オリンピックで金メダルが決まったカリッサ・ムーアとグレッグ・クルーズ氏 Photo: THE SURF NEWS / Yasuma Miura

USA SurfingのCEO グレッグ・クルーズ氏が退任、後任はローリー氏

2022年1月、アメリカのナショナルチームを統括する「USA Surfing」のグレッグ・クルーズCEOが退任することが発表された。後任として、サーフィンとアクションスポーツ業界のパイオニアであるブランドン・ローリー氏が暫定CEOを務める。

アメリカ国内のオリンピックムーブメントを支えたグレッグ氏

クルーズ氏は、サーフィンを初のオリンピックに導いた功労者の一人。国際サーフィン連盟(ISA)と緊密に連携しながら、Surfing AmericaをUSA Surfingに再編成し、2017年に米国オリンピック委員会から、米国内のサーフィン統括組織として認定された。五輪におけるカリッサ・ムーアの金メダルをはじめ、世界選手権などで数々のメダルを導いた。

クルーズ氏は、東京オリンピックに向けて、静岡県・牧之原市とのホストタウン提携や、事前合宿の実現にも尽力。牧之原市の担当者はグレッグ氏の退任にあたり「ホストタウンに決定する前から、何度も牧之原市を訪れてくれました。2019年の宮崎での世界戦の帰りにも立ち寄ってくれました。グレッグさん無しでは事前合宿の実現も、成功もなかったのでは。本当にお世話になりました。」とTHE SURF NEWSにコメントを寄せた。同市は、USA Surfingが新体制となった後も、引き続き交流を図る予定としている。

東京五輪事前キャンプの覚書を締結した直後の様子(2019年11月 右:杉本牧之原市長、中央:USAサーフィンCEO グレッグ・クルーズ氏、左:福井下田市長 当時)Photo: 牧之原市提供

また、アメリカの若手選手の登竜門的存在で、多数のCT選手を輩出する全米大会「Toyota USA Surfing Prime Series」の創始者でもあるクルーズ氏。五十嵐カノアもジュニア時代はこの大会で経験を積んだ。

東京オリンピックで握手を交わすUSA SurfingのグレッグCEOと五十嵐カノア Photo: THE SURF NEWS / Kenji Iida

後任はブランドン・ローリー氏

後任として暫定CEOを務めるローリー氏は、自身がプロサッカー選手だった経験を通じて、アクションスポーツ業界にもサッカーレベルの観客や選手への機会をもたらしたい、と世界中で数々のスタートアップや財団、プログラム開発を支援してきた人物。

USA Surfingはオリンピック非開催年は米国オリンピック&パラリンピック委員会(USOPC)からも切り離されることとなるが、2024年以降も見据えた人材育成に投資し、オリンピック有望選手のパイプライン拡大を行っていく。

USA Surfing Brandon Lowery
Photo: USA Surfing

アメリカには世界でも有数の強力な若手サーファーの才能がいるが、多くのサーファーやWSLのCTをスポンサーできるような大きなサーフブランド以外にその才能を支援する体系的な手段がない。そのため、ローリー氏は、若いアマチュア選手とWSLのQSやCSとの間のギャップを埋めることにも注力していくという。

スポーツの発展におけるこのエキサイティングな時期に、USA Surfingを率いることになって光栄です。サーフィンは飛躍的に成長・多様化しており、ユース世代の進歩は驚くべきものがあります。若いアスリートたちは、クレイジーなエアリアルやマニューバーを繰り出し、見ていてとても楽しいです。私たちは、これらの若い天才たちをもっとサポートして、輝き、成長する機会を与える必要があります。

ブランドン・ローリー

今後は、退任するCEOのグレッグ・クルースとも協力して、アメリカ初のオリンピック選手であるコロヘ・アンディーノやキャロライン・マークスなど多くのWSLプロサーファーを輩出した『トヨタUSAサーフィン・プライムシリーズ』や、過去最高の成績を収めた『ISA 世界パラサーフィン選手権』を継続・強化していく。

サーフィン初のオリンピック金メダルを獲得してビーチでカリッサを担ぎ、ISA世界パラサーフィン選手権での金メダルで1年を締めくくった今、交代するには最高のタイミングです。プライムシリーズから始まり、現在最高レベルで戦っている選手達をサポートすることは、個人的にも仕事としてもこの上ない喜びでした。ブランドン・ローリーなら若者の競技サーフィンを上手くやってくれるでしょう。彼は、次世代の育成を支援するために必要な投資家やスポンサーを引きつけることができる、人脈の広い実行者です。

前CEO グレッグ・クルーズ
USA Surfing Brandon Lowery

ローリー氏は、東京オリンピックに向けてBSRサーフリゾートで3日間行われたトレーニングキャンプにて、五輪選手やコーチに対し、世界最大のスポーツの舞台がどのような場所なのか、この独特の会場にどう備えるかを伝える役割を担っていた。五輪本番でもリハビリやリカバリーツール提供などを担当した。

ブランドンがこれからプライムシリーズを率いることになりとても嬉しく思います。ブランドンは、BSRで行われたオリンピック・トレーニングキャンプのためにあらゆる手段を講じ、すべてのアスリートやスタッフが最高の状態であるように熱心に取り組みました。驚くほど健康的な食事と水分補給ができ、リカバリールームは大好評でした。彼のコネクションによってサーファーはさらに良いリソースを得ることができるでしょう。

オリンピックコーチ ブレット・シンプソン

なお、企業スポンサーや寄付者の間でサーフィンをサポートする機運が高まっており、近々複数の新しいパートナーシップが発表されるとのこと。

(THE SURF NEWS編集部)

詳細:https://www.usasurfing.org/usa-surfing-news/usa-surfing-statement-on-the-organizations-leadership-change-and-path-forward

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