先月に日本選手としての移籍承認を得たコナー・カラサワ・オレアリーが来日。
今後は日本選手として、2024年2月に行われる「ISAワールドサーフィンゲームス」、そして「パリ2024オリンピック」の代表入り目指すにあたり、日本サーフィン連盟・強化部主催の囲み会見を実施。
集まった報道陣に、日本代表選手としての想いを語った。
「年齢を重ねるごとに、自分の中にある日本が大きくなりました」
日本選手への移籍を考え始めた時期
移籍については東京オリンピック後に考え始めました。自分の中では、日本とオーストラリア、両方の文化を背負っていることが大きくて、複数の文化にまたがって活動していることを、もっとハイライトしていきたいと感じています。自分自身が少しずつ歳をとって成熟していく中で、その想いが強くなってきて決断をしました。
移籍への迷いは?
迷いはありませんでした。オーストラリアには非常に多くの才能に恵まれたサーファーがいますが、自分自身も、もっと日本の若いサーファーのお手本になれるのではと感じていました。もうひとつの祖国である日本を代表する機会はなかなかないことですし、その機会を与えられたことを、有効に活用したいと思いました。
お母様へは相談しましたか?
基本的には自分で決めました。もしかしたら、母の中には「日本代表として戦って欲しい」という想いはあったのかもしれませんが、今回の移籍は自分が決めたことで、今後も日本の代表としてサーフィンを続けていきたいと思っています。
何か決定的なトリガーがあったわけではないけど、年齢を重ねるごとに、自分の中にある日本の文化が大きくなってきて、オーストラリアで生活をしていると失いがちの部分ですが、もう一度きちんと取り戻して、将来の自分の子供にも、残していきたいと思っています。
周囲の反響について
ポジティブな意見をたくさんもらっています。状況によっては悪く取る方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身を良く知ってくれている方は、私にとって日本がどれだけ大事かということをよく理解してくれています。そういう意味では、非常にスムーズな移籍ができたのではないかと思っています。
自分の中で日本人を感じる瞬間は?
小さいころからずっと感じていました。母が、私が小さいころはあまり英語が得意ではなかったこともあって、家の中は完全に日本でした。一歩外に出ると、オーストラリアに行くという感覚で、学校から帰ってくるとまた家の中で日本が待っているという感覚です。小さいころから、常に日本の環境の中で生活しているような感覚でいました。
コンテストジャージの国旗について
現在はWSLのはからいで両方の国旗を付けることができています。これは私が初めての選手で、もう3年この形でやらせてもらっています。私自身は、オーストラリアと日本、両方の国を代表しているつもりです。今回、オリンピック出場のための国を日本へ変えたのは事実ですが、私自身に何か変化があったわけではありません。今後も可能な限り、両方の国を代表していきたい思っていますし、来シーズンも引き続き両方の国旗を肩に入れて出場したいと思っています。
「チョープーは得意な場所。自分のサーフィンもマッチしていると思う」
オリンピックとCTとの違いで感じたことは
私が子供の頃はサーフィンはまだオリンピック種目ではなく、CTを目指して頑張ってきましたが、今回、所属する国を変えるための手続きを通じて、オリンピックの重みと、価値を感じることになりました。その重みをしっかりと受け止めて、日本代表として、日本の国民に恥ずかしくないサーファーとして、頑張っていきたいと感じています。
タヒチ・チョープーの波について
チョープーという場所自体は非常に得意な場所で、しっかりとフォーカスして準備ができれば、非常に良いパフォーマンスが出せるのではと思っていますし、メダルを持ち帰りたいと思っています。
小さいときは大きい波が怖かったけど、ツアーをまわって、経験が増えるにつれて、自分自身をプッシュしてチャレンジすることが非常に楽しみになりました。自分がグーフィーフッターであることも、チョープーには非常にマッチしていると思っています。
自身のサーフィンの強みは
強みとしては、自分は体重が90kgあります。身長が大きくて、体重もあるし、パワーを活かしたサーフィンが非常に得意です。これはチョープーの波にもマッチするんじゃないかと思っています。
「才能に恵まれていたわけではない。頑張ればここまで来れるということを日本の若いサーファーに伝えたい」
今シーズンを振り返って
結果だけを見ると、去年は年間ランキングで9位、今年は11位で順位は上がりませんでしたが、内容としては非常に良いサーフィンができたと思いますし、去年よりも改善した部分もあります。来年はさらに順位を上げて、ファイナル5にも残りたいと思っています。
今後の目標は
もちろん、第一には「オリンピック出場権」を取りに行くことが目標です。もしそれが達成されたのであれば、オリンピックでメダルを取ることを目標にしています。私は、小さいころから才能に恵まれていたわけではなくて、とくに上手いサーファーでもなかったですが、頑張ればここまで来れるということを私自身が体現して、日本の若いサーファーに対してインスピレーションを与えることができれば嬉しいです。
(THE SURF NEWS編集部)
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