(五十嵐カノア) Photo: ISA/Sean Evans

『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』2日目も日本代表は全てラウンドアップ!

現地時間6月1日、エルサルバドルで開催中の『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』は2日目を迎え、玉石混じりの河口「ラ・ボカナ」でメンズ、ライトのポイントブレイク「エル・スンサル」でウィメンズの共にR1の残りヒートが進行。
その後、メンズのR2が24ヒート中、12ヒート、エル・スンサルで進行した。

この日は頭サイズのサイドオンショア。
不安定な難しいコンディションでの戦いになった。

なお、今大会は2024年のパリオリンピックの選手選考で最初の大会。
アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの4大陸からそれぞれ最高位の選手の男女、合計8名が出場権を獲得する。

アジアは東京オリンピックに出場した日本、インドネシアだけではなく、フィリピン、中国の台頭が目立っており、波乗りジャパンも厳しい戦いを強いられるだろう。

波乗りジャパンは全てラウンドアップ!

(松田詩野)
Photo: ISA/Jersson Barboza

この日の日本代表「波乗りジャパン」

出番があったのは松田詩野、五十嵐カノア、稲葉玲王、脇田泰地。

まず、R1の残りヒートにクレジットされていた松田詩野はヒート序盤に4.00を出して良いスタートを切り、5.60を重ねてトータル9.60。
6ポイント台を2本まとめてトップに立った中国のシーチー・ヤンと共に2位でラウンドアップ。
彼女はまだ14歳。WSG初出場となった2022年では6.00の一本のみで敗退したが、今年は松田詩野を抑えてトップ通過。
この急成長を見る限り、今回アジア枠で最大のライバルの一人と言えるだろう。

(中国のシーチー・ヤン)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(松田詩野)
Photo: ISA/Jersson Barboza

R1の最終ヒートに登場した五十嵐カノアはアメリカ領サモア、ベルギーとの3人ヒート。
サーフランチでのCTを終えたばかりのカノアだが、エルサルバドルでの調整は済ませており、最初からバックハンドのエアーをメイクして主導権を握り、2位以下に付け入る隙を与えずにトップ通過を果たしている。

(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Sean Evans

エル・スンサルに会場を移動して行われたメンズのR2では、稲葉玲王がニュージーランドのビリー・ステアマンドと共に2位でラウンドアップ。
ポテンシャルがある波が少ない中、確実に波を選び、ヒート中2本のみセレクト。一本目で4.17。最後に6.00を重ねて勝負強さを発揮していた。

(稲葉玲王)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(稲葉玲王)
Photo: ISA/Jersson Barboza

脇田泰地はフレデリコ・モライス(PRT)との対戦で徐々に調子を上げ、4.30と終了間際に5.07を出して2位でR3進出を決めた。
なお、R3ではH1で稲葉玲王と脇田泰地が同ヒートでイスラエル、ベネズエラ代表と戦う。

(脇田泰地)
Photo: ISA/Jersson Barboza

R2の残りヒートH24には五十嵐カノアがフィリピンのジョン・マーク・トコンなどのクレジット。
ウィメンズのR2、前田マヒナはH4、都筑有夢路はH6、松田詩野はH15。

オリンピック出場への戦い

(フランスのジョアン・ディファイ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

R1の残りヒートのみ進行したウィメンズサイド。

フランスのジョアン・ディファイがオープニングヒートに登場してハイスコアを出して他選手を圧倒。
スペインのナディア・エロスターベ、オーストラリアのエリー・ハリソンも最高の試合運びで1位通過を果たしている。
ハイエストスコアはペルーのソル・アギーレの8.50。これは初日にキャロライン・マークスが出したスコアと並ぶ記録になる。

2022年のWSLのワールドジュニアで優勝したポルトガルのフランシスカ・ヴェセルコはトータルスコアでは2日目のトップとなる14.90を出してトップ通過。
ポルトガル勢ではチームメイトのテレッサ・ボンバロが暫定的ながら2024年パリオリンピックの出場権を得ているため、彼女はチームメイトのヨランダ・ホプキンスと代表を争うことになる。

(ポルトガルのフランシスカ・ヴェセルコ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

「チョープーでの2024年のオリンピックに参加することは私の夢。出場権を得るためにここに来たのよ。凄い楽しいヒートだった。水が暖かく、波もある。私はライトの波が好きなので、これ以上の幸せはないわ」

東京オリンピック同様、パリオリンピックも選手選考は複雑なので、以下を参照して欲しいが、簡単に説明すると男子24名、女子24名。
CTランキング、WSG、パンアメリカンゲームスで枠が決まり、その他に開催国枠、今回初めて資格を有するNOCに男女各1名の出場枠が与えられる。

ガブリエル・メディナが2日連続で爆発

(2日目も好調だったギャビー)
Photo: ISA/Jersson Barboza

メンズはR1の残りヒートとR2の24ヒート中、12ヒートが行われたこの日。

ラ・ボカナからエル・スンサルに移動したR2でもブラジルのガブリエル・メディナのサーフィンは強烈で、2位のコスタリカのカルロス・ムニョスにも大差でトップ通過。

その他、メキシコのアラン・クレランド・ジュニアが8.93をスコア。オーストラリアのイーサン・ユーイング、ペルーのルッカ・メシナス、ベネズエラのケオニ・ラサがハイスコアを出して目立っていた。

(ジョーディ・スミスは南アフリカ代表として参加)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(イタリアのレオナルド・フィオラヴァンティ)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(フィリッペ ・トレド)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(サーフランチのCTで優勝したばかりのグリフィン・コラピント)
Photo: ISA/Sean Evans
(和井田理央)
Photo: ISA/Sean Evans

R2ではいくつかの番狂わせもあり、イタリアのジェシー・メンデスとドイツのディラン・グローンがアメリカのジョン・ジョン・フローレンスを抑えて勝利。
ジョン・ジョンは早くも敗者復活戦のリパチャージ行きを強いられている。

また、ブラジルのジョアオ・チアンカはR1でエルサルバドルの英雄でもあるブライアン・ペレスなどに敗れ、リパチャージ行きとISAならではの波乱もあった。

「今年一番のヒートだったと思う。コーチのマルセロと戦略を練ったんだ。波数が少なかったから、ベストウェーブだけを選んでスコアメイクに集中したのさ。計画に集中してベストを尽くした。勝てて嬉しいね。ISAがエルサルバドルで開催されるのは、特別なことなんだ。とても楽しい雰囲気で、人々はとても親切。波も良く、食べ物も美味しい。みんな、ここにいるのが好きなんだと思う。すべてのサーファーにとってパラダイスだと思うよ」

スケジュール

(イタリアのインディナ・フェリ)
Photo: ISA/Pablo Franco

コンテスト3日目の6月2日は朝8時に開始予定。
日本時間同日の23時。

ラ・ボカナでウィメンズのR2、リパチャージR1。
エル・スンサルでメンズのR2の残りヒートとリパチャージR1が進行予定。

ライブ配信はISA大会特設ページで!

2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games
https://isasurf.org/event/2023-world-surfing-games/

(THE SURF NEWS編集部)

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