(トロフィーを獲得した3名) PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ルーカス・チアンカが3連勝!マヤ・ガベイラが2連勝!『TUDOR Nazaré Big Wave Challenge』

現地時間1月22日、ポルトガル・ナザレを舞台とした2023/2024のBWTイベント『TUDOR Nazaré Big Wave Challenge』が開催。

朝はセット間が長く、午後になるまでホールドの末にゴーサインが出されたナザレは公式30-40ftレンジの山のような巨大な波。
ギネス級の波ではなかったが、風は弱く、理想的なクリーンなフェイスで人類の挑戦とも言えるトーインでの約5時間にも及ぶチャレンジが繰り広げられていた。

BWTイベントは約2年ぶりの開催。

ナザレで最後に開催された2022年2月のイベントは個人でチャンボことルーカス・チアンカ(BRA)とマヤ・ガベイラ(BRA)が優勝。
チームではチャンボとニック・ヴォン・ランブ(PRT)のコンビが優勝していた。

また、2021年12月開催のナザレ戦でもチャンボは個人優勝。ウィメンズはフランスのジャスティン・デュポンが優勝。
チームではチャンボとハワイのカイ・レニーのコンビが優勝していた。

チャンボが3連勝

(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

今シーズンのナザレでもチャンボはカイとコンビを組む予定だったが、カイは『DaHui Backdoor Shootout』でヘルメットが割れるほどのワイプアウトをしてしまい、欠場。代わりに同じブラジリアンのペドロ・スクービーとコンビを組んだ。

トーインでのチーム戦となるナザレはサーファーだけではなく、ジェットスキーの腕前も重要。
ペドロの的確な運転とチャンボの斬新なアプローチは他を頭一つ上回り、チャンボは各ヒートのベスト2ウェーブを揃え、トータル23.33でナザレでは3戦連続の個人優勝を決めた。

「まるで夢のようだよ。この場所で何度も優勝するなんて予想もしていなかった。ナザレは魔法のような波。人生の全てを自分に与えてくれた。ブラジリアンチームでの勝利は最も特別なものさ。スクービーとトーインサーフィンするのは本当に楽しい。彼は自分がビッグウェーブサーフィンを始めたときに励ましてくれたり、助けてくれた人なんだ。影響を与えた一人でもある。今日のパフォーマンスで少しでもお返しできて本当に嬉しい」

チャンボはパドルイベントだった2018年にも優勝経験があり、JAWSでのビリー・ケンパー(HAW)のようなマスターである。
あの巨大なナザレでエアーをするのは彼とカイくらいだろう。

(個人、チーム共に優勝したチャンボ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ルーカス・チアンカ) PHOTO: © WSL/Laurent Masurel
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ルーカス・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ペドロ・スクービーの活躍

(チーム優勝を決めたペドロとチャンボ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ナザレでは40分ヒートが6回行われ、各チームは2つのヒートに参加。1チーム内でサーフィンとジェットスキーの運転を交互で行う。

個人では5位だったチャンボの相方、ペドロだが、彼のジェットスキーの技術なしで今回のチャンボの3連勝はなかったと言える。
ファーストヒート終了後はローカルのニック・ヴォン・ランブとフランスのクレメント・ゼイのチームがリードしていたが、次のヒートでは終盤にチャンボとペドロのチームが逆転してチーム優勝を手に入れた。

「二日前まではリオデジャネイロの自宅で寝込んでいたんだ。まさか今日この舞台に立つとは想像もしなかったよ。母の看病のおかげとルーカスの説得でナザレ行きを決めたんだ。全力を尽くし、素晴らしいチームワークで優勝することができた。ルーカスは本当に才能がある。彼がビッグウェーブに最初にチャレンジした時から一緒にやっているし、何度も話す最高の仲間さ。だから、彼と手に入れた優勝は凄い特別なんだ」

ペドロは昨年のナザレでチャンボに続く個人2位。シングルスコアではチャンボを上回り、「Jogos Santa Casa Most Committed Award」を獲得した最高のビッグウェーバーでもある。
今後、チャンボがカイとペドロのどちらとコンビを組むかも興味があるが、まずは今回の優勝を心から祝福したい。

(ペドロ・スクービー)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ペドロ・スクービー)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(ペドロ・スクービー)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

マヤ・ガベイラが2連勝

(マヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ウィメンズは予定されていたフランスのジャスティン・デュポンが欠場。
マヤ・ガベイラ、ミシェル・デ・ブイヨンズの2名のブラジリアンの参加のみとなり、ローカルのアントニオ・ローレアノをコンビを組んだマヤがトータル14.00で優勝。ナザレのタイトルを保持した。

「私たちのサイズがそれほど大きくなかったので、ジャッジがターンを評価していることに気付いたの。だから、私たちはセカンドセッションでより滑らかなウォールを探したわ」

(危険なワイプアウトをしたマヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel
(マヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(マヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(マヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(マヤ・ガベイラ) PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(マヤ・ガベイラ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

マヤの唯一のライバルとなったミシェルはブラジリアンのイアン・コセンザとコンビを組み、ファーストヒートではマヤに迫っていたが、次のヒートでハイスコアを塗り替えることができず、逆転には至らなかった。
一方、マヤの方も危険なワイプアウトをするなど苦戦を強いられていた。しかし、辛抱強く波を待ち、山のようなウォールでカットバックを成功され、ウィメンズのハイエストスコアを出した。

「大分前に怪我をしていたの。再び競技して優勝できたのは素晴らしいわ。トニー(アントニオ)と組めたのも特別。彼は怪我をした自分を励ましてくれ、集中して必要な波に乗せてくれた。今日はとても難しく、特にレールサーフィンが難しかった。時間制限がある中でサーフィンをするのは厳しい。通常、フリーサーフでは疲れたら休むことができるけど、競技ではそうはいかないわよね。それにリスクを取ってしまうわ。凄い難しかったけど、最終的には報われることになった」

2023/2024のBWTイベントは残り1戦。
マウイ島のジョーズ(Peʻahi)を舞台とした『TUDOR Jaws Big Wave Challenge』
ウェイティングピリオドは2024年3月31日なので、開催のチャンスは十分にある。

WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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