PHOTO: © WSL/Cestari

ガブリエル・メディナ、カリッサ・ムーアが優勝!五十嵐カノアが4位!CT第8戦『Surf Ranch Pro』

全ての波がパーフェクトなコンテストがあったら世界トップのコンペティターはどんな表現をするだろう。
そんな夢のような話を実現したのはサーフィン界のキングことケリー・スレーターだった。

11度のワールドタイトルを獲得したケリーが約10年を費やして完成させたウェーブプール「サーフランチ」で遂にCTが開催された。
イベントは毎年この時期に行われるローワー・トラッセルズの変わりで、その名も『Surf Ranch Pro』
ヨーロッパレッグの前、シーズン後半の重要な第8戦に組まれ、9月6日〜9日の4日間で行われた。

「サーフランチ」のオーナーであるケリーは昨年J-bayでの足の怪我の治療が長引き、今年はJ-bayの1戦のみしか出場せず、今回が2戦目。
さすがに波を知り尽くしているだけあって予選ラウンドから快調な滑り出し、8名に絞られたファイナルラウンドにも進出して3位に入った。
ケリーの波だけがスコアが出るよう操作されたという疑惑もあるが、真相はいかに…。

ガブリエル・メディナ
PHOTO: © WSL/Cestari

例え、ケリーの波が操作されていたとしても、ローカルナレッジを十分に活かしたとしても、優勝したガブリエル・メディナ、2位のフィリッペ・トレドのパフォーマンスには勝てなかっただろう。
昨年、試験的に開催された『Future Classic』でもワンツーフィニッシュだったこの二人はネクストレベルと他の選手が話していたほどで、エアリアルの完成度と成功率の高さは圧巻。

特にファイナルラウンドでフィリッペが披露したフロントサイドの2連続エアーリバースと最後のアーリーウープは完璧で、限りなく10ポイントに近い9.80がイベントのハイエストスコアになった。
それでもフィリッペが勝てなかったのは、彼がワールドタイトルを獲得する上で次の課題であるバックサイド。
総じて今回の『Surf Ranch Pro』ではバックサイドのスコアリングが重要な鍵となり、優勝したガブリエルは両サイドでスコアを伸ばしていた。

「再び勝てるなんて最高、特にサーフランチでね。本当に嬉しいよ。全ての選手が凄いサーフィンをして厳しい戦いだった。特にフィリッペ。トップの彼に近づけて気分は良いさ。残りの3イベントも楽しむよ」
ガブリエル・メディナ

ガブリエルが優勝したことで、第2戦のベルズから続いているブラジリアンの連続優勝記録も更新。
実に7連勝、『Surf Ranch Pro』の会場にもブラジリアンの国旗が目立っていた。

フィリッペ・トレド
PHOTO: © WSL/Cestari

たっぷりと顎に髭をたくわえてイベントに参加したフィリッペはこれで8戦中7戦でQF以上をメイク。
ファイナル進出での勝率100%を今回の2位で割ってしまったが、カレントリーダーの座を保持。

タヒチ、サーフランチと2連勝したガブリエルとのポイント差は6,300ポイントから4,100ポイントに縮まり、タイトルレースはヨーロッパレッグへ。
現時点のポイント差やヨーロッパレッグが得意なガブリエルのことを考慮するとタイトル争いは最終戦のパイプラインに持ち越されることが予想される。
波だけではなく、ローカルなど様々な要素が重なるパイプラインを克服することが出来るのか?
フィリッペの初のワールドタイトル獲得にはまだ難関が待ち受けている。

「イベント全体でいくつかのミスを犯してしまった。レフトの波や最初のライトの波ではもっと上手くやれたと思うよ。でも、このイベントに参加出来たことは本当に嬉しいね。サーフィンの新時代であり、ここまで来てくれたファンに感謝するよ。彼らと対戦するのは常に怖いね。トップ5に入るのには理由がある。自分自身の集中してやるべきことをこなし、彼らと距離を置くようにしているのさ」
フィリッペ・トレド

五十嵐カノア
PHOTO: © WSL/Cestari

スポンサーのHURLEYライダーによるトライアルで優勝してワイルドカードを得た大原洋人は予選ラウンドで36人中30位。
3度目のCTは全てが公平な「サーフランチ」が会場だっただけにCT選手との差が明確になり、今後のトレーニングにも役立つだろう。
現在QS26位。念願のクオリファイは手が届く位置にある。

