(全身全霊を懸けてギャビーを倒したケリー) PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

グリフィンが10ポイントを出し、ケリーがガブリエルに圧勝!CT第7戦『Outerknown Tahiti Pro』3日目

パリ五輪の会場でもあるタヒチ・チョープーを舞台としたCT第7戦『Outerknown Tahiti Pro』はウェイティングピリオド初日から3日連続で進行。
現地時間8月10日にメンズR2の残りヒートが全て終了した。

公式8-10ftレンジのチョープーはトレードウィンドが強く、1日の中にオンとオフがあった。

残念ながら日本の五十嵐カノアはオフのヒートに重なり、実力を発揮できずに今シーズン2回目の17位。
ライブランキングも9位から10位に下がっている。

一方、オンになったヒートはハイスコア続出。
グリフィン・コラピント(USA)がパーフェクト10を出し、ケリー・スレーター(USA)が9ポイントを2本出してガブリエル・メディナ(BRA)を完璧に抑えるなど、終わってみれば2026年CTのここまでのベスト10スコアの内、4つを更新する素晴らしい1日になった。

(五十嵐カノア)
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PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
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(亡きアンディの妻、リンディ)
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全身全霊を懸けてギャビーを倒したケリー

(ケリー・スレーター)
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54歳のワイルドカードに優勝のチャンスはあるのか?

タヒチで5度の最多優勝記録を持つケリーは初日の9ポイントライドを見ても今イベントに全身全霊を懸けて挑んでいることが明白である。

ケリーがギャビーとタヒチで戦うのは2014年のファイナル以来、2度目。
その時はギャビーが僅差で優勝していた。

誰よりも負けん気が強いケリーに訪れたあの時のリベンジのチャンス。
サーフボードを真っ二つに折るほどのヘビーなワイプアウトの後、二つの9ポイントライドを披露してギャビーをコンビネーションに追い込んだ。
ケリーはトータル19.06と最後にタヒチで優勝した2016年以来のスコアを揃えて見事にリベンジを果たした。

「絶対に落ち着かなければならなかった。このヒートに臨むにあたって、彼は競技者としてあまりにも抜け目が無いと分かっていた。もう少し奥に向かおうとも思っていたよ。呼吸法を実践し、落ち着きを取り戻し、心拍数を下げ始めた。心のどこかでは彼が巻き返してくると考えていたし、心のどこかでは、もしそうなればヒートが実に素晴らしいストーリーになるからものすごくクールだろうとも考えていた。しかし、ラインナップで再び落ち着き、『彼をコンビネーションシチュエーションに追い込むことを考えよう。ただ頭脳的なヒートをサーフするのとは対照的に、ここにあるものを最大限に活かそう』と考えた。ガブが最近多くのことを経験してきたのは誰もが知っている、浮き沈みをね。私たちは良い友人となり、彼のサーフィンとキャリアを本当に高く評価している。はるばるここまでやって来て、タイトル争いに加わっていない相手に負けるのは辛いものだとも思う。私は今やその反対側にいるから、あらゆる感情や、移動の厳しさ、家族から離れていることを感じ取る。敗北を喫すると、最悪だ。非常に感情的なヒートだった。ヒートの後、泣き出しそうになったよ」

(ヘビーなワイプアウトでボードを折ったケリー)
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PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
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(ケリーとリンディ)
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ケリーは2022年のパイプラインで最後の優勝を決めた後、タヒチ戦での3位の他は怪我の影響もあり、強いキングの光を失っていた。
2024年にミッドシーズンカットでCTを脱落した後、タヒチ、フィジー、パイプラインでワイルドカードを手にしていくつかのハイライトを見せたが、優勝を狙えるものではなかった。

しかし、今年のタヒチ戦では、多くの人が『もしかしたら、もう一度優勝できるのではないか』と期待するほど、あの頃のキングの輝きを取り戻している。

「当然のことながら、コメントを目にする。多くの人々が私を疑っていたり、地元の選手にワイルドカードを与えるべきだったと言っていたりするけど、なぜ人々がそう言うのかは分かる。プレッシャーがなければ、ダイヤモンドは手に入らない。それが私に火をつけたし、これほどの時間が経過した後であっても、そうだ、私には証明すべきことがある。私は海に出て、それが正しい男に渡ったのだと示さなければならない。このコンテストで優勝できると強く思うよ」

