タヒチ、フィジーと続く秋の南太平洋レッグ。
ツアーでも特別なレフトのバレルの勝負はどちらも素晴らしいクライマックスとなった。
現地時間9月3日に迎えたファイナルデーは公式6-8ftレンジのクラウドブレイクが舞台。
今年もレストランズでのヒートはなかったが、夢のようなロングバレルと大迫力のビッグターンでまさにドリームツアーの名にふさわしく、イベント3つめのパーフェクト10も生まれていた。
前日にカレントリーダーのイタロ・フェレイラ(BRA)をR3で倒した日本のコナー・オレアリーはグリフィン・コラピント(USA)とのQFで敗退。
それでもランキングは2つ上がって14位に浮上している。
また、確実にポイントを稼いでいる五十嵐カノアは10位に浮上。
シーズンは残り5戦。
日本人選手の活躍に期待しよう!

PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

エリン・ブルックスが2連勝で8位に浮上

ファイナルだけ残されたウィメンズサイドは前日のSFで足首を負傷したイザベラ・ニコルス(AUS)が棄権したため、 エリン・ブルックス(CAN)の不戦勝となった。
フィジー戦は2024年のワイルドカードでの出場でも優勝しており、2度目の優勝。
タヒチに続いて2連勝となったエリンはシーズン前半の不調を埋め合わせ、南太平洋レッグ前の19位から一気に8位まで浮上している。
「本当に最高の気分よ!この2大会は、とにかくずっと一番楽しい時間を過ごせていた。まさか2大会連続で優勝できるなんて、自分でも信じられないわ。年の初めには絶対にあり得ないことみたいに思えていたけれど、今はもう狂いそうなほど嬉しい。それと同時に、イザベラのことは本当にショックで悔しいわ。彼女のことは姉みたいに愛しているし、本当は一緒にファイナルを戦いたかった。彼女が早く静養できることを祈っている。この2大会での彼女には本当に圧倒されたし、ものすごく大きなステップアップを果たして果敢に攻めていたから、きっと最高のファイナルになっていたと思う」

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エリンの今年のフィジー戦のハイライトはR1の10ポイントライドだろう。
エリンのSNSだけでも500万回以上のヒットがあったほどサーフィン業界では異例のエンゲージメント数を記録した。
更にタヒチ、フィジーの南太平洋レッグで連続優勝した選手はウィメンズ初となる。
メンズでは1999年にオッキーことマーク・オクルーポが達成。
オッキーは今年フィジー戦に姿を現してエリンと話していたそうだ。
「とにかくずっとすごく楽しんでいたわ。タヒチでの勝利でプレッシャーがなくなり、自分がやりたかった通りのサーフィンを表現できるようになった。この大会の最初のヒートでパーフェクト10をスコアして自分の人生で最高のヒートができた。それが大会を通じて自分と一緒に成長していったように感じている。ただずっと笑顔で楽しんだ。本当にこの場所が大好きなの。実はここに到着した後、オッキーに会って話したの。彼はタヒチでの勝利を祝福してくれて、フィジーとタヒチの両方で連続優勝する『ダイム・ア・ダブル』について私に話してくれたわ。それがずっと頭の中に残っていて、近づくにつれてすごくワクワクしてきた。遂にそれを達成できたなんて最高よ。シーズンの後半に向けては、最下位の成績がたくさんあるから、まだまだステップアップする必要があるけれど、ローワーズに行くのがすごく楽しみ。あの場所が大好きだし、友人や家族も沢山いるから、きっと最高になると思うわ」


