(ファイナリスト)PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

ガブリエル・メディナ&カリッサ・ムーアが優勝!CT第5戦『Margaret River Pro』ファイナルデイ

現地時間4月28日、吹き続くオンショアによってレイデイが続いていたウェスタンオーストラリア・マーガレットリバーを舞台としたCT第5戦『Margaret River Pro』にゴーサインが出され、ファイナルデイを迎えた。

今イベントはミッドシーズンカットを挟むシーズン前半戦のラストイベント。この後、一ヶ月の休みを経てカリフォルニアのサーフランチを皮切りに後半戦に突入する。
メンズ22名、ウィメンズ10名に絞り込まれてよりタイトになり、2024年パリ五輪の選手選考も兼ねている2023年CTの後半戦は見所満載だろう。

(マギーの大観衆)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

ギャビーが久々の優勝

(グーフィーフッターでは33年ぶりの優勝)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

メンズはQF、ウィメンズはSFからスタートしたファイナルデイは公式4-6ftレンジ。
メインブレイクらしいパワフルな波で世界トップのサーファーによるビッグマニューバーでの勝負となった。

メンズはガブリエル・メディナ(BRA)とグリフィン・コラピント(USA)がファイナルに進み、ガブリエルが9.50を含むトータル17.50とファイナルデイで最高のトータルスコアを出して圧勝した。
ガブリエルはQFでフィリッペ・トレド(BRA)、SFでジョアオ・チアンカ(BRA)を倒してのファイナル進出。文字通り、最強の相手を倒して文句なしの優勝を決めた。

(2021年以来の優勝を決めたギャビー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

「ここで勝つことは本当に特別な感じだね。これまで難しいと感じていた場所だったよ。良い波に乗って勝利できたことが嬉しい。自分のリズムに戻れている感じがして、気分が良いさ。グリフィンとはいつも激しいバトルを繰り広げている。自分はライバルたちと競うことが大好きで、それが目的でもある。ここの波は本当に難しい。だからそれを乗り越えて勝つてたことが嬉しいね」

2021年のオーストラリアで16回目のCT優勝、『Rip Curl WSL Finals』で3度目のワールドタイトルを獲得したガブリエルだったが、健康問題を理由に2022年はシーズン前半を休養。後半戦に復帰した後もラスト2イベントを怪我で欠場していた。
2023年も以前の勢いはなく、9位が続いていたが、これまで結果を出せていなかったマーガレットリバーで17回目の優勝を成し遂げた。
マーガレットリバーでのグーフィーフッターの優勝は33年ぶりになる。

表彰台ではワイン樽をモチーフとしたトロフィーを高々と掲げ、久々の優勝を満喫していた。
マーガレットリバーは波の宝庫でもあると共にオーストラリアのボルドーと称される国内随一のプレミアムワインの産地でもある。

(ワイン樽をモチーフとしたトロフィー)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

グリフィンがシーズン2度目の2位

(昨年逃したファイナル5を目指すグリフィン)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

開幕戦の17位を除くと全てQF以上をメイクしてサンセットビーチに続く2度目のファイナル進出となったグリフィン。
SFではマーガレットリバーで最強の男と言われているジョン・ジョン・フローレンス(HAW)に競り勝った。

「ジョンとのヒートが一番誇りに思うね。昨年は彼に負けてしまったので、あのヒートで彼に勝てたことは自分自身も驚いたし、キャリアにおいて大きな成果となったよ。多分、彼はここで最高の選手であり、あのヒートは自分の一日のハイライトだった。ゲイブとの対戦では全力で攻める必要がある。全てのセクションをできるだけ大胆に攻めたかった。残りの時間、自分が選んだ波は最高ではなかった。ガブリエルにおめでとうと言いたい。彼は競技や人生に熱心であり、その情熱を感じることができるとみんなも燃えるんだ。なにより彼が復活したこが嬉しいね」

ランキングではトップ5のメンバーは変わらず、ジョアンがトップを維持した一方、フィリッペが2位、グリフィンが4位に浮上。怪我で欠場したロボが3位、イーサンが5位。
今回優勝したガブリエルは7位に浮上している。