次のR3は、この日主役級の活躍をしたディフェンディングチャンピオンのロボことジャック・ロビンソン(AUS)とのカードになる。

(ガブリエル・メディナ)
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
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形勢逆転でゲームを制したロボ

(ジャック・ロビンソン)
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R3でケリーと戦うロボは、カラム・ロブソン(AUS)に対して形勢逆転。

序盤に9.57を出してゲームを優勢にしたカラムだったが、ロボはそれを上回る9.70をスコアして逆転に成功。
更にセットの争奪戦でプライオリティを失ったカラムの目の前で波を奪い、8.50のバックアップスコアを重ねた。
このプライオリティの件で戸惑っていたカラムは最後のチャンスも7.83とスコアを伸ばせず、ロボがトータル18.20でヒートを制した。

「アウトに出る前に陸の上でも戦っていた。何日かベッドでただ待ち続けていて、運良く休息日があった。カラムはここの波が上手く、最初の良い波を掴んでから自信も取り戻したように感じた。恐怖はなかった。『よし、行くぞ』という感じで、物事を軌道に乗せたのさ。戦術的なヒートでもあったけど、あのような状況下でも仕事をやり遂げたよ。子供の頃からここに来ており、多くの友人や親しい人々がいる。本当に特別な場所さ。あの波には常に敬意を払わなければならない。彼女がボスなのだから」

(プライオリティが移ったのを分からずに乗ってしまったカラム)
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(カラム・ロブソン)
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キャリア最高のスコアを出したグリフィン

(今年2度目の10ポイントを出したグリフィン)
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毎年、タヒチ戦はまるで魔法がかかったような瞬間が訪れる。
それはグリフィンの言葉を借りれば、「生と死の境界線でサーフィンする場所」だからだろう。

ケリー、ジャックが素晴らしい勝利を重ねた後に登場したグリフィンは和井田理央とのカードでパーフェクト10をスコア。
2本目のライディングで深い位置にプルインした後、フォームボールの上を乗り越えて横向きにスライドしながらスピットと共にチャンネルに飛び出したのだ。

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

更にアンダープラオリティでもう一つのモンスターウェーブを手に入れ、9.60。トータル19.60は8年のキャリアで最も高いスコアとなる。
パーフェクト10はニュージーランド戦以来、今年2度目。キャリア4度目。
ランキング12位と低迷している今シーズンの転換点になるようなヒートだった。

「魔法のように感じるよ。この場所には多くのスピリチュアルなエネルギーがあって、そこに同調して、遊びながら、ここで何が可能かを想像するのが本当に楽しいんだ。ここに通い始めるようになってからずっとそれをやっている。生と死の境界線でプレイしているんだ、ただただ恐ろしい瞬間でね。そんな狂気に満ちたネガティブな思考や最悪のシナリオが浮かんでくるけれど、それを押し切って自分の能力を信じなければならない。ここでそれができてパーフェクト10をスコアできて、最高に嬉しいよ。さっきケリーが自分のやり方をやっているのを見て、彼の姿を見るのが本当に楽しかった。今日は信じられないような一日だったよ」

レオのイエロージャージは僅か1ヒート

(初めてイエロージャージを着たレオナルド・フィオラヴァンティ)
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エルサルバドルで優勝して、ブラジルで2位に入り、初のイエロージャージを着てタヒチ戦に挑んだレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)だったが、親友のラムジ・ブキアム(MAR)と接戦の末に敗退。
僅か1ヒートでイエロージャージを脱ぐことになった。