今季最高結果ながら複雑な心境のイザベラ

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残念ながら棄権となったイザベラはタヒチでの3位、今回の2位でランキング9位に浮上。
開幕戦のベルズでの3位以降、不調が続いたシーズン前半の結果を挽回したが、重度の高位足関節捻挫と診断され、次のイベント出場も不透明になっている。
エリンとは姉妹のような関係で怪我なくファイナルを行えていれば、どちらが勝っても感動的なファイナルになったと予想される。
ファイナルデーはMC席に呼ばれ、今の複雑な心境を語っていた。
「残念だけど、ファイナルまで行けたことや、エリンの優勝を見届けられたことは、やっぱり嬉しいわ。エリンには本当におめでとうと言いたい。彼女はこの1週間ずっと一番圧倒的なサーファーだったから、一緒にファイナルを戦うのを楽しみにしていた。彼女が2大会連続で勝つのを見られて、姉妹のような立場からとても嬉しく思っている。昨日病院で精密検査とX線検査を受けたんだけど、骨折はなかったものの重度の高位足関節捻挫と診断されたの。しばらくは様子見になると思うけれど、今のところはこの足で立つのすらやっとの状態。だから、今の波のサイズの中でヒートを戦うのは難しい。特にこれからの数大会で復帰して万全な状態で戦いたい私にとっては、なおさら棄権は賢い選択だと思う。現時点ではまだ先のことがまったく読めない状況。一日一日を大切にしながら、まずは家に帰ってしっかり休むことにするわ。今年は得意な大会の多くで結果を残せなくて、かなり落ち込んでいた。フィジーやタヒチみたいな場所は、これまで一度もQFにすら進めたことがなかったから、見るのも嫌になるくらいネガティブになっていた。でも今回、時間をかけて向き合ってきた成果がこうして実を結んだのは、本当に素晴らしいことだと思うわ」
ランキングではガブリエラ・ブライヤン(HAW)とカリッサ・ムーア(HAW)がトップを入れ替わった他、7位まで変化はなし。
次のイベントではカリッサがイエロージャージを着る。

怪物ギャビーを止めたコール・ハウシュマンド

メンズサイドはQFのH3から始まり、グリフィン・コラピント(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)がSF進出。
前日に勝ち上がっていたコール・ハウシュマンド(USA)とレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)のカードはバレルとターンのコンビネーションで9.43を出したコールが圧勝して最初のファイナルの切符を手に入れた。
グリフィンとガブリエルのSFH2はガブリエルのワンサイドゲームとなり、9.77と9.27。トータル19.04で7ポイント止まりだったグリフィンを圧倒していた。

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勢いのあるグーフィーフッター同士のファイナルはスロースタート。
後半にコールがバレルの後に大きなカービングで8.50をスコア。8.37のバックアップを出してトータル16.87でガブリエルをコンビネーションに追い込んでいた。
但し、SFで19.04を出していることでも分かる通り、ガブリエルにとって逆転は簡単なスコアでもある。それを証明するようにファイナルで一番のセットを掴み、完全に姿を消すほどの深いバレルをメイクして10ポイントを出した。
プライオリティを得たコールは最後の5分をブロックに徹し、ガブリエルの逆転を見事に阻止した。
「言葉が出ないよ。これ以上に素晴らしいシナリオなんて描けなかったと思う。ファイナルでギャビーと戦って熱いバトルができたし、彼が10ポイントを出した。彼は親友であり、人生を通じてずっと憧れの存在なんだ。だからもう、胸がいっぱいで言葉にならないよ。今年は本当に怒涛の1年だった。どの大会でも最初のラウンドで負けてばかりで、自分自身のすべてに疑問を感じていたし、クオリファイできるかどうかも分からなかった。でも、最終的には全部うまく行ったよ。ただ前を向いて、自分の計画を愚直に信じてやり抜いただけさ」


ルーキーイヤーから成績に波があるコールだが、今年はニュージーランド戦を除く全てのイベントで彼にとって最初のラウンドになるR2敗退と最悪のシーズンを送っていた。
このままだと来年のツアー残留も難しい状況の中、今回の優勝で急上昇。27位から17位までランキングを上げている。
「時として、本当に自分の思い通りにはいかないものだね。最初のラウンドで何度も負けを重ねたことや、今回の結果に繋がったことには、何か意味があったのかもしれない。本当に素晴らしい体験だったし、長くてタフな1年だったけれど、これ以外の結末なんて想像できないよ。ファイナルに進めた時点で僕にとってはすでに勝利だったし、ここまで勝ち上がってギャビーと一緒に戦えたことは最高だった。フィジーのすべての人々に感謝したい。ここは良いバイブスとポジティブなエネルギーに満ちあふれていて、好きにならずにはいられない特別な場所だよ」
2024年のベルズ、2025年のブラジル。
そして今回のフィジーとCT通算3勝目を決めたコール。
次の舞台は地元のローワー・トラッセルズ。
多くの応援団の前で負けられない試合でもある。