一方、五十嵐カノアは『Future Classic』での4位、今年5月に開催されたリージョナル対抗のチーム戦『Founders’Cup of Surfing』ワールドチーム優勝にも大きく貢献したことでも分かる通り、「サーフランチ」の波は得意で、予選ラウンドを3位で通過。
ファイナルラウンドでも一時3位になり、結局4位でフィニッシュ。
カノアが見せたバレルセクションでのエアリアルなど革新的なアプローチは、ジェイク・パターソン率いる「Snaketales」のチームメイト、グリフィン・コラピントなど他の選手の刺激にもなった。
ランキングでもトップ10入りを果たしている。

ステファニー・ギルモア
PHOTO: © WSL/Cestari

3勝のステファニー・ギルモア、2勝のレイキー・ピーターソンの二人に絞られてきたウィメンズのワールドタイトルレース。
両者共にファイナルラウンド進出、ステファニーが2位。レイキーが3位になり、トップのステファニーと2位のレイキーとのポイント差は5,200から6,915に広がった。

「何度も深呼吸して集中したわ。ストレスが多く、ミスをしないように注意しなければいけない戦いだったわね。今日は満足出来るライディングをしていなく、9ポイントを出せるとは思わなかった。タイトルレースでリードを握っているのは嬉しいわ。レイキーとの激しい戦い、彼女は強いコンペティターよ。次のフランスではどうなるのかな」
ステファニー・ギルモア

レイン・ビーチェリーの7回のタイトル記録に並ぶチャンスが訪れた今シーズンのステファニー。
ウィメンズはフランス、ハワイと残り2戦。
今回の結果によりステファニーのタイトル獲得の可能性が非常に高くなった。

カリッサ・ムーア
PHOTO: © WSL/Cestari

メンズ同様にウィメンズも『Future Classic』の1位と2位がそのままの結果となり、カリッサ・ムーアが優勝。
ファイナルラウンドでは3回のランの内、ライトの波で2本の9ポイント台。
レフトでもスコアを伸ばして圧勝だった。

「Surf Ranch Proでの優勝はとても嬉しい。この新しい施設で勝ったことは名誉ね。大変なシーズンだけど、まだ2イベント残っている。本当に優勝出来てストークしているわ。今年はタイトルレースに加わっていないから、最大の目標は調子良くシーズンを終わらせてリクオリファイを果たすこと。良いパフォーマンスをして来年の自信に繋げたいわ」
カリッサ・ムーア

なお、ウィメンズでもエアリアルにトライする選手が多く、ファイナルラウンドではキャロライン・マークスがフロントサイドでエアーリバースをメイク。
残念ながらジャッジの評価は低かったが、16歳の彼女のチャレンジに観客は大いに盛り上がっていた。

シーズン前から大きな話題になっていた『Surf Ranch Pro』
自然の海とは全く違うゲームとしての面白さがあり、もし、あれがオリンピックだと想像したらサーフィンを知らない人にでもスノーボードのハーフパイプのように楽しめるだろう。
サーフィン業界の中では賛否両論あるが…。

次のCTの舞台はフランスの美しいビーチブレイクで開催される第9戦『Quiksilver Pro France』
10月3日〜14日にメンズ・ウィメンズ併催、昨年CTを引退したジョシュ・カーがイベントのディレクターを務め、チッパ・ウィルソン、アルビー・レイヤーなど豪華なメンバーを招いてのスペシャルヒート「Air Invitational」も行われる。

PHOTO: © WSL/Cestari

『Surf Ranch Pro』結果

メンズ
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 17.86
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 17.03
3位 ケリー・スレーター(USA) 16.27
4位 五十嵐カノア(JPN) 15.77

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 17.80
2位 ステファニー・ギルモア(AUS) 16.70
3位 レイキー・ピーターソン(USA) 16.57
4位 キャロライン・マークス(USA) 14.77

『Surf Ranch Pro』公式サイト

WSL公式サイト

(空海)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。

週刊ニュースメールマガジン

国内外のサーフィンニュースを厳選して週1回まとめてお届け!サンプルを読む