(優勝したレイキー&ジョージ) PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ジョージ・ピッター&レイキー・ピーターソンが優勝!CT第2戦『Western Australia Margaret River Pro』最終日

現地時間4月26日、全12戦で争われる2026年CTの第2戦目となる『Western Australia Margaret River Pro』が終了。

ベルズ、マーガレットリバーと今年のオーストラリアレッグは波に恵まれていなかったが、国家追悼記念日のアンザック・デーの翌日になったファイナルデーのメインブレイクは公式3-4ftレンジのオフショア。ライトもレフトもあるクリーンなグッドコンディションに恵まれ、朝のラインナップには澄み渡る青空を背にまるで選手たちのセッションに加わるかのようにイルカも姿を現していた。

(期間中で最も良い波になったメインブレイク)
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ジョージ・ピッターがCT初優勝

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

SFとファイナルのみを残したファイナルデーは6ヒート全てが見応えある勝負になった。

メンズサイドはジョージ・ピッター(AUS)とガブリエル・メディナ(BRA)がファイナリスト。
ジョージはイタロ・フェレイラ(BRA)、ガブリエルはサミュエル・プーポ(BRA)を倒してきた。

2025年にCT入りしたばかりで、ミッドシーズンカットでCS落ちもした23歳のジョージはCT初ファイナル。一方、32歳のガブリエルは33度目のファイナル進出で、二人はCT初対戦となる。

ヒート序盤はガブリエルがロースコアを重ねる中、慎重に波を選んだジョージが6.14を出して流れを作り、ガブリエルのプライオリティミスで得た波で今大会のハイエストとなる9.00をスコア。
ベルズから注目されていたレールサーフィンがマーガレットリバーで更に調子を上げ、4ターンコンボで3xワールドチャンピオンのガブリエルを完璧に抑えることに成功した。

PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
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「先日、朝に『Walking on a Dream(シドニー出身のエンパイア・オブ・ザ・サンの曲)』を流したんだ。正直、今週はずっとそんな気分だったよ。自分でも信じられない。今大会でのマッチアップは、どれも絶対に勝てっこないと感じるような相手ばかりだった。でも、ヒートのたびに波が味方してくれたんだ。最後の1分で波を掴んだヒートが3回も続いた。本当にクレイジーだよ。去年、僕はここでカットされたんだ。ファイナルの直前、ツアーから落ちた去年と同じ場所に座りに行って、『今の感情が当時とこれほど違うなんて、なんだか不思議だな』って思っていた。それに、子供の頃からずっと憧れてきた最高の勝負師であるガブリエル・メディナと決勝で戦うなんて。彼はまさに巨人なんだ。ファイナルで彼と戦って、良い波を数本掴んで勝てるなんて、言葉が出てこないよ。でも、ここにいるみんなの前でそれを成し遂げられた。西オーストラリアの人たちは、自分がここに来るようになってからずっと親切にしてくれたし、本当に特別な場所なんだ」

オーストラリア、シドニー郊外のマンリー出身のジョージだが、人生の大半を島国バヌアツで過ごしていた。
QSでの優勝もない無名の状態でCSを回って僅か2年でCT入りを果たし、その前にワイルドカードで出場したマーガレットリバー戦では、ハイスコアを連発して3位になった。SFでジョン・ジョンが10ポイントを出す完璧なゲームで支配するまで彼を止められる選手はいなかったのだ。

CS落ちからの返り咲きとなった2026年は確実に成長して開幕戦で9位、今回はフィリッペ、ヤゴ、イタロ、ガブリエルと4人のワールドチャンピオンを倒し、ランキングも2位に浮上した。

「今も震えているよ。本当に夢が叶ったんだ。今、この優勝旗を手にしているのが信じられないよ。もう単にランキングを埋めるだけの存在だなんて思っちゃいけない。ここにいたい。一人のコンペティターでありたい。トップに立ちたいんだ。アンザックのような、みんなにとって特別な週末にこの旗を掲げられて光栄だよ。昨日の朝、ここに来てトランペットの音を聞いたときは鳥肌が立った。昨日のセミファイナルを見ていたら、自分以外は全員ブラジル人選手で、『自分がやらなきゃ』って思ったんだ。この大会で優勝するのは本当に難しい。それをやり遂げたなんて、自分でも信じられないよ」

