(ライアンとカノアの名勝負の結果は?)PHOTO: © WSL/Thiago Diz

大荒れのブラジル戦2日目『VIVO Rio Pro』ファイナルデイを戦う12名が決定!

現地時間6月30日、ブラジルのサクアレマで開催中のCT第8戦『Oi Rio Pro』はウェイティングピリオドが迫る中、6日間のレイデイを経て新しいウネリが入ったプライア・デ・イタウナで再開。

近年稀に見る長いオフの間、旅慣れたCTサーファー達はウェーブプールや崖からのダイブなどでリフレッシュしながら戦いの時を待っていたが、集中力が切れてしまったのか、ブラジルの勝利の女神が試練を与えたのか、メンズサイドは番狂わせ続出の一日だった。

メンズはElimination RoundからRound of 16、ウィメンズはElimination RoundのH3からQFまで一気に進行してファイナルデイを戦う12名が決定。
ウェイティングピリオド最終日は7月1日なので、有無を言わせず、翌日がファイナルデイになる。

ワイルドカードとリプレイスメントが上位陣を倒す

(笑顔でインタビューに答えるジャドソン)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

この日の主役はワイルドカードのサミュエル・プーポ、欠場したケリーのリプレイスメントとして入ったジャドソン・アンドレ。
二人のブラジリアンで、まずジャドソンが敗者復活戦のElimination Roundでランキングトップのグリフィン・コラピント(USA)、次のRound of 16ではランキング2位のフィリッペ・トレド(BRA)を倒した。
サミュエルはElimination Roundでランキング5位のガブリエル・メディナ(BRA)、Round of 16でランキング3位のジョアオ・チアンカ(BRA)を抑え、QF進出を決めた。

「ブラジルの大観衆の前でサーフィンするのはいつも特別なことさ。リプレイスメントでの出場だから、最初からトップシードと対戦するのは知っていたんだ。ただ楽しんでサーフィンしてヒートを戦う絶好の機会でもある。もう優勝したような気分だね」

(ジャドソン・アンドレ)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

2010年のルーキーイヤー、まだブラジル戦がサンタカリーナで行われていたシーズンにケリーをファイナルで倒して優勝した経験があるジャドソン。
彼のトリッキーなサーフィンは明らかにブラジルのビーチブレイク向きであり、次のヤゴ・ドラとのブラジリアン対決はエアー勝負になる確率が高いだろう。

ちなみにフィリッペは右足を負傷。海から上がり、抱えながら搬送されたので、その容態が心配でもある。

(右足を負傷したフィリッペ )
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

2022年にCT入りしてルーキーイヤーにブラジルで2位に入ったサミュエル。
2023年は早くもツアーの洗礼を受けてミッドシーズンカットでCS落ちになったが、開幕戦で優勝して来年は返り咲きする可能性も高い。
QFでは巨大なレイバックをメイクして五十嵐カノアを倒して勝ち上がってきたライアン・カリナン(AUS)と対戦する。

「ワイルドカードで出場すれば、常にランキング上位の選手と対戦することになる。ジョアオは一緒に世界中を旅する親友なんだ。彼はワールドタイトルをかけて戦っているから、この大会が彼にとってどれほどの意味を持つか知っている。だから、自分が勝った時は複雑な心境だったよ。彼にとっては、より多くのポイントを獲得してトラッセルズでの決戦の出場権を得るための重要なヒートだったからね。でも、次の2戦で彼はやってくれると思う。応援しているよ」

(親友同士の勝負になったサミュエルとジョアオ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

その他、イーサン・ユーイング(AUS)がトップ5として唯一ファイナルデイへ。
レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、バロン・マミヤ(HAW)も勝ち上がっている。

カリッサが「Rip Curl WSL Finals」進出確定

(早くもファイナルズ入りを確定させたカリッサ)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

ウィメンズサイドではランキング5位のステファニー・ギルモア(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が早期敗退する中、カリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、キャロライン・マークス(USA)とトップ3がSF進出を決めた。

QFでベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)を倒したカリッサはすでに7戦中3度も優勝。
エルサルバドル戦でも3位に入ってポイントを稼いでいたが、この日の結果によってワールドタイトルを決める「Rip Curl WSL Finals」進出を一番乗りで確定させた。

「この後、2つのイベントが残っているけど、少しプレッシャーがなくなったわ。嬉しいわね。みんなファイナルズに出場するために、シーズン終了までにできるだけランキングを上げたいと頑張っている。毎年の目標を達成して本当に嬉しいし、楽しみだわ」

カリッサは次のSFでケイトリン・シマーズ(USA)と対戦する。
まだ荒削りながら未知数で意外性もあるケイトリンが女王のカリッサを相手にどんなヒートをするのかにも注目したい。

(タイラー・ライト)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

優勝は一度ながら今シーズン6度目のSF進出とコンスタントさではカリッサに迫るタイラーは次にキャロラインと対戦する。
ガブリエラ・ブライアン(HAW)とのQFでは十八番のパワーサーフィンで7.83をスコアしていた。

「サーフィンの大会は計画通りに行かないことが多いので、自分の考え方に柔軟性を持たせなければならない。あのヒートでも予想外のことが何度もあったわ。それでも自分の道筋を決めながら、前に進み続けなければいけない。ここブラジルでは順応性が重要よ。多くの仕事をこなないとね。結果は結果であり、固執せずに自分のプロセスやアプローチを見直し、改善策を見つけることが重要よ」

ケリーのように哲学的なコメントを残すことが多いタイラー。
彼女の強さはサーフィンだけではなく、常にその思考があるからだろう。

ネクストコールは日本時間7月1日の18時25分。
ライブ中継はWSL公式サイトなどで配信予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(熱狂的なファンで溢れた2日目)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

(空海)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。