ケリーも絶賛!イタロ・フェレイラがクラマスを完全制覇!CT第5戦『Corona Bali Protected』終了!

今年はCTに大幅なスケジュール変更があり、例年この時期に行われるフィジー戦に変わってバリ島のクラマスが会場に選ばれた。
クラマスがある東側はオフシーズンの乾季で前半のラウンドは不安定なコンディション。
皮肉にもフィジーには過去最大級のビッグスウェルが入り、ケリー・スレーターさえも怪我を口実にバリ島をスキップして車が何台も入るような巨大な「Cloudbreak」のバレルを堪能。
カイ・レニーや世界中のビッグウェーバーが集まったこのセッションはある意味バリ島のCTよりも注目を集めていた。

しかし、後半のラウンドに入ると風が吹く前の午前中限定ながらコンディションは安定。
それもバックドアカインドのバレルやトラッセルズのようなオープンフェイスと今シーズンで最も良い極上の波に恵まれた。

PHOTO: © WSL/Cestari

メンズ、ウィメンズ共に多くのエクセレントスコアが続出する中、唯一出たパーフェクト10はSFのイタロ・フェレイラによるバックハンドのノーグラブ・フルローテーションエアー、着地も言葉で表現すると’ぴたっと’決まり、そこから流れるようにビッグターン。
そして、彼らしい遊び心満載のポップショービットからスイッチスタンス。
ジャッジへの’今のは10ポイントでしょ?’の主張もパフォーマンスの一つと思わせるほどの完璧なライディングだった。

ミシェル・ボウレズとのファイナルも彼のバックハンドの勢い止まらなかった。
会心のパフォーマンスの後に必ず入った主張もギャラリーの心を掴み、このイベントのベスト2に入る9.60ともう一つの9ポイント。
ファイナルがハイエストヒートになる理想の形でシーズン2勝目。
ジュリアン・ウィルソンからトップを奪い、次のイベントではイエロージャージを着用する。

「’ジープリーダージャージ’を取り戻せて本当に嬉しいよ。ワールドタイトルを獲得するにはもっと多くの結果が必要。だから、今はこの瞬間を楽しみたい。そして、もっと優勝したい!CTには素晴らしいサーファーが揃っているけど、自信があるよ。この勢いを維持してリードを広げたい」
イタロ・フェレイラ

PHOTO: © WSL/Sloane

ブラジルでのCT第4戦『Oi Rio Pro』ではフィリッペ・トレドが圧勝。
バリ島でもブラジリアンがその流れを引継いだ。

今回のイタロの10ポイントライドにはケリーも思わずInstagramにポスト。
このライディングをライブで見たケリーはこのままツアーから去ってしまうのか?
そう思わせるほど新しい世代のサーフィンは明らかに進化し続けている。

スピード、パワー、フロー、バラエティ…。
ショービットとあらゆる要素が入っていた。
今時のレベルをどう思う?

PHOTO: © WSL/Sloane

昨今のCTはメンズとウィメンズの併催が増え、今回のクラマスも同じ舞台でサーフィンを比較することが出来た。

R4でサリー・フィッツギボンズがメイクしたバレルは10ポイントがつかなかったのが不思議なほどの深さだったし、ステファニー、カリッサ・ムーア、タイラー・ライト、そして優勝したレイキー・ピーターソンのアグレッシブなターンはスタイルとパワーを兼ね備えていた。

ステファニー・ギルモアのデビュー以降、メンズよりも進化の速度が早いウィメンズはもはや’比較’という言葉を使うことさえナンセンスだ。

 

残念ながら今イベントから復帰したコートニー・コンローグは早いラウンドで敗退したが、同じカリフォルニア出身のレイキーは開幕戦に続き、シーズン2勝目を上げてカレントリーダーの座に返り咲いた。
1997年のリサ・アンダーソン以来、実に20年以上も遠ざかっているUSAによるウィメンズのワールドタイトルの可能性に海外のメディアは敏感になり初めている。

「’ジープリーダージャージ’を再び手に入れることが出来た気分は最高ね。あのジャージを着るために私達はここにいるのよ。ベルズの結果でジャージを手放すことになったから僅かな期間ね。あれ以来ステフのものだったけど、彼女から取り戻せて嬉しいし、勢いがある感じがする。でも、みんな素晴らしいサーフィンをしているから、このジャージをキープするのは簡単ではないわ。自分自身のゲームをしたいし、追う立場のような気持ちで戦いたい。そして、全てを楽しみたいわね。フィアンセ、母親、家族に感謝したい。ここ数年は大変だったけど、今年はやっと全てが上手く繋がってきたような感じがするわ」
レイキー・ピーターソン

『Corona Highline』はセージ・エリクソンが優勝
PHOTO: © WSL/Cestari

今イベントは開幕直前にイベント名を『Corona Bali Pro』から『Corona Bali Protected』に変更。

保護という言葉を加え、WSLが近年取り組んでいる環境問題へのアプローチの一環としてバリ島が抱える海洋プラスチック汚染の問題に取り組んだ。
開催中は連日選手がインスタグラムでプラスチックゴミの多さを公開したり、WSLの慈善事業「WSL PURE」によるボランティアの模様などがライブで放送。

スペシャルヒート『Corona Highline』ではロブ・マチャドがシェイプしたリサイクル可能な素材でのシングルフィンでセージ・エリクソン、イタロ・フェレイラ、マット・ウィルキンソン、ココ・ホーの4名がパフォーマンスを披露。
スタイリッシュなターンを繰り返したセージがWSLの公式Facebookのみで配信されたライブ中継でファンによる投票数により勝利した。

なお、サメ騒動でメンズのR3、ウィメンズのQFを残して中断されたマーガレットリバーでのCT第3戦『Margaret River Pro』の続きはクラマスのイベント終了後、72時間以内にバリ島の西側「ウルワツ」で『Uluwatu CT』とイベント名を変更して開催される。

今シーズン、深刻なスランプに陥っているジョン・ジョン・フローレンスがフリーサーフィン中に怪我をして欠場か?という心配なニュースも入っている。

『Corona Bali Protected』
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ミシェル・ボウレズ(PYF)
3位 マイキー・ライト(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)
5位 グリフィン・コラピント(USA)、ウィリアン・カルドソ(BRA)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジェレミー・フローレス(FRA)

『Corona Bali Protected Women’s』
1位 レイキー・ピーターソン(USA)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 シルヴァナ・リマ(BRA)、ステファニー・ギルモア(AUS)、マリア・マニュエル(HAW)、キャロライン・マークス(USA)

WSL公式サイト

(空海)

COVER PHOTO:© WSL /Cestari

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