じわじわとトップに近づくギャビー

今シーズンはワイルドカードで出場。
背番号を1に変え、エイドリアーノ・デ・スーザをコーチに迎えて心機一転4度目のワールドタイトルを狙っているギャビー。
これまで3度のファイナル進出、2度のパーフェクト10、2度の優勝経験があるフィジーで4度目のファイナル進出。
3度目のパーフェクト10も達成。
今シーズン2度目の2位でランキングも一つ上げて4位に浮上している。




「ファイナルであの波から抜け出せた瞬間は、もう最高の気分だったよ。ずっとあの波を待っていたから、10ポイントを獲れて本当に嬉しい。コールと一緒に戦えたのも最高の気分だよ。彼は良い友人だし、最近すごく良いサーフィンをしていて、普段から一緒に沢山サーフィンをしているんだ。だからファイナルの前からすでに何度も一緒にヒートをこなしているみたいな感覚で、お互いを高め合えたからすごく良かったよ。とにかくここにいられるだけで最高だし、コールのことも本当に嬉しく思う。今日は本当に素晴らしい一日だった。この大会には本当にすごい選手たちが揃っていたし、波がすごく大きくて誰もが最高のサーフィンをしている時はいつだって勝つのが難しい。ただ自分自身に集中して、この機会を与えてくれた神に感謝したよ。この大会にはすでにたくさんの良い思い出があるんだ。ツアーに参加したばかりの頃、ここでケリーと初めての決勝を戦ったし、今回もまた素晴らしい瞬間になったから何の文句もないよ。ここでの2週間は本当に最高だった」
次の第9戦はロス五輪の舞台でもあるカリフォルニアのローワー・トラッセルズ。
9月11日〜20日に『Lexus Trestles Pro』が開催される。

『Fiji Pro』結果

1位 コール・ハウシュマンド(USA)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、グリフィン・コラピント(USA)
5位 ヤゴ・ドラ(BRA)、カラム・ロブソン(AUS)、コナー・オレアリー(JPN)、カウリ・ヴァースト(FRA)
ウィメンズ
1位 エリン・ブルックス(CAN)
2位 イザベラ・ニコルス(AUS)
3位 カリッサ・ムーア(HAW)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)
5位 ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、ヨランダ・ホプキンス(POR)、レイキー・ピーターソン(USA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
2026 Fiji Pro Presented by Corona Cero Women’s Final Results:
1 – Erin Brooks (CAN)
2 – Isabella Nichols (AUS) INJ
2026 Fiji Pro Presented by Corona Cero Men’s Final Results:
1 – Cole Houshmand (USA) 16.87
2 – Gabriel Medina (BRA) 15.17
2026 Fiji Pro Presented by Corona Cero Men’s Semifinal Results:
HEAT 1: Cole Houshmand (USA) 17.10 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 11.33
HEAT 2: Gabriel Medina (BRA) 19.04 DEF. Griffin Colapinto (USA) 14.57
2026 Fiji Pro Presented by Corona Cero Men’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Cole Houshmand (USA) 16.13 DEF. Yago Dora (BRA) 13.27
HEAT 2: Leonardo Fioravanti (ITA) 14.33 DEF. Callum Robson (AUS) 10.43
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) 13.00 DEF. Connor O’Leary (JPN) 10.50
HEAT 4: Gabriel Medina (BRA) 15.66 DEF. Kauli Vaast (FRA) 7.33
(黒本人志)
