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ギャビーがイエロージャージを獲得

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怪我による1年の欠場を経て背番号を10から1に変え、エイドリアーノ・デ・スーザをコーチに迎えて復帰したガブリエル。

ベルズの3位を上回る2位となり、2021年にワールドタイトルを獲得した以来のイエロージャージを手に入れた。

「まずは神にこの機会を感謝したい。本当に素晴らしい気分だよ。今の道のりを楽しめている。昨年は大会から離れた辛い一年だったけれど、ようやく戻ってくることができた。ジャージを着て海に入り、ベストを尽くせるのは気持ちが良い。ここでの滞在は最高だった。ワイナリーへ行ったり、あちこちでサーフィンをしたり、ただ楽しんで良い時間を過ごせた。ベルズの前は、自分がどうなってしまうか分からなくて少し怖かった。本当に不安だったけれど、今は調子が良い、イエロージャージを着られるのは嬉しいね。久しぶり。恋しかった。ついさっきまでは親友の一人であるミゲルが持っていたものだけど、ありがたく受け取るよ。ありがとう。とはいえ、これはただのジャージだよ。もっと努力しなければいけないと感じている。一年は始まったばかりだから、気合を入れていくよ」

背番号を1に変えたのは4度目を狙いに行く決意でもある。
安定感を備えた怪物ギャビーを先頭にジョージを除くとミゲル、ヤゴ、サミュエルとブラジリアンがトップ5を占めているシーズン序盤。
次のゴールドコーストでも他国の選手にとって怖い存在になるだろう。

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(イタロ・フェレイラ)
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(サミュエル・プーポ)
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ベテランのレイキーが3年ぶりの優勝

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ウィメンズサイドは2012年からツアーを回っている31歳のベテラン、レイキー・ピーターソン(USA)が2024年からツアーを回っている21歳のルアーナ・シルヴァ(BRA)と対戦。

レイキーは2023年のJ-Bay戦以来、ルアーナは昨年のブラジル戦以来のファイナル。

ヒートは4〜5ポイント台の勝負でレイキーがリード。後半にルアーナが6.83を出して逆転したが、すぐにレイキーがアグレッシブな2ターンコンボで6.40を出してひっくり返し、そのまま優勝を決めた。

「本当に信じられない。今週、全てが起こるべくして起こったというか、全てが上手く噛み合ったの。海が味方してくれる時は、本当に素敵なことね。私は一生懸命取り組んでいるし、全員がそうだけど、報われるというのは嬉しいものよ。本当に長く続けているけれど、『自分にはまだこれができる。まだこれらの大会で勝てる』と自分自身に証明できるのは最高ね。若い女の子たちのことがあれこれ話題になっているし、彼女たちは素晴らしい。刺激も受けるけど、私もまだここにいるわ。マーガレットリバーは大好き。美しくて、華やかで。人々も素晴らしい。彼らはいつだって応援に駆けつけてくれる。ここで2回も優勝できるなんて夢みたい。もし、10歳の頃の私にそう言ったとしても、絶対に信じなかったでしょうね。夢を持っている若い女の子や男の子たちがいたら、決して諦めないで。一生懸命努力し続ければ、人生では予想もしなかったことが起きるものだから」

PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
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エリン・ブルックス(CAN)、キャロライン・マークス(USA)、ソーヤ・リンドブラッド(USA)と3人の若いグーフィーフッターを倒してファイナル進出を決めたレイキー。
通算7度目の優勝、マーガレットリバーでは2019年以来、2度目。
同一会場での複数優勝は初となる。

実はレイキーとルアーナはヤゴ・ドラの父であるレアンドロ・ドラのコーチの元で戦っているチームメイトでもある。
他にイタロとマテウスがいるが、今回の成功には彼らの支えがある。

