サーフィンはプレーニングでうまくなる。パート4番外編

シリーズ「おいらはサーファーの味方」No. 51

オフザリップでスプレーを飛ばし、エアーで高く舞い上がるコツ

≫サーフィンはプレーニングでうまくなる!パート1
≫サーフィンはプレーニングでうまくなる!パート2
≫サーフィンはプレーニングでうまくなる!パート3


さて3つのパートに分けてプレーニングとサーフィンの関係を解説してきた。そこまでのおさらいをすると、サーフィンはスキップのように海面を滑走し、それをプレーニングという。プレーニングはテイクオフにも関係してくる。さらにプレーニング中は海面がバネのように弾み、速度によってその硬さは変化する。サーフボードのフレックス(バネ)と、プレーニングのバネの2つを調和させてリズミカルにサーフすることがサーフィンには求められる。

プレーニングから得たスピードを第3のバネで爆発させる

第3のバネ『ジャンプ台』を生かせ

さて、じつはサーフィンにはもう1つバネが存在する。その第3のバネは『波のリップ』だ。飛び出す波のリップがバネとなり、オフザリップやエアリアルをアグレッシブにブーストさせるからだ。つまり第3のバネは使い方によってはジャンプ台のようにもなる。

プレーニングで加速させ、第3のバネをジャンプ台にして飛び上がる  wsl.com

オフザリップやエアリアルが不発に終わるのはこの第3のバネを有効に使っていないからだ。例えば、オフザリップをしようとする。君がボトムターンからリップめがけて、サーフボードを当て込んでも、波に取り残されてしまったことはないだろうか。その原因はタイムラグだ。つまり第3のバネであるリップとボードを当てるときのタイミングにズレが生じているからだ。

この問題を解決する1つの方法としては、波のリップではなく、フェイスの中間にサーフボードを当て込むのが良い。ボトムターンからオフザリップをするときに、リップではなくその下のフェイスにサーフボードを当てて鋭くスナップする。それによってタイムラグが緩和され、じっさいには波のリップへとボードがタイミングよくヒットし、さらにバネによってパンチーなスナップとなり大きなスプレーが飛ぶ。(波のリップよりもフェイスでスナップした方がスプレーで飛ぶ水の量は多い)

フェイスの中間を目標にするとタイムラグによりドンピシャのオフザリップとなる

まとめ

波のリップにはバネが潜んでいる。オフザリップやエアリアルなどを成功させるにはこのバネとリズムを合わせるのがマストだ。しかしリップへサーフボードを当て込むときにはタイムラグが生じるために、タイミングにズレが生じてしまう。フェイスの中間でスナップすれば、タイムラグを調整できリップのバネを有効に使うことができる。

(第3のバネはプレーニングとはテーマが外れるために番外編としました)


プレーニングのトリビア

さて、プレーニングについて理解は深まっただろうか?流体力学的には、サーフボードはプレーニングする船である。しかし船には、プレーニングする船としない船があるのでその2つをトリビアとして紹介しよう。

プレーニングする船

サーフボードのようにプレーニングする船はハイドロプレーニングハルと呼ばれる。代表的なのが競艇のボートだ。そのターンを観察するとサーフィンのラウンドハウスカットバックのようにカービングしているのがよく分かる。その船底もフィンが装着されて、サーフボードと共通したデザインが多い。

まるでサーフィンのカットバックのようにターンする競艇のボート。プレーニング特性に合わせてエッジやフィンも装着されている。

プレーニングしない船

タンカーのような大型船や手漕ぎボートは、プレーニングせずに水を左右にかき分けて進む。これをディスプレースメントハルと呼び、水の抵抗を減らすように船体が丸く設計されている。クラシックなロングボードやハルと呼ばれるサーフボードは、このようなボトム構造をしているが、加速するとプレーニング状態にはなるからセミディスプレースメントハルと考えて良いだろう。

手漕ぎボートはプレーニングではなく水面下を効率良く進むように設計されている
大型船もプレーニングせずに水を効率良く押し分けて進むように設計されている。このようなハル(船体構造)はディスプレースメントハルと呼ばれサーフボードデザインで再注目されている

(李リョウ)

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