(ファイナリスト) PHOTO: © WSL/Tim Hain

中塩佳那&金沢呂偉が優勝!QS1,000『Manokwari Pro』

11月2日〜12月3日にインドネシアのウェスト・パプアでQS1,000『Manokwari Proとプロジュニア『Manokwari Pro Junior』が開催された。

ウェスト・パプアは2020年の調査で人口約54万人とインドネシアの州でも非常に人口の少ない州。
最大都市はマノクワリ。かつて太平洋戦争の時に日本軍が占拠していた歴史もある。

ライト、レフト共にある会場のアンバンビーチは期間中グッドコンディションに恵まれ、ファイナルデイは2-3ftレンジのグラッシーなフェイス。
メンズ、ウィメンズ共にインドネシア勢を抑えて日本人が優勝を決めた。

(ファイナルデイのアンバンビーチ)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

中塩佳那が2日連続の優勝

(ダブル優勝の中塩佳那)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

ウィメンズは中塩佳那と川瀬心那がファイナルで対戦。
両者共に前日のプロジュニアでファイナルを争ったほどこの波にフィットしており、ライト、レフトでスコアを伸ばしていた。
勝負は7.33と後半に7.50を出してトータル14.83をまとめた中塩佳那。
SFでは残り2分を切っての逆転劇を見せ、大会を盛り上げていた。

「凄いことですね。昨日のプロジュニアで優勝して、今日はQSで優勝するなんて。セミファイナルは危なかったけど、終了間際にスコアを取ったのが自信につながりました。この波もこの場所も最高です。マノクワリに来て競技することができて本当に嬉しかったです。両部門で優勝するなんて信じられないです」

2024年のCS出場権をかけてのQSアジアリージョナルは2023年4月から2024年3月までに開催されたイベントのトップ5がカウントされ、メンズ6名、ウィメンズ4名の枠(上位5名、3名とワイルドカード1名)がある。
中塩佳那は今回の結果によってランキング7位から5位に浮上した。

(中塩佳那)
PHOTO: © WSL/Tim Hain
(川瀬心那) PHOTO: © WSL/Tim Hain

金沢呂偉がQS初優勝

(QS初優勝の金沢呂偉)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

メンズサイドはイベントを通してレールワークとエアーで他選手を圧倒していた金沢呂偉とインドネシアのダン・ウィディアントが対戦。

ファイナルは開始直後にエアーで6.33を出した金沢呂偉に対してダンはセットを待つ作戦。ダンは最初のチャンスでエアーリバースをミスするが、次の波ではターンで7.27をスコアする。
金沢呂偉は7.00を重ねて主導権を握り、勝負はスローダウンした波と共に後半へ。

(エアーで先行した金沢呂偉)
PHOTO: © WSL/Tim Hain
(ダン・ウィディアントのエアーリバース)
PHOTO: © WSL/Tim Hain
(金沢呂偉の強烈なバックハンド)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

終了間際、ダンはニード6.30のシチュエーションでエアーリバースをメイクして6.50を出してリードを奪うが、金沢呂偉はレフトの波でバックハンドの強烈なターンを披露。7.50をスコアして逆転。トータル14.50でQS初優勝を決めた。

「今日優勝できて嬉しいです。初のQS優勝です。ファイナルは本当に緊張しました。ダニーは凄く上手いサーファーで、エアとターンをしないと勝てないと思っていた。リードした時、長い沈黙があって更に緊張しました。最後の1分で乗ったレフトは全力を尽くさないとと思いました。幸運にもそれで勝つことができました。マノクワリは大好きな場所です。本当に素晴らしい時間を過ごせました」

QS1,000『Manokwari Pro』結果
1位 金沢呂偉(JPN)
2位 ダン・ウィディアント(IDN)
3位 プトラ・ヘルマワン(IDN)、ヴァルン・タンジュン(IDN)

ウィメンズ
1位 中塩佳那(JPN)
2位 川瀬心那(JPN)
3位 シンタ・ハンセル(IDN)、ジャスミン・ステューダー(IDN)

『Manokwari Pro』終了後のQSアジアリージョナルランキング

プロジュニアは中塩佳那が優勝

(プロジュニアも制した中塩佳那)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

プロジュニアはISAのWJSCこと『2023 ISA World Junior Surfing Championship』開催と重なったこともあり、参加選手は少なかった。

そんな中、ガールズではプロジュニアのアジアリージョナルのトップ2である中塩佳那と川瀬心那が参加。

ファイナルはこの二人の争いとなり、6ポイント台の攻防による僅差の勝負となった。
最後は中塩佳那がフロントサイドで8.17をスコアしてトータル14.90で優勝した。

(19歳の中塩佳那)
PHOTO: © WSL/Tim Hain

「今日の優勝はとても嬉しいです。心那とのファイナルはいつも自分にとっての挑戦になります。お互いにライト、レフト共にスコアを出していたので、最後の波が入った時は乗るべきだし、良い波になる予感がしました。今年、優勝でスタートできて嬉しいですし、この調子を維持してワールドジュニアも勝ちたいです」

2023年のプロジュニア、アジアリージョナルは6月のインドネシアのクルイから始まり、志田下、御前崎、徳之島の全4戦。
矢作紋乃丞、長沢侑磨、中塩佳那、川瀬心那が2024年1月にカリフォルニアで開催されるWJCの代表となる。

今大会は2024年にカウントされ、シーズンは中塩佳那、川瀬心那のトップ2でスタートになる。

なお、12月7日〜10日は宮崎県日向市お倉ヶ浜でQS1,000『The Open Surfing Hyuga Pro』とプロジュニア『The Open Surfing Hyuga Pro Junior』が開催される。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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