Photo: Olaf Pignataro / Red Bull Content Pool

サーフシーンに変革をもたらしたウェーブプール。2015年オープンの「スノードニア」が閉業

世界初のモダンウェイブプールとして、2015年にイギリスのウェールズにて産声を上げることになった「サーフ・スノードニア(後にアドベンチャーパークスノードニアに改名)」。

目玉アトラクションとなったのが本格的な人工波を発生可能と言う、造波装置のリーディンメーカーであるウェイブガーデン社の造波装置を利用したウェイブプールでした。

ウェイブガーデン社と言うと現在、同社の造波装置を使っているプールは全て「The Cove」搭載プールとなっていますが、スノードニアの場合は旧モデルの造波装置でした。

スノードニア以外では、アメリカのテキサス州に以前Nランドというウェイブプールがあり、そこも旧モデルを使っていましたがすでに閉業しています。

つまり、スノードニアは世界を見渡しても唯一の旧モデルを使っていたプールでしたが、今月頭に急遽、閉業する事を発表しました。

その発表が以下となります。

9月4日をもって閉業する旨の内容となっていて、旧モデル搭載プールなので時代遅れになってきたからと思いきや、実際の理由は異なります。

上記投稿に記されている内容によると、造波装置の度重なる故障が大きな要因だったとか。

利用者が予定通りに利用できなかったり、従業員のシフトに影響を与えたり、ビジネスとして機会損失が生じたりし、金銭面のみならず信頼も失ったと言及。

ストレートに言ってしまえば、ウェイブガーデン社の造波装置の不具合が問題だったと公言した形となります。

すると今度は、ウェイブガーデン社が口を開くのですが大々的ではなく、フェイスブックでのみアンサーバックを投稿しました。

ウェイブガーデン社の声明の搔い摘んだ内容は以下となります。

どんな機械も点検やメンテナンスは欠かせないので、継続的な保守サービスの提供を提案しています。

なのですが、スノードニアの運営者は独自で保守サービスを行うという選択肢を選びました。

我々が保守サービスを手掛けるウェイブプールの稼働率は常に99%を超えていて、ピークシーズンには1日18時間稼働する場所もあるほどです。

ウェイブガーデン社としては真っ向から反論するという形になっているので、綺麗に終われなかったのは少し悔やまれる点ではあります。

ただ、スノードニアのサーフシーンにおける功績は大きく、特に顕著だったのはコンテストシーンでのウェイブプール活用と言う点。

レッドブルによるエアショーに始まり、イギリスの国内ツアーイベントなどが開催されたりと新たな可能性を広げた存在であったと言えるでしょう。

(World Surf Movies)

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