PHOTO: © WSL/Tony Heff

今冬ノースショアで開催される3つのビッグイベントとは?

コロナ禍とWSLのフォーマット変更などにより、ここ数年でガラッと変わってしまった冬のノースショアイベント。
今まではハレイワ、サンセットビーチ、パイプラインの3イベントで構成されるトリプルクラウンでそれぞれのスポンサーも定着。
また、パイプラインのイベントは「パイプマスターズ」と呼ばれていたが、ややこしいことにこの名称はVANSの知的財産権なので、今年のCTの開幕戦は「パイプマスターズ」という表現は使われなくなった。

その「パイプマスターズ」は今冬に招待制のWSL公認コンテストとして開催される。
では、トリプルクラウンやCTの開幕戦はどうなるのか?
本格的なシーズンの直前、3つのイベントをもう一度整理してみよう。

『Vans Pipe Masters』

(パイプマスターズの招待リストに掲載されているカリッサ・ムーア)
PHOTO:© WSL/Keoki

1971年からの長い歴史を持つ「パイプマスターズ」はトリプルクラウン並びにCT最終戦としてシーズンを締めくくる特別なイベントだった。
しかし、イタロ・フェレイラが優勝した2019年を最後にパンデミックによってデジタル化され、リアルイベントとしては2年間開催されていない。

その「パイプマスターズ」が2022年は前記の通り、招待制のWSL公認コンテストとして復活。
ウェイティングピリオドは2022年12月8日〜20日。

新生「パイプマスターズ」の名称は現在、『Vans Pipe Masters』と公表。
すでに招待選手も発表されており、出場選手はメンズ40名、ウィメンズ20名。
半数は地元ハワイアンで構成されている。

新生「パイプマスターズ」の特徴は招待制に加えて、StabmagとVansが組んだことで過去のバレルに特化した「パイプマスターズ」とはジャッジクライテリアが変わり、フェイスやリップでのマニューバーやエアリアルも評価されることだろう。

マット・メオラ(HAW)、クレイグ・アンダーソン(AUS)、マイケル・フェブラリー(ZAF)、ハリー・ブライアント(AUS)、ノア・ディーン(AUS)、「Stab High」で優勝したロビー・マコーミック(USA)など世界を代表するフリーサーファーが名を連ねている。

また、日本の伊東李安琉、インドネシアの和井田理央(IND)もリストに入っている。

CT選手ではケリー、ジョン・ジョン、ロボ、ガブリエルなどが参加予定だ。

『Vans Pipe Masters』公式サイト
https://pipemasters.vans.com/

トリプルクラウン

(デジタル化されたトリプルクラウンで2連覇のジョン・ジョン・フローレンス)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

2020年にパンデミックによってデジタル化されたトリプルクラウン。

ハレイワ、サンセットビーチ、パイプラインというノースショアを代表する3つのブレイクで争われ、冬のノースショアで35年以上も続いている最も権威あるタイトルはリアルイベントから映像形式、ファン投票によるコンテストに変わり、ウィメンズ部門も加わった。

2020年の初代チャンピオンはジョン・ジョン・フローレンスとカリッサ・ムーア。
2021年もこの二人が連覇している。

今年はまだ正式なアナウンスがされていないが、2021年のシーズン前にVANSが恒久的にデジタル形式での開催を続けることを宣言している。
昨シーズンは2021年12月21日〜2022年1月21日がイベント期間だったので、今シーズンも『Vans Pipe Masters』終了後にスタートすると予想される。

Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
https://www.vanstriplecrownofsurfing.com/

『Billabong Pro Pipeline』

(2022年の開幕戦、ケリーの感動的な優勝)
PHOTO:© WSL/Bielmann

パンデミックにより2020年のCTが中止になった後、2021年の再開時にパイプラインのイベントが『Billabong Pro Pipeline』として今までの最終戦から開幕戦に移動。
このシーズンはマウイ島でのウィメンズイベントがシャークアタックによりキャンセルされ、途中ヒートからパイプラインで行われた。

2022年も開幕戦として『Billabong Pro Pipeline』』が行われ、ケリー・スレーター(USA)が50歳を目前にして8度目の優勝。
ウィメンズも正式に併催され、ワイルドカードのモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)が優勝という特別なイベントになった。

2023年も『Billabong Pro Pipeline』』は開幕戦として1月29日〜2月10日にスケジュールが組まれている。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

その他のノースショアのイベント

(『Haleiwa Challenger』のセレモニーの模様)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

今回紹介した3つのビッグイベントの他、ハレイワでは11月26日〜12月7日の日程でCS(チャレンジャー・シリーズ)の最終戦『Haleiwa Challenger』が開催(現地29日よりコンテストがオン)。
まだ正式な発表はないものの、1月4日〜15日は『Da Hui Backdoor Shootout』、ワイメアでは『Eddie Aikau Big Wave Invitational』がコンディション次第で行われる予定だ。

(空海)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。