現地時間11月2日、フィリピンのシャルガオ島にある「Cloud 9」を舞台としたCT第11戦『Philippines Pro』は3日目を迎え、早くもファイナルデーを戦うベスト4が決定した。
日本にもウネリを届けている台風31号の影響で「Cloud 9」はサイズアップ。
公式4-6ftと発表されていたが、更に大きめのセットも入っていた。
1日の中にオンとオフがありながらも、特にメンズサイドは今シーズントップレベルの素晴らしいヒートもあり、改めて「Cloud 9」のクオリティの高さを証明した。
なお、3日連続ヒートが進行して翌日がファイナルデーと急ぐ理由は11月6日からペルーで開催されるWSGこと『ISA World Surfing Games』に間に合わせるという大人の事情が…。
五十嵐カノア、コナー・オレアリーを始め、多くのCT選手が出場するため、運営側も考慮しているようだ。
運良く波には恵まれているため、ほぼ最速のスケジュールでフィリピン初のCTはクライマックスを迎えようとしている。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
覚醒したヤゴ・ドラ

PHOTO: © WSL/Andrew Shield
初日に活躍したローカルワイルドカードのマラマことジョン・マーク・トコン、ジャワード・アルシソはR2で敗退したが、フィリピンの歴史に残る活躍を見せた。
しかし、そんな活躍も霞むような強烈なサーフィンを1日の終わりに披露したのがワールドチャンピオンであり、カレントリーダーでもあるブラジリアンのヤゴ・ドラだった。
ヤゴはカノアとのQFのH3でバックハンドのサーファーとしては最も深いバレルをメイク。フォームボールを処理して難しいセクションを抜けた後、エアーリバースを決めて9.87。5人中2人のジャッジが10ポイントを出したほど完璧に近いライディングだった。
ヤゴは更に7.50を重ねて中盤に17.37をまとめ、カノアをコンビネーションに追い込んで圧勝した。

PHOTO: © WSL/Andrew Shield


「本当に楽しいヒートだったよ。波がずっと良くなっていくのが見えたんだ。だから、いくつか質の良い波を待たなきゃいけないって分かっている状態で沖に出たんだよ。カノアは本当に危険な相手だからね。特にこういう種類の波、バレルとかハイパフォーマンスな波での彼は凄まじいんだ。だから、自分自身が完璧な状態でいなきゃいけないって分かっていたし、それを達成することができたんだ。ヒートの早い段階で成し遂げられて、残りの時間をもっと快適に過ごせるようになるのは常に良いことだよ」
ヤゴはR2でコナー・オレアリーを最後の一本で逆転と1日で日本人二人を倒していた。
SFはガブリエル・メディナとのブラジリアン・グーフィーフッター対決。
ガブリエルはジョージ・ピター(AUS)とのQFで終盤にバックハンドの高いエアーリバースを繰り出し、ミラクルな着地で7.00をスコア。
見事に逆転に成功して今シーズン6度目のSF進出を決めた。

PHOTO: © WSL/Andrew Shield

PHOTO: © WSL/Andrew Shield
イーサンとフィリッペの名勝負

PHOTO: © WSL/Andrew Shield
この日出た3本の9ポイントの内、2本はイーサン・ユーイング(AUS)とフィリッペ・トレド(BRA)のQFのH2で生まれた。
イーサンは1本目でバレルとターンのコンボで8.00をスコア。
一方、フィリッペは執拗にエアーにトライしてミスを重ねた後、高さのあるアーリーウープをメイクして9.43を返した。
次の波で5.50を出して逆転に成功したフィリッペだったが、イーサンは最高のポジションからのテイクオフでバレルをメイクした後、ラウンドハウスカットバック、フィニッシュでエアーリバースをメイクと流れるようなライディングで9.17をスコアしてトップを奪い返した。
敗退したフィリッペはすでにタイトル争いから外れていることもあり、ヒート後は機嫌良くイーサンの元に向かい、その後はヤゴとガブリエルの応援に回っていた。
次のイーサンの相手はQFでセス・モニーツ(HAW)を倒したジャック・ロビンソン。
SFの片方はオージー・レギュラーフッター対決となる。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
復帰戦のイザベラがモリーを倒してSFへ