(3戦続けて5位のコナー)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

シーズン後半戦はサーフランチ、エルサルバドル、ブラジル、南アフリカ、タヒチ。
6位のジョン・ジョンも含め、7位のガブリエル辺までがファイナル5を争うことが濃厚だが、ロボが怪我の状態によって欠場する可能性もあり、後半戦に急上昇してくる選手も十分に考えられる。

なお、カノアは20位、理央は19位、コナーは11位で後半戦に入る。

カリッサがCT通算27勝目

(カリッサのねじ込むようなカービング)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

ウィメンズサイドはカリッサ・ムーア(HAW)とタイラー・ライト(AUS)がファイナリストに選ばれ、前半はタイラーがリード。しかし、カリッサがパワフルなカービングで6.10を出してリードを奪い、終了間際に訪れたチャンスをミスで逃したタイラーを抑えてシーズン2度目の優勝。
CT通算27勝目を決めた。

「家から離れて一ヶ月。浮き沈みが激しい大変な期間だったわ。ここに来る前には、自信を失いかけていたけど、地元の方々からの愛を感じたの。その良いエネルギーがなければ優勝を成し遂げることはできなかったと思う。最後のタイラーの波は見えなくて、チャンスを逃したと思った。でも、もうどうしようもないので、宇宙に任せるしかないと思ったわ」

カリッサは今回の優勝で3位から2位に浮上。
3年連続のファイナル5出場を固めている。

(シーズン2度目の優勝を決めたカリッサ)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

タイラーがイエロージャージを獲得

(優勝は逃したものの、ランキングトップに立ったタイラー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

マーガレットリバーまでイエロージャージを死守したモリー・ピックラム(AUS)が5位となった一方、ベルズを制していたタイラーが2戦続けてファイナルに進み、トップが入れ替わった。
ファイナルデイのタイラーはキャロライン・マークス(USA)とのSFで8.50をスコアして際立っていた。

「カリッサは素晴らしいコンペティターであり、再びファイナルを戦えたことは素晴らしいことよ。最後は上手くいかなかったけど、素晴らしい1週間、素晴らしいオーストラリアレッグを過ごせたわ。このポジションは久々ね。私がやりたいことや、目指す方向性をチームと一緒に考え、実現するために取り組んできたの。再びコンテストのプロセスに慣れるのは時間を要すると思うので過度な期待はしていない。でも、このスポーツを愛し、やりがいを感じているわ」

2017年に2度目のワールドタイトルを獲得してから病気などでコンテストの世界から離れることが多くなっていたタイラー。
2023年はようやくフルシーズンを回れるまで復活して初のファイナル5の可能性が高くなってきた。

次の第6戦は5月27日、28日にサーフランチで開催される『Surf Ranch Pro』

CT第5戦『Margaret River Pro』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 グリフィン・コラピント(USA)
3位 ジョアオ・チアンカ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
5位 フィリッペ・トレド(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)、バロン・マミヤ(HAW)、イーサン・ユーイング(AUS)

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 ブロンテ・マコーレー(AUS)、キャロライン・マークス(USA)
5位 モリー・ピックラム(AUS)、レイキー・ピーターソン(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)

2023年CT『Margaret River Pro』終了後のランキング
1位 ジョアオ・チアンカ(BRA) 28,255pt
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 25,575pt
3位 ジャック・ロビンソン(AUS) 25,215pt
3位 フィリッペ・トレド(BRA) 22,160pt
4位 グリフィン・コラピント(USA) 25,090pt
5位 イーサン・ユーイング(AUS) 22,810pt

ウィメンズ
1位 タイラー・ライト(AUS) 31,685pt
2位 カリッサ・ムーア(HAW) 29,490pt
3位 モリー・ピックラム(AUS) 27,290pt
4位 キャロライン・マークス(USA) 21,240pt
5位 ケイトリン・シマーズ(USA) 19,965pt

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。