舞台はリオデジャネイロから東へ73km離れたサクアレマの「プライア・デ・イタウナ」
ファイナルデイは前日に入ったウネリが十分に残り、レフト中心の厚めのブレイク。形は良いが、厄介なバックウォッシュが入るビーチブレイクらしい波だった。

ツアーの中でもブラジル戦は特殊で、他国の選手が完全にアウェイになるほどの大観衆の熱気に包まれる。

(ブラジリアンサポーター)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

2017年にサクアレマに会場を移して以来、エイドリアーノ、フィリッペと全てブラジリアンが制している。今年は例のガブリエル・メディナのSNS投稿から始まったWSLのジャッジ論争、CEOのエリック・ローガン退任と騒動があっただけに例年より更に他国の選手はアウェイ感があったのかもしれない。

そんな中、ブラジル戦でブラジリアンが優勝する流れは今年も変わらず、ヤゴ・ドラがオージーのイーサン・ユーイングを相手に完全優勝を決めた。
これでブラジリアンの連勝記録が5つに更新された。

(勝負を決めた10ポイントエアー)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

「まだ実感が湧いていないんだけど、本当に嬉しいよ。今週は何か特別だった。人生で最高の週だったんだ。フラットな日でも、とても楽しかったし、毎日が特別だった。それで何か特別なことが起こる予感がしていたんだけど、本当に起きてしまったね。時間はかかったけど、初めての優勝は来るべきタイミングで来たような感じがする。幸せどころの尺度じゃない。初優勝って何事にも代えがたい喜びなんだね。本当に興奮しているよ」

QFでは前日にグリフィン・コラピント(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)とCTトップ2を倒して話題になっていたジャドソン・アンレド(BRA)を抑え、次のSFでジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を下してファイナル進出を果たしたヤゴ。

イーサンとのファイナルはターン勝負の序盤にバックハンドで手堅くスコアを重ねたイーサンがリードしていたが、中盤に数少ないライトで4.83を出したヤゴがトップを奪うとすぐにフロントサイドのフルローテーションをメイク。
このエアーはブラジル戦前にWSLが公開した解説動画の通り、革新的さを評価されて1マニューバーでパーフェクト10が出た。昨年、フィリッペがファイナルで披露したフルローテーションがまるで再現されたようなライディングに大観衆の興奮もクライマックスとなり、そのままヤゴのCT初優勝が確定したのだ。

ランキングでは優勝したヤゴが一気に7つランキングを上げてトップ5入り。
フィリッペがグリフィンを抜いてトップに立ち、イーサンが3位に浮上した。

(アウェイで戦ったイーサン)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo
(CT初優勝のヤゴ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ルーキーのケイトリンがCT2勝目

(チームカリフォルニアのグリフィンが片足を担いだ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ウィメンズサイドはElimination Roundで唯一のブラジリアン、タティアナ・ウェストン・ウェブを倒したケイトリン・シマーズ(USA)がCTトップ2のカリッサ・ムーア(HAW)をSFで、タイラー・ライト(AUS)をファイナルで完璧に封じ込めて優勝。
ファイナルでは序盤にセットのレフトで二つのターンから難しい閉じ気味のリップラインにフローターからエアー気味の着地をメイクして8.33を出すとすぐにバックアップを重ねて主導権を握り、タイラーを一時コンビネーションに追い込んでの圧勝だった。

「タイラーは本当に素晴らしいし選手よ。でも、今回は海が味方してくれたの。友人、スポンサー、父、コーチ、そして兄に感謝したい。人生で一番最高の瞬間かもしれないわ。海から岸を見ると砂浜が見えないほどの人の数だった。これって凄くない?本当に嬉しい」

(タイラーとケイトリン)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

17歳、ルーキーのケイトリンはポルトガル戦に続いて2勝目を上げてランキングでもトップ5入り。
すでにカリッサ、タイラーが「Rip Curl WSL Finals」進出を確定させ、枠は残り3つだが、2勝しているのはカリッサとケイトリンだけなので、ルーキーにしてワールドタイトルに絡む可能性は十分にある。

次の第9戦『Corona Open J-Bay』は7月13日〜22日に南アフリカのJeffreys Bayで開催される。
夏のタヒチでトップ5が決まり、秋のトラッセルズで新たなワールドチャンピオンが誕生する。
2023年CTもいよいよ終盤だ。

なお、南アフリカでは9名の日本人選手が戦うCS第3戦『Ballito Pro』がスタートするので、こちらもお見逃しなく!

(Viva Brasil)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

CT第8戦『VIVO Rio Pro』結果
1位 ヤゴ・ドラ(BRA)
2位 イーサン・ユーイング(AUS)
3位 ライアン・カリナン(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
5位 サミュエル・プーポ(BRA)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、バロン・マミヤ(HAW)

ウィメンズ
1位 ケイトリン・シマーズ(USA)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 キャロライン・マークス(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、モリー・ピックラム(AUS)

2023年CT『VIVO Rio Pro』終了後のランキング
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 44,980pt
2位 グリフィン・コラピント(USA) 44,200pt
3位 イーサン・ユーイング(AUS) 40,015pt
4位 ジョアオ・チアンカ(BRA) 39,640pt
5位 ヤゴ・ドラ(BRA) 32,120pt

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 51,660pt
2位 タイラー・ライト(AUS) 49,895pt
3位 キャロライン・マークス(USA) 45,125pt
4位 モリー・ピックラム(AUS) 41,525pt
5位 ケイトリン・シマーズ(USA) 38,660pt

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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