PHOTO: © WSL/Andrew Shield
ウィメンズサイドはQFのみ進行。
イザベラ・ニコルス(AUS)の8ポイントバレルが最も際立ったライディングだった。
対戦相手のモリー・ピックラム(AUS)がバレルの出口を見つけられない中、難しいセクションをハイスピードで走り抜け、透き通った海水で姿が透けるくらいの美しいバレルをメイクして8.17をスコア。
更に次の波で小さめのバレルを抜けて5.33を重ね、トータル13.50で圧勝した。
イザベラはフィジー戦のファイナル前に足首を負傷して棄権。ローワーズ戦、ポルトガル戦を欠場した後の復帰戦で本人も驚くような活躍を見せている。
「正直、私にとって夢みたい。このイベントで自分が1ヒートでも勝ち上がれるなんて思っていなかったの。前のヒートを勝ち上がったことすら、最高のボーナスみたいな感じだったんだ。『よし、ここに来た私の判断は正しかったんだ。追加のポイントもゲットできたし』って感じだったわ。ここで自分がSFまで進めるなんて、夢にも思っていなかった。自分でもよく分からないわ。セットの波を頭に喰らう恐怖をシンプルに考えられるから、それは良いことだったりする。チャンネルにいた時、ショートボードとスモールウェーブ用のリーシュコードを全部持っていたんだけど、波のサイズが2倍になってしまい、最悪って思った。でも、そのこと自体が私をより慎重にさせてくれたと思うんだ。ミディアムサイズの波を選ばなきゃいけなかったからね。頭にセットの波を喰らいすぎないようにトライしなきゃいけなかったの。もし喰らったら確実にボードかリーシュコードが持っていかれちゃうからね。ここは本当に暑い。真昼間だし、セットを喰らう毎にどんどん体力が削られていくわ。腰を据えてすべてをシンプルに考える時って、時々すごく心地良いものだし、今日はそれがたまたま私にとって良い方向に作用してくれた。モリーはいつだって本当に厳しい対戦相手。彼女は極上のバレルライダーであり、極上のサーファーだからね。彼女の気持ちを思うと切ない。彼女はパイプでこれからクレイジーなことをやってのけるはず。私には分かるわ」

解説者の元CT選手、リッチ・ラベット曰く、イザベラの波の選択、フロー、意思決定は完璧だった。
「さっき言ったように、シンプルで簡単だった。自分が探している波がどんなものか分かっていたのよ。リーフから少し引き上がってくるミディアムサイズの波だって分かっていた。前のヒートでかなり酷い判断をいくつかしていたから、今回は自分自身にこう言い聞かせていたんだ。『このヒートを勝ち上がれるかどうかに関わらず、何か結果が出るなら、私はとにかく良い判断をしたい』ってね。最初の波を掴んだ時、クローズアウトしちゃってバレルから抜け出せなくて、足首にちょっとピリッとした痛みが走った。『あーあ、これで終わりか』って思ったけど、パドルバックしている時に、あの良い波が見えて『これに行かなきゃダメだ』って思ったの。それ以降はワイプアウトしなかった。だから、足首が耐えてくれてすごく安心したわ」
イザベラのSFの相手はタイラー・ライト(AUS)
もう1組はケイトリン・シマーズ(USA)とカリッサ・ムーア(HAW)のカード。
ケイトリンは親友のヨランダ・ホプキンス(POR)とのQFでインターフェアを犯して一つのスコアが半分になったが、7.50とヒートのハイスコアを出してピンチを乗り越えた。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

PHOTO: © WSL/Andrew Shield
ネクストコールは現地時間11月3日の朝8時30分(日本時間同日9時30分)で35分後に開始予定。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Philippines Pro Presented by the Philippine Sports Commission Women’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) 10.34 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 8.33
HEAT 2: Carissa Moore (HAW) 13.57 DEF. Luana Silva (BRA) 7.83
HEAT 3: Isabella Nichols (AUS) 13.50 DEF. Molly Picklum (AUS) 2.57
HEAT 4: Tyler Wright (AUS) 13.67 DEF. Nadia Erostarbe (ESP) 7.93
Philippines Pro Presented by the Philippine Sports Commission Women’s Semifinal Matchups:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Carissa Moore (HAW)
HEAT 2: Isabella Nichols (AUS) vs. Tyler Wright (AUS)
Philippines Pro Presented by the Philippine Sports Commission Men’s Round 2 Results:
HEAT 3: Filipe Toledo (BRA) 14.00 DEF. Griffin Colapinto (USA) 12.33
HEAT 4: Ethan Ewing (AUS) 14.50 DEF. John Mark Tokong (PHL) 11.54
HEAT 5: Yago Dora (BRA) 14.00 DEF. Connor O’Leary (JPN) 12.14
HEAT 6: Kanoa Igarashi (JPN) 12.90 DEF. Jayuard Alciso (PHL) 11.84
HEAT 7: Gabriel Medina (BRA) 15.23 DEF. Liam O’Brien (AUS) 14.50
HEAT 8: George Pittar (AUS) 14.63 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 13.83
Philippines Pro Presented by the Philippine Sports Commission Men’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Jack Robinson (AUS) 14.17 DEF. Seth Moniz (HAW) 10.50
HEAT 2: Ethan Ewing (AUS) 17.17 DEF. Filipe Toledo (BRA) 14.93
HEAT 3: Yago Dora (BRA) 17.37 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 9.60
HEAT 4: Gabriel Medina (BRA) 12.33 DEF. George Pittar (AUS) 9.17
Philippines Pro Presented by the Philippine Sports Commission Men’s Semifinal Matchups:
HEAT 1: Jack Robinson (AUS) vs. Ethan Ewing (AUS)
HEAT 2: Yago Dora (BRA) vs. Gabriel Medina (BRA)
(黒本人志)






















