CT第4戦『Oi Rio Pro』はフィリッペ・トレドが圧勝!

フィリッペ・トレドほど’Passion(情熱)’という言葉が当てはまるサーファーはいないだろう。

そして、彼が優勝する時はいつでも圧勝という印象がある。
2017年の南アフリカ「J-bay」では10度目のパーフェクトヒート、合計8つの10ポイントがスコアされた歴史に残るパーフェクトなコンディションでマニューバー、バレル、エアリアルの全てで他の選手を越えていたし、2015年の開幕戦でのCT初優勝、その年のブラジルでも彼の強さは際立っていた。

「0か100」という極端な部分もあるので、まだワールドタイトルには手が届かないが、23歳という年齢を考えるとこれからが本番という見方も出来る。

そして、WSL初のリージョナル対抗のチーム戦『Founders’ Cup of Surfing』で唯一のパーフェクト10を出してようやくエンジンがかかってきた今年のフィリッペが自国ブラジルのCT第4戦『Oi Rio Pro』で2勝目、CT通算6勝目。
それも彼らしく完璧な形で成し遂げた。

驚くべきギャラリーの数
PHOTO: © WSL/Poullenot

ブラジル戦の舞台はリオデジャネイロの水質汚染、治安の件などで2017年から郊外のサクアレマに会場が移された。
南米大陸で最大の面積を占めるブラジルは日本の国土面積と比較しても約22.5倍と広大であり、東側に広がる大西洋は波の宝庫。
成功すればフィリッペのように10代でカリフォルニアに豪邸を持つことも可能なサーフィンはサッカーに次ぐ人気スポーツだ。
それはCTの時に異常なまでに盛り上がるギャラリーの数を見れば一目瞭然。
ワールドチャンピオンのガブリエル・メディナ、エイドリアーノ・デ・ソウザは国民的英雄でもある。

今年のブラジル戦『Oi Rio Pro』はケリー・スレーター、ジョエル・パーキンソンが例のごとく(彼らはブラジルが好きではないようだ)キャンセルしたため、リプレイスメントやワイルドカードを合わせると出場選手36名の内、14名と半数以上をブラジリアンが占めた。
ブラジリアンにとってはやりやすいが、他国の選手にとって完全にアウェイでの戦い、オーストラリアレッグで上位に入っていた選手の多くが早いラウンドで敗れ、深刻なスランプに陥っているジョン・ジョン・フローレンスも今シーズン最高成績ながら9位という結果に終わった。

R4でパーフェクト10!
PHOTO: © WSL/Poullenot

メンズのイベントの多くはバックアップ 会場の「Barrinha」というライトのポイントブレイクで進行。
サクアレマ湖から大西洋に繋がる河口の東側にあるこのスポットは数年前に堤防が出来てから良くなり、東側に位置するメイン会場「Itauna」が耐えられない大きなウネリが入った時に真価を発揮。
堤防によってサンドバーが形成され、ハイクオリティなバレルが姿を現す。

「Itauna」で進行したR4ではバックハンドで高く飛距離もあるフルローテーションエアーをメイクして唯一のパーフェクト10を出したフィリッペだったが、「Barrinha」でのファイナルデイはバレルでスコアを稼いだ場面が多かった。

コロヘ・アンディーノとのQF、ジュリアン・ウィルソンとのSF、ウェイド・カーマイケルとのファイナル。
ファイナルデイで戦った全てのヒートでのハイスコアはバレルライド、特にファイナルのバレルは特大、完璧に姿を消してからスピットと共にドギードアを抜けてパーフェクトに近い9.93を出した。

ブラジルのファンは世界一熱狂的
PHOTO: © WSL/Smorigo

ギャラリーによるカウントダウンで終了したファイナル、ブラジル国旗を掲げて波打ち際でジェットスキーに乗ってウィニングランという前人未到のショーを披露したフィリッペ。
ランキングを9位から2位に上げ、カレントリーダーのジュリアンとのポイント差も僅かだ。

ちなみにコンテスト開催2日前には第二子が誕生。
戦士の意味がある「コア」と名付けられた息子が彼の今回の戦いに大きな力を与えたことは言うまでもないだろう。

彼の情熱の源は「家族愛」「愛国心」
ファイナル直後のインタビューの前、父親と長いハグを交わし、ギャラリーに感謝の意を伝えると感極まってしまった。

「このブラジルの観客の前で優勝出来て感激しているよ。ホームに戻り、みんなから素晴らしいサポートを受けた。特に誕生したばかりの息子、コアが自分に与えてくれた力は凄いよ。ファイナルはラストヒート。優勝か2位にしか無い。ラストヒート、ラストチャンスなんだ。’さあ!大きなショーの時間、自分の舞台、情熱を見せるぞ!’という気持ちでベストを尽くしたが功を奏したのさ」
フィリッペ・トレド

ステファニー・ギルモア
PHOTO: © WSL/Poullenot

同時開催のウィメンズは2日前にファイナルが終了。
メイン会場の「Itauna」、アベレージサイズのビーチブレイクでR3からファイナルまで進行したマラソンデイを制したのは6xワールドチャンピオンのステファニー・ギルモア。

ベルズに続き、今シーズン2度目の優勝。
ブラジルでは初の優勝、CT通算28勝目を決めてレイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のタイトル獲得に近づいた。

「私もレイキーも1勝同士、だからこのファイナルは重要だったし、本当に勝ちたかった。欲しい物が手に入った気分は最高ね。私はコンペティションが大好きなの。凄い良いチャレンジだし、このステージでパフォーマンスすることは本当に特別よ。もう長い間やってきたけど、いつも新鮮。まだ始まったばかりのような気分なの」
ステファニー・ギルモア

ウィメンズはアベレージサイズのビーチブレイクで行われた
PHOTO: © WSL/Poullenot

2007年、19歳の時にルーキーイヤーで8戦中4勝という驚異的な成績でワールドタイトルを獲得したステファニー。
ケリーさえも成し遂げていない4年連続のタイトル獲得を始め、数々の記録を更新してきたが、2014年に6度目のタイトルを獲得した後はライバルのカリッサ・ムーア、タイラー・ライトに主役を奪われていた。
今年は一転して強いステファニーが復活、カレントリーダーの座を維持している。

「数年前から勝負に対して何か遠慮してしまう自分があった。でも、優勝したいならその心を捨てなければいけない。獲物を狙う虎のようにね。勝つためには強い気持ちが必要なのよ。コンテストに専念する自分が大好き。本当に特別。とても嬉しいわ。だって、勝ちたかったんだもの。最高よ!」
ステファニー・ギルモア

次のCT第5戦は5月27日〜6月9日。
バリ島「クラマス」を舞台とした『Corona Bali Pro』
イベント終了後には途中でキャンセルされた『Margaret River Pro』の続きがウルワツで行われる。

『Oi Rio Pro』
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 ウェイド・カーマイケル(AUS)
3位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)、エゼキエル・ラウ(HAW)
5位 コロヘ・アンディーノ(USA)、マイケル・ロドリゲス(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)

『Oi Rio Pro Women’s』
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 レイキー・ピーターソン(USA)
3位 ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、キーリー・アンドリュー(AUS)、シルヴァナ・リマ(BRA)、カリッサ・ムーア(HAW)

WSL公式サイト

(空海)

COVER PHOTO:© WSL /Poullenot

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