「波は難しかった。美しくて良い波もあるけれど、良いウォールがある波を見つけるのが大変なの。でも、だからこそやる価値がある。あれこそが決定的な瞬間だったわ。彼女がスコアを出すだろうことは分かっていたし、私にはリトライするための時間が5分も残されていないだろうことも分かっていた。全ては神の栄光のおかげ。素晴らしいことに適切なタイミングで適切な波を私に送ってくれた。ルアーナにも大きな拍手を送りたいわ。私たちはいつも一緒にトレーニングしているし、彼女はこの1年で3回もファイナルに進んでいる。彼女には『あなたの優勝もすぐそこよ』って伝えたところ。彼女のサーフィンはとても堅実だし、本当に素敵な人よ。それにしても最高ね、この優勝は本当に本当に最高よ」

ランキングでもベルズで優勝したガブリエラ・ブライアン(HAW)と同率首位になったレイキー。
但し、最初にイエロージャージを獲得したガブリエラが次戦でもジャージを維持することになる。

(今イベントで最も活躍したコーチになったレアンドロ・ドラ)
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急成長のルル

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ルルのニックネームで知られるルアーナは、ジョージと同じくCSから返り咲いた翌年から急成長した選手。

2025年はベルズ、ブラジルで2位になり、ランキング10位。

今年はベルズでステファニー・ギルモア(AUS)、タイラー・ライト(AUS)を倒して5位。マーガレットリバーではモリー・ピックラム(AUS)、ケイトリン・シマーズ(USA)を倒して2位。
初優勝はお預けになったが、ここまで4人のワールドチャンピオンにヒートで勝ち、存在感をアピールしてランキング4位に君臨している。

「信じられないような一年の幕開けになったわ。今年、私の側にいてくれるレアンドロとペンギン(エンリケ・ピンギン)には、感謝してもしきれない。もう一段上の結果をどうしても手にしたかったけれど、もし、私じゃないとしたら、それはレイキーであるべきだったわ。レアンドロを共有しているし、一緒に練習するスパーリングパートナーなの。本当に縁を感じる瞬間だわ。昔、ネットフリックスでレイキーの『Zero to 100』や、ナイキの『Leave a Message』を良く見ていたの。映像の中では彼女とカリッサのパートが一番のお気に入りだった。彼女の優勝は本当に嬉しい。自分のパフォーマンスにも満足しているし、これからの1年が本当に楽しみよ」

(ケイトリン・シマーズ)
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(ソーヤ・リンドブラッド)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

オーストラリアレッグ最後のイベントの地はゴールドコースト。
5月1日〜11日に第3戦『Bonsoy Gold Coast Pro』が開催される。

なお、早くもトライアルが開催され、ウィメンズはディミティ・ストイル(AUS)、メンズはリーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)が優勝してワイルドカードを獲得している。

『Western Australia Margaret River Pro』結果

1位 ジョージ・ピッター(AUS)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 サミュエル・プーポ(BRA)、イタロ・フェレイラ(BRA)
5位 ジョエル・ヴォーン(AUS)、クロスビー・コラピント(USA)、ヤゴ・ドラ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)

ウィメンズ
1位 レイキー・ピーターソン(USA)
2位 ルアーナ・シルヴァ(BRA)
3位 ソーヤ・リンドブラッド(USA)、ケイトリン・シマーズ(US
5位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)、キャロライン・マークス(USA)、モリー・ピックラム(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Western Australia Margaret River Pro Men’s Final Results
1. George Pittar (AUS) 15.17
2. Gabriel Medina (BRA) 12.46

Western Australia Margaret River Pro Women’s Final Results
1. Lakey Peterson (USA) 12.23
2. Luana Silva (BRA) 11.83

Western Australia Margaret River Pro Men’s Semifinal Results
HEAT 1: Gabriel Medina (BRA) 14.77 DEF. Samuel Pupo (BRA) 13.34
HEAT 2: George Pittar (AUS) 13.16 DEF. Italo Ferreira (BRA) 12.16

Western Australia Margaret River Pro Women’s Semifinal Results
HEAT 1: Lakey Peterson (USA) 12.50 DEF. Sawyer Lindblad (USA) 9.50
HEAT 2: Luana Silva (BRA) 14.27 DEF. Caitlin Simmers (USA) 13.66

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
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(黒本人志)

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