勝負を決めたラムジの8.17はレイトドロップからフォームボールを抜け、スピットアウトしたこの日前半のハイライトとも言える見事なバレルだった。

(レオを倒したラムジ)
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

「8ポイントの波は、ここで私がパドルして入った最大級の波の一つだね。かなり大きく感じたよ。ディープではなかったけど、ただ良いライディングだった。ボトムに降りてから、手を使ってストールしたんだ。あれほど大きくて掘れた波に乗るのは簡単ではなかったさ。フォームボールを抜け、ワイプアウトしないようにフェイスに張り付いていた。忙しいライディングだったね。親友と一緒で最高だった。自分はいつだって彼の一番のサポーターさ。彼は『ブラザー、お前のことをめちゃくちゃ誇りに思うよ、マジでヤバかったし、本当に嬉しい。この調子で頑張れよ』と言ってくれたんだ。それが親友の愛さ。誰もが勝ちたがっているけど、間違いなくこういう波が大好きなんだ。怖いけどね。ここのエネルギーが大好き。この場所にいられて、ただ最高に嬉しいよ。二人だけでこのバレルがある海に入っているんだ。ほかに何を望むって言うんだ?」

ライブランキングではこの日勝ったイタロがトップに立ち、レオは2位に転落。
ラムジは33位から31位に上がっている。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
(ジョアオ・チアンカ)
PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
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その他、3日前にウニを踏んで病院送りになったジョアオ・チアンカ(BRA)が9.50を出してモーガン・シビリック(AUS)を倒した。
リアム・オブライエン(AUS)、イーサン・ユーイング(AUS)、ジョージ・ピター(AUS)、ミゲル・プーポ(BRA)も次に繋げている。

ネクストコールは現地時間8月11日の朝7時(日本時間8月12日午前2時)で、35分後にスタート予定。
4日間予報では、11日がサイドオフ 、12日、13日はオフショアに変わる予想。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Outerknown Tahiti Pro Presented by I-SEA Men’s Round Two Results [Heats 6 – 16]:
HEAT 6: Italo Ferreira (BRA) 9.17 DEF. Luke Thompson (RSA) 1.87
HEAT 7: Liam O’Brien (AUS) 9.33 DEF. Jake Marshall (USA) 7.83
HEAT 8: Ethan Ewing (AUS) 14.17 DEF. Joel Vaughan (AUS) 12.33
HEAT 9: Ramzi Boukhiam (MAR) 15.67 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 13.50
HEAT 10: Joao Chianca (BRA) 17.83 DEF. Morgan Cibilic (AUS) 15.90
HEAT 11: Alejo Muniz (BRA) 7.07 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 4.00
HEAT 12: George Pittar (AUS) 14.16 DEF. Cole Houshmand (USA) 7.50
HEAT 13: Kelly Slater (USA) 19.06 DEF. Gabriel Medina (BRA) 16.10
HEAT 14: Jack Robinson (AUS) 18.20 DEF. Callum Robson (AUS) 17.40
HEAT 15: Griffin Colapinto (USA) 19.60 DEF. Rio Waida (INA) 8.50
HEAT 16: Miguel Pupo (BRA) 13.50 DEF. Mateus Herdy (BRA) 1.94

Outerknown Tahiti Pro Presented by I-SEA Men’s Round Three Matchups:
HEAT 1: Kauli Vaast (FRA) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 2: Seth Moniz (HAW) vs. Barron Mamiya (HAW)
HEAT 3: Connor O’Leary (JPN) vs. Italo Ferreira (BRA)
HEAT 4: Liam O’Brien (AUS) vs. Ethan Ewing (AUS)
HEAT 5: Ramzi Boukhiam (MAR) vs. Joao Chianca (BRA)
HEAT 6: Alejo Muniz (BRA) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 7: Kelly Slater (USA) vs. Jack Robinson (AUS)
HEAT 8: Griffin Colapinto (USA) vs. Miguel Pupo (BRA)

Outerknown Tahiti Pro Presented by I-SEA Women’s Round One Matchups:
HEAT 1: Sally Fitzgibbons (AUS) vs. Anat Lelior (ISR)
HEAT 2: Tya Zebrowski (FRA) vs. Erin Brooks (CAN)
HEAT 3: Isabella Nichols (AUS) vs. Vahine Fierro (FRA)
HEAT 4: Stephanie Gilmore (AUS) vs. Yolanda Hopkins (POR)
HEAT 5: Alyssa Spencer (USA) vs. Bella Kenworthy (USA)
HEAT 6: Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 7: Nadia Erostarbe (ESP) vs. Francisca Veselko (POR)
HEAT 8: Tyler Wright (AUS) vs. Kelia Gallina (PYF)

(黒本人志)

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