(ウィメンズのハイエストスコアを出して二人のワールドチャンピオンを倒したヴァヒネ) PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ファイナル5と2024年パリ五輪CT出場枠をかけてのCT最終戦『SHISEIDO Tahiti Pro』が始まる!

現地時間8月11日、全10戦で争われる2024年CTの最終戦『SHISEIDO Tahiti Pro』がタヒチ・チョープーで開幕。
初日は公式4-5ftレンジのバレルがほぼないチョープーらしからぬコンディションでOpening RoundとウィメンズのElimination Round(敗者復活戦)が進行。

最終戦の注目はワールドタイトルを争う「Rip Curl WSL Final」の残り数席と2024年パリ五輪CT出場枠をかけての争い。
早くも初日から熾烈な椅子取りゲームが繰り広げられた。

(神秘的なロケーション)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

2024年パリ五輪CT出場枠が新たに3席埋まる

(2大会連続で五輪出場のJJF)
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2023年CTランキングからの2024年パリ五輪出場枠はメンズ10名、ウィメンズ8名。

この日は新たにカリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)の3名が出場枠を手に入れた。
なお、CT枠は2024年の『ISA World Surfing Games』終了後の最終発表まで暫定的。
すべての出場枠は、それぞれの国内オリンピック委員会(NOC)による推薦と、各サーファーがISAオリンピック出場資格要件を満たしていることが条件となる。

(初の五輪出場を決めたタイラー・ライト)
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「五輪出場枠を得るには沢山の努力が必要だった。五輪は特別よね。ここでは沢山の感情を抱いていたから、落ち着いて自分の行動や判断をコントロールし続けることが重要だった。本当に頑張ったわ。すごい嬉しい。美しい妻と最高のチームに感謝するわ」

Elimination Roundでジョアン・ディファイ(FRA)を倒した時点で2024年パリ五輪の出場枠を手に入れたタイラー。
東京五輪ではステファニー・ギルモアとサリー・フィッツギボンズがオーストラリア代表として出場していたため、タイラーは初の五輪出場となる。

カリッサ、ジョン・ジョンは2度目の五輪出場。
ご存知の通り、カリッサは記念すべき最初の金メダリストでもある。

(タイラー・ライト)
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「Rip Curl WSL Final」出場をかけての争い

TPHOTO: © WSL/Matt Dunbar

9月のローワーズでワールドタイトルを争う「Rip Curl WSL Final」

すでに決定しているのは、メンズがフィリッペ・トレド(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)、グリフィン・コラピント(USA)の3名で残り2枠。
ウィメンズはカリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、キャロライン・マークス(USA)、モリー・ピックラム(AUS)の4名で残り1枠。

イーサンはチョープーでのフリーサーフィン中にワイプアウトして椎骨骨折という重症を負ったために「Rip Curl WSL Final」出場は絶望的とされているが、今のところ繰り上げはなく、メンズは4名で行われる予定。

メンズはジョアオ・チアンカ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)が現在4位と5位で圏内だが、すぐ下にはガブリエル・メディナ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジャック・ロビンソン(AUS)が迫っている。
Opening Roundではジョアオ以外が1位でRound of 16行きを決めており、特にガブリエル、ジョン・ジョン、ジャックは数少ないバレルを抜けて調子も良さそう。

(まずは確実に2xワールドチャンピオンを決めたいフィリッペ )
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

なお、ランキングトップのフィリペはローカルトライアルで10ポイントを出して優勝したマタヒ・ドローレとリアム・オブライエン(AUS)に勝ち、この時点で「Rip Curl WSL Final」のトップシードを確定させた。
つまり、「Rip Curl WSL Final」では最後に勝ち上がってきた1名と対戦して勝てば2年連続のワールドタイトル獲得になる。

「難しいヒートだった。特にマタヒが相手だったからね。彼はここで優れたサーファーで、簡単にハイスコアを出すことができる。少し動揺していたよ。今回は彼の家に泊まらせてもらっているんだ。だから、楽しんで対戦したよ。リスクは避けたいね。すでに WSL Finalの出場権を獲得しているので、それを考えてヒートを戦いたい。賢明にプレーするさ。今はプレッシャーがなくなった。のんびりとクルーズして、確実にバレルを抜けて良い結果を出したい」

(「Rip Curl WSL Final」出場を狙うステファニー)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ウィメンズサイドの「Rip Curl WSL Final」出場枠は、5位のケイトリン・シマーズ(USA)が圏内で、Opening Roundを1位通過でQF進出。
ケイトリンに迫るベテランのレイキー・ピーターソン(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)はElimination Roundで直接対決の末、ステファニーが勝って希望を繋げている。

最強のワイルドカード再び

(ヴァヒネ・フィエロ)
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ファイナル5と2024年パリ五輪CT出場枠とは別にこの日最も話題になったのは、二人のワールドチャンピオンを倒したワイルドカード。
昨年3位になったヴァヒネ・フィエロ(FRA)が見事なバレルライドで7.50を出し、ステファニーとタイラーを完璧に抑えたのだ。

「ホームで再び戦えるのは嬉しいわ。自分のベッドで寝て母親の料理を食べられる。最高の気分よ。今年は沢山旅をしていくつかの良い結果も出すことができた。CSで2位になり、オリンピックの出場権も獲得したので、その勢いを維持したいと思っているわ。このイベントでサーフィンすることは、CTに進むための大きな経験になるけど、同時に楽しみたい」

『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』で2024年パリ五輪の出場権を得たヴァヒネ。
会場がこのチョープーということで、早くもメダル候補の筆頭として注目されている。
次のRound of 16ではパリ五輪でメダル争いをする可能性があるカリッサと対戦する。

(イーサンのリプレイスメント、ミヒマナ・ブレイ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

なお、イーサンのリプレイスメントとして入ったローカルのミヒマナ・ブレイもグリフィン・コラピント(USA)、カイオ・イベリ(BRA)を倒す活躍を見せた。

ネクストコールは現地時間8月12日の朝7時15分(日本時間8月13日深夜2時15分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によるとサイズダウンが予想されている。
次の期待できるウネリは14日〜15日の予想で16日がピークとなる模様。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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