五十嵐カノア Photo: THE SURF NEWS

「銀メダルが取れるなら、金メダルも取れる」五十嵐カノア来日。交流報告会でパリ五輪の意気込みを語った

WSLの2023年ツアーが終了し、来日していた五十嵐カノアが、所属する「木下グループ」の交流報告会に参加。

今シーズンを振り返り、パリ五輪への意気込みなどを語ったほか、駆け付けた報道陣の質問にも答えた。その内容を一部抜粋して掲載。

沢山の報道陣が駆け付けた Photo: THE SURF NEWS

「世界チャンピオンになれるサーフィンが、やっとできるようになった」

パリ2024オリンピックの出場権を得て、今の気持ちは?

まわりに良いサポートのチームが沢山いるので、感謝の気持ちです。今年はパリ五輪の準備の年だったから、その中で自分も成長していて。今年の目標はパリ五輪の出場枠を得ること。来年は重要な年、次は来年にフォーカスしたいと思っています。

来年はCTで9年目のシーズンとなりますが、どのような想いですか?

自分でもビックリしています。まだ25歳、自分のサーフィンもピークに近付いてきているから、もっと頑張りたいという想いです。17歳からCTに入って、最初の5〜6年くらいはまだ子供という感じで、世界チャンピオンという目標もあまり(現実的では)なかったけど、少しずつ勉強して、上手くなって、いつか世界チャンピオンになれるサーフィンをしたいなと思っていました。
この2〜3年くらいで、自分でも世界チャンピオンになれる、オリンピックで金メダルを取れるサーフィンが、やっとできるようになって。これからがスタートだと思っているのですごく楽しみです。

Photo: THE SURF NEWS

「パリ五輪では、波を読むことが大事」

今シーズンを終えて、来年への課題など

今年はすごく勉強になった年。今年は途中からコーチを変えて、4名くらいのコーチと一緒にやって。シーズン中盤から最後のコーチが決まったんですが、それが良かったのかなと思います。
CTに入ってからずっと同じコーチだったから、今年からひとりでやろうとも考えたんですけど、シーズンが始まる2週間くらい前に新しいコーチを雇って。でも、あまり合わないなという中で、オーストラリアで良いコーチに出会いました。最初はリズムとか、ペースがあまり合っていなかったけど、シーズン最後の方にそのリズムが分かってきて、成績も後半に良くなってきました。オフシーズンもコーチと一緒に取り組んで、来年からは100%で臨みたいと思います。

昨年よりも成長した部分は

とくに今年は、波の読み方と、自分のパワーのサーフィンを強くしていて。パリ五輪のことを意識して、練習の仕方も変えました。サーフィンのパフォーマンスだけに100%集中するよりも、波の読み方にも集中して。サーフィンは自然相手のスポーツだから、毎回同じ波ではないし、来る波を読んで、どういうパフォーマンスをするのかを決める。波を読むということが、パリ五輪には大切なことだと思っています。

元CT選手のミッチー・クルーズをコーチに迎え、来シーズンに臨む Photo: THE SURF NEWS

「行きたくないときは、絶対に行かなければならない。“やりたくないこと” をやることで強くなれる」

パリ五輪の会場、タヒチ・チョープーの波について

チョープーは凄くシンプルな波だけど、東京オリンピックとはまた違う。東京オリンピックはパフォーマンスが100%の場所で、その準備をしていたけど、パリ五輪のチョープーは、海を読んで、良い波を探すことがすごく大切。準備の仕方は違うけど、目標は同じ。

タヒチは世界で一番怖くて危ない波。そういう怖い気持ちを自信に変えて。自分も子供の頃は怖かった波が、毎年練習をして、自信を持っていけるようになりました。子供のときは、この島に来て、なんでこんな怖い波に乗らなければならないのか、と思っていたけど、、笑
あのとき行っておいて良かった。パリ五輪が決まって、その甲斐があったと思っています。

初めてのタヒチ・チョープーのエピソード

初めて12~13歳で行ったとき、1本目からまかれて、すごく苦しくて。リーフで身体も切っちゃって「一生やりたくない」という気持ちでした、、笑
今は1年に1回しか行けていないけど、もっと行きたい気持ち。12歳のカノアと比べて、よくここまで行ったなと自分でも嬉しく思っています。

苦手を克服したのは、自分の中のチャレンジャーという気持ち。行きたくないときは、絶対に行かなければならないし、“やりたくないこと” をやることが、強くなれる部分。これは、お父さん、お母さんもいつも言っていたけど、サーフィンだけじゃなく、勉強も、部屋を片付けるのも同じ。やりたくないという気持ちは、大切にやらなければいけないことだと、子供の頃から思っていて。やっておいて良かったなと自分でも思いました。

昨年のTahiti Proでは、試合終了間際の9.70ptで大逆転。この1本で見事ベスト8入りを果たし、ファイナル5への進出も決めた Photo: WSL/Beatriz Ryder

「銀メダルが取れるなら、絶対に金メダルも取れる」

これからの取り組みなど

こらからカリフォルニアに戻って、コーチとミーティングして。何も考えないで、トレーニングばかりしていても意味がないと思うので、例えば、最初の1ヶ月はジムトレーニングで、11月はサーフボードがメインの調整、12月はハワイとかパワーのある波で練習して、1月になったらまたジムトレーニングに戻るとか。オフシーズンをどう動けるかが大事だと思います。

東京五輪の銀メダルを経て、パリ2024オリンピックへの意気込みは

東京オリンピックはすごく勉強になったし、良い経験になりました。自分でもメダルを取るためのサーフィンができるということが、自信になりました。銀メダルが取れるなら、絶対に金メダルも取れるし、次のパリオリンピックが楽しみです。前回の経験と、サーフィンと、準備を交えて、金メダルを取れるように頑張ります。

東京2020オリンピックでは銀メダルに輝くも涙をのんだ。パリ五輪でのリベンジを誓う Photo: THE SURF NEWS/ Kenji Iida

交流会では、木下グループ社員スタッフより花束を贈呈 Photo: THE SURF NEWS
社員スタッフから色々な質問も投げかけられた Photo: THE SURF NEWS
疲れている時は、またサーフィンすると疲れが取れるというカノア。「オリンピック選手は、あと20年くらいやりたい」Photo: THE SURF NEWS
ツーショット記念撮影を懸けたじゃんけん大会も実施 Photo: THE SURF NEWS
カメラに入りきらないほど集まった社員のみなさん Photo: THE SURF NEWS

(THE SURF NEWS編集部)

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