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ハワイの海岸にも大量のプラスチックごみ。カイ・レニー流ビーチクリーンとは?

使い捨てプラスチックの急激な普及に回収やリサイクルの技術が追い付かず、大量のプラスチックごみが海に流れ込んでいて、2050年までにその重量は魚の総重量を超えると予測されている。サーフィンと観光のメッカ、バリ島で以前話題になった海洋プラスチック汚染だが、ハワイの手つかずの海岸にもプラスチックごみが大量に流れ着いている。

常にビッグなアクションを起こすことで知られているハワイのウォータマン、カイ・レニーが大規模なビーチクリーンを企画した。楽しみながら、SUPやフォイルボード、ヘリまで使って大がかりな活動を展開するカイ。回収したごみはキロではなく、トンで測るとか…

▲マウイ島、カハクロア。こんな楽園でも上陸するとゴミだらけ。これでも氷山の一角。まさにゴミのパンデミックだ!

ジョーズの巨大波でバックフリップやナザレでフォイル、そしてスノーボードを使って波乗りをするカイは常識破りのウォーターマン。ここ数年ゴミ問題に取り組み、今年はハワイ史上最大のビーチクリーンを実施した。

多様な乗り物を使ってダウンウインドでハワイ島からマウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島を経由してカウアイ島へと渡り、上陸した海岸で地元のコミュニティー総勢300人を巻き込んでビーチクリーンを実施。ハワイ州全体を対象とした企画の様子はRedbullで公開され、多い時には1回で3トンものゴミを拾ったそうだ。 

2019年にもマウイ島のジョーズ周辺の海岸でビーチクリーンを実施。アクセスが困難な場所で大袋35個分、重量にして実に3.6トンのごみをヘリで搬出。やはりこの男のやることは規模が違う。

遊びながら、笑いながらの活動だが、その裏にある深刻な問題に対し、カイは真剣に向き合っているのだ。

「1日中ゴミを拾うことができるけれど、ごみの流れを止めて、根本的な解決策を探さなくてはいけない。そもそも使わないようにすれば、海に流れることはない。再利用できる水筒を持ち歩いたり、シングルユースのプラスチックを断ったり、簡単なところから始めればいいんだ」 ーカイ・レニー

海に浮かぶ海洋プラスチックを大きさ別にみると、1~4.75ミリのマイクロプラスチックが多いところで1平方キロ当たり100万個を超える海域も

カイは海洋プラスチック問題を研究する団体5Gyresと協力して、海面に浮かぶプラスチックも回収した。5Gyresが今まで企画した680回の調査で1平方キロメートルあたり890,000個以上のプラスチックが回収されることも。それでも海面に浮いているのは全体量の1%に過ぎず、海に流れるプラスチックの9割以上が海底に沈んでいるという。

日本は国民一人当たりのプラスチック容器包装廃棄量が世界第2位。年間で平均300~400のレジ袋と180本のPETボトルが使われているそうだ。東京湾で調査したカタクチイワシの8割にプラスチックが混入していたなど、プラスチックごみは世界規模でありながら身近な問題でもある。

2022年リリース予定のドキュメンタリー映画『Plastic Love』が日本のプラスチック事情を明らかにし、日本発祥の解決策を探る。興味がある人はぜひのぞいてみては。

ケン・ロウズ

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