(都筑有夢路) Photo: ISA/Pablo Jimenez

遂にリパチャージに突入!『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』3日目

現地時間6月6日、3日目となった『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』はメインラウンドのR2終了後、ISA独自のフォーマットであるリパチャージラウンドがスタートした。
リパチャージラウンドはいわゆる敗者復活戦で、ここで勝ってメインラウンドに戻るのではなく、リパチャージラウンドをひたすら勝ち進む必要がある。
メインラウンドが7ラウンドあるのに対してリパチャージは12ラウンドあり、序盤にリパチャージ行きになると最終的に用意されているファイナルに辿り着くまで相当な数のヒートを勝たなければいけない。

すでに2日目でアメリカのジョン・ジョン・フローレンス、ブラジルのジョアオ・チアンカ、オーストラリアのライアン・カリナン、イーサン・ユーイングなどの強豪がリパチャージ行きとなり、3日目にもアメリカのグリフィン・コラピント、フランスのジョアン・ドゥルーがリパチャージ行きを強いられている。

ISAはCTよりも長期戦で、必ずしもCT選手が有利とは限らない。
そこが面白い点でもあるのだ。

(リパチャージ行きになったグリフィン)
Photo: ISA/Jersson Barboza

波乗りジャパンは全てメインラウンドを進む

(松田詩野)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

3日目の波乗りジャパンの出番は五十嵐カノア、前田マヒナ、都筑有夢路、松田詩野。

R2の残りヒート、H24でカノアはニュージーランド代表と共に1位通過を果たしている。
一方、アジア枠の強豪、フィリピンのジョン・マーク・トコンは4位でリパチャージ行きに。

ウィメンズのR2、前田マヒナはH4でドイツ代表と共に2位通過。
都筑有夢路はH6でプエルトリコ代表と共に2位通過、H15に登場した松田詩野はカナダ代表と共に2位を果たし、これで前日にR2を通過した稲葉玲王と脇田泰地を合わせ、全ての選手がR3進出。

(都筑有夢路)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(前田マヒナ)
Photo: ISA/Sean Evans
(松田詩野)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

R3ではH1で稲葉玲王と脇田泰地が同ヒートでイスラエル、ベネズエラ代表とのカード。
五十嵐カノアはH12でメキシコ、イスラエル、ポルトガル代表とのカード。

ウィメンズのR3。
前田マヒナはH1でチームオーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、ソフィー・マカロックなどと対戦。
都筑有夢路はH3でアメリカのカリッサ・ムーアなどと対戦する。
松田詩野はH9で中国のシーチー・ヤン、ニュージーランドのペイジ・ハレブなどと対戦する。

(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Sean Evans
(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Jersson Barboza

CT選手の活躍

(フランスのジョアン)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』の会場はエルサルバドルを代表する2つのポイントを使用。
玉石混じりの河口でライト、レフト共にある「ラ・ボカナ」とライトのポイントブレイク「エル・スンサル」
メンズ、ウィメンズが公平に2つのポイントを交換して行い、3日目はラ・ボカナがウィメンズ、エル・スンサルがメンズの会場になった。

2024年パリオリンピック出場のルールとして2023年WSG出場の規定があるため、大会結果が直接選手選考に結び付かないCT選手も多数出場している。
その中でもウィメンズでは東京オリンピックにも出場しているフランスのジョアン・ディファイ、ブラジルのタティアナ・ウェストン・ウェブ、オーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、アメリカのカリッサ・ムーアの活躍が目立っていた。

(カリッサも順調にラウンドアップ)Photo: ISA/Pablo Jimenez

「ビーチから見ていて、最高の波だわと思ったわ。本当にいい掘れたセクションがあって、実際に良かった。何本か乗れて興奮したわ」

東京オリンピックの金メダリスト、つまりサーフィンがオリンピックに採用されて初の金メダリストという歴史に残る偉業を達成したカリッサは落ち着いた表情でインタビューに答えていた。

