PHOTO: © WSL/Thiago Diz

5xワールドチャンピオン&東京五輪金メダリストのカリッサ・ムーアが引退を表明

現地時間1月19日、5xワールドチャンピオンで東京五輪金メダリストでもあるハワイのカリッサ・ムーアが引退を表明。
昨年末から噂はあったが、1月29日から開幕するCT直前に正式にWSLから発表された。

カリッサはパイプラインでの初戦『Lexus Pipe Pro』でCTからは引退、5月22日〜31日にパリ五輪の会場、タヒチのチョープーで行われる『SHISEIDO Tahiti Pro』にはワイルドカードで出場。
そして、2024年パリ五輪出場後に競技から離れるとのことだ。

2010年のCTデビュー以来、常にトップに君臨していたカリッサ。
31歳での引退は早過ぎる感じもするが、家族と人生の次の章に移ることを選んだ。

「カリッサ・ムーアが新しい章への決断を共有した中で、彼女の信じられない旅とサーフィンに与えた大きな影響を考えるわ。彼女は海でも外でもチャンピオンであり、ロールモデルでもある。キャリアを通じて、優雅さ、抵抗力、競技の卓越性を体現してきた。彼女の業績はスポーツを超越し、サーフィンに新しい次元の能力や進歩のレベルをもたらした。カリッサの限界を押し広げる姿勢は感動的であり、引退後、競技にも大きな影響を与えるでしょう」
WSLスポーツチーフ・ジェシー・マイリー・ダイヤ

13年間のCTキャリアを振り返る

PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

カリッサの13年間のCTキャリアを振り返ると、プロサーフィンのありとあらゆる栄誉を手にしている。

2010年のルーキーイヤーで3位に入り、ルーキーオブザイヤーを獲得。
翌年には18歳で初のワールドタイトルを獲得して当時の最年少記録となった。

ステファニー・ギルモアと共にウィメンズサーフィンの進化に大きな影響を与え続け、13年間で120のCTイベントに参加して28回の優勝。
5回のワールドタイトル獲得、サーフィン初のオリンピックでは金メダルを獲得した。

(2022年、パイプラインでのウィメンズ史上初のCTイベントでファイナルに残ったカリッサ)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

常に笑顔を絶やさないカリッサは人格者としても知られている。

アロハの精神を体現した非営利団体「ムーア・アロハ・ファンデーション」を設立。
次世代の女性サーファーが海でも陸でも、自身と他人に思いやりを持って接することが出来るように支援している。

「ムーア・アロハ・ファンデーション」
https://www.moorealoha.com/

カリッサは東京五輪で金メダルを獲得した日本とも関係がある。

東京五輪のUSAサーフィンチームで事前合宿を行った静波サーフスタジアムのある牧之原市と交流を深め、2022年に来日。
コロナ禍だった東京五輪の時には叶わなかった握手やハグを交わし、サーフィン以外でも子供達などと充実した時間を過ごしていた。

「競技を離れた先になにがあるのか楽しみだわ。私は引退という言葉が好きではありません。ツアーから離れる、または一歩引く、またはギアを切り替える、または進化する、と言いたいわ」
カリッサ・ムーア

パイプラインを舞台とした『Lexus Pipe Pro』は1月29日に開幕。
WSL公式サイトなどでライブ中継が配信される。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。