PHOTO: © WSL/ Brent Bielmann

ジョン・ジョンが2連覇!五十嵐カノアが2位!
CS最終戦『Haleiwa Challenger』ファイナルデイリポート

スナッパーロックス、マンリーのオーストラリアレッグから始まり、南アフリカ、カリフォルニア、ポルトガル、ブラジルと巡ってきたCTのステップとなるCS(チャレンジャー・シリーズ)はいよいよ最終戦のハワイへ。

オアフ島、ノースショアのハレイワで『Haleiwa Challenger』が4日連続で行われ、現地時間12月2日に終了。
これで2023年CTクオリファイが全て確定、約2ヶ月後にはパイプラインでCT開幕戦が行われる。

JJFが2連覇

(これぞハワイのフルレールサーフィンというのを今年も見せつけたジョン・ジョン)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

ファイナルデイは前日に入った北西〜西北西ウネリがピークを迎え、公式6-8ftレンジ。
風は不安定ながらフェイスはクリーンな時間帯が多く、グッドコンディションに恵まれ、メンズ・ウィメンズ共にQFからスタート。

メンズサイドは昨年のハレイワで唯一の10ポイントを出して優勝、見事に怪我からの復活を完璧な形で決めたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、昨年3位だった五十嵐カノア(JPN)、CSからのクオリファイを決めたマイケル・ロドリゲス(BRA)、ライアン・カリナン(AUS)の4名がファイナリスト。

ここハレイワの波で育ったジョン・ジョンは前日のようなオンショアでも深いバレルを抜けてしまうほどありとあらゆる癖を知り尽くしており、完璧な波になったファイナルデイも素晴らしいライディングを披露。

PHOTO: © WSL/ Brent Bielmann

ファイナルではイベントを通して一貫していたレールワークで9.00を出して主導権を握り、後半にトップターンからエアーリバースをメイクして7.77をスコア。
中盤、カノアが8.40を出してトップに立つ場面もあったが、この7ポイントで逆転に成功して最後までリードを保ち、2連覇を達成した。

「今週は自分自身の体調を整えて競技に復帰したんだ。本当に嬉しいね。ハワイのため、ホームで勝てて最高さ。特に今日のような最高の波で勝てたことは格別だね」
ジョン・ジョン・フローレンス

今年も怪我に悩まされたジョン・ジョンはホームのこのイベントを復帰戦に選び、最高の形で勝利した。
パイプラインでCT開幕戦も十分に期待出来るだろう。

ちなみに表彰式では2位のカノアがやや悔しそうに「この波は大好きだよ。ハワイのシーズンをジョン・ジョンとのファイナルでスタートできたことは素晴らしいよ。ハワイは全く違うフィールドなんだ。ハレイワ、パイプ、サンセットでさえも違う。リズムを掴むこと。残りの冬が楽しみだよ」と話していた。

(優勝まであと一歩だったカノアだったが…)
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ソフィア・マックローチが優勝でクオリファイもメイク

(優勝直後、応援団に囲まれるソフィア・マックローチ)
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ウィメンズサイドのファイナリストは2連覇を狙うサクラことベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、クオリファイがかかったソフィア・マックローチ(AUS)、テレッサ・ボンバロ(PRT)、ダークホースのエウェイ・ウォング(HAW)の4名。

ファイナルは6.83を出したソフィアが主導権を握り、更に8.17を重ねてトップを固めていた。後半、2位のサクラが逆転するには10ポイントが必要となり、パワフルな2ターンをメイクしたが、9.23とスコアは届かず、ソフィアが優勝。
3位以下をコンビネーションに追い込んでの勝利となった。
ソフィアはこの優勝でランキングも9位から一気に5位まで上げて見事に2023年CTクオリファイをメイクした。

(ファイナルで9ポイントを出したサクラ)
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「この勝利は私にとって大きな意味がある。イベント前は自信喪失した時もあったわ。みんな調子が良さそうだったし、特にベティルーは凄かった。でも、それが不幸中の幸いで、まだクオリファイは決まっていないという誰かの言葉と彼女の活躍を見て全力を尽くさなければと思ったのよ。正直、ナーバスになったけど、気持ちを切り替えて臨めたことを誇りに思うわ」
ソフィア・マックローチ

前戦のブラジル戦でまさかの一コケをしてランキング9位まで転落していたソフィア。
イベント前の予想でもクオリファイの可能性は低いとされていたが、優勝と他選手の結果によって滑り込みでCT入りを達成したのだ。
逆に同じファイナルを戦ったテレッサは総合ポイントでソフィアと並んだものの、トータルの成績によって今回はクオリファイを逃してしまった。
リプレイスメントなどで出場のチャンスはあるだろうが、僅差での脱落に落胆した様子で、表彰台では涙ぐんでスピーチしていた。

2023年CTクオリファイを決めた15名

(最終日にクオリファイを決めたマイケル・ロドリゲス)
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2022年CSからの2023年CTクオリファイの枠はメンズ10名、ウィメンズ5名。

メンズはレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、和井田理央(IND)、ライアン・カリナン(AUS)の3名が最終戦前に確定。
ハレイワではファイナルデイの前にラムジ・ブキアム(MAR)、マキシム・フスノット(FRA)、イアン・ジャンティ(HAW)の3名が加わっていた。
残る4名はジョアン・チアンカ(BRA)、リアム・オブライエン(AUS)、マイケル・ロドリゲス(BRA)、エゼキエル・ラウ(HAW)

レオナルド、ライアン、ジョアン、エゼキエルの4名は2022年CTのミッドシーズンカットで落ちた選手のため、リクオリファイという形になる。

(リクオリファイを果たした17歳のサクラ)
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ウィメンズサイドはメイシー・キャラハン(AUS)、モリー・ピックラム(AUS)、ケイトリン・シマーズ(USA)の3名が最終戦前に確定。
ハレイワではベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ソフィア・マックローチ(AUS)が加わり、5名が揃った。

サクラ、モリーはミッドシーズンカットで落ちた選手のため、リクオリファイを果たしたことになる。

(クオリファイまであと一歩だった都筑有夢路)
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なお、日本人選手ではブラジルで3位、カリフォルニアで5位、最終戦13位の都筑有夢路が13位で最高位。
メンズではカノアを除くと43位の脇田泰地が最高位だ。

次のノースショアのビッグイベントは12月8日〜20日にパイプラインで開催される『Vans Pipe Masters』
招待制で日本の伊東李安琉、インドネシアの和井田理央(IND)もリストに入っている。
ジョン・ジョン、ケリーなどトップ選手も参加予定なので、お見逃しなく!

CS最終戦『Haleiwa Challenger』結果
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
2位 五十嵐カノア(JPN)
3位 マイケル・ロドリゲス(BRA)
4位 ライアン・カリナン(AUS)

ウィメンズ
1位 ソフィア・マックローチ(AUS)
2位 ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
3位 テレッサ・ボンバロ(PRT)
4位 エウェイ・ウォング(HAW)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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