ダークホースが9ポイントを出す

(ティアラ・ヴァン・デル・フルス)
Photo: ISA/Sean Evans

ISAでは思いも寄らない国のダークホースが現れることが多い。

この日はウィメンズのR2でアメリカのキャロライン・マークスとカナダのエリン・ブルックスなどと対戦したオランダのティアラ・ヴァン・デル・フルスがメンズを合わせてのハイエストスコアとなる9.03を出して話題になっていた。

ダブルオーバーはある巨大なライトにバックサイドでテイクオフした彼女は深いボトムターンからトップに上がり、際どいセクションをメイク。エアドロップで着地に成功した。ジャッジスタンドの影になったために最初はスコアが出なかったが、ビデオ判定で9.03がコールされるという珍しいケースになった。

「あのターンを実際に成功させることができて嬉しいわ。コーチのベイリックとボトムターンの練習をしていたの。そこからトップまで待ち、ターンにコミットしたのよ。自分の感覚で着地したんだけど、1ポイントしか出なかった。まあ、気にしなかったけど、スコアが出て勝てたことを知り、興奮したわ。あの一本にコミットできたことが本当に嬉しかった」

(キャロライン・マークス)
Photo: ISA/Sean Evans
(カナダのエリン・ブルックスはリパチャージ行き)
Photo: ISA/Sean Evans

彼女は9.00と8.67、トータル17.67のハイエストを出したキャロラインと共にR3へ。カナダのエリンはリパチャージ行きになった。

その他、ヨーロッパ勢ではドイツのレイチェル・プレスティ、ノア・クラップ、カミラ・ケンプと3名のウィメンズが全てR3へ。
ドイツはサーフィンの強豪国と言えないが、今大会でヨーロッパ大陸でトップになった選手がオリンピック枠を獲得できるだけにコミットしているのだろう。

メンズもヨーロッパ勢が活躍

(ここでオリンピック出場権を得るのが目標と話すレオ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

3日目はメンズサイドでもヨーロッパ勢が活躍。

イタリアのレオナルド・フィオラヴァンティは8.67とこの日のハイエストスコアを出し、7.50のバックアップスコアを重ねてエクアドルのアレックス・スアレスと共にR3へ。サーフランチで優勝したばかりのグリフィン・コラピントをリパチャージラウンドに送り込んだ。

「今朝目覚めたら、クリーンで完璧な波だったよ。エル・スンサル最高〜って思ったよ。特に潮が引いている時は素晴らしい波だね。サーフィンするためにアウトに出るだけでワクワクするし、自分のサーフィンが報われて嬉しいよ」

(イタリア国旗を持つレオ)
Photo: ISA/Pablo Franco

レオの場合、CTでトップ10に入る他、今大会でヨーロッパの中でトップの結果を残せば2024年パリオリンピックの出場権を得ることができる。

「ワールドツアーからの出場権を獲得するという素晴らしいチャンスがあるけど、今ここにいるんだから、今週成し遂げたいね。他のツアーの選手に左右されるのは嫌だから、自分の力で達成したい。ここにはチャンスがある。だからベストを尽くすよ」

その他、フランスのカウリ・ヴァーストもエル・スンサルの波を堪能しながら次に進んでいる。

(CTのワイルドカードも得たエルサルバドルのブライアン・ペレス)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(和井田理央はR3でレオと対戦)
Photo: ISA/Jersson Barboza

スケジュール

(ドイツのノア・クラップ)
Photo: ISA/Pablo Franco

コンテスト4日目の6月3日は朝8時に開始予定。
日本時間同日の23時。

ラ・ボカナでメンズのR3、ウィメンズのR3、メンズのR4の順番で進行。
エル・スンサルではリパチャージのウィメンズR1、メンズR1の共に残りヒートを行い、その後にリパチャージのウィメンズR2が進行予定。

ライブ配信はISA大会特設ページで!

2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games
https://isasurf.org/event/2023-world-surfing-games/

(THE SURF NEWS編集部)

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