The surfers journal Japanese edition 11-3

雑誌『SURFER』の創始者はニクソン大統領のご近所さん(TSJJ11.3号の読みどころ)

9月25日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版11.3号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。

『砂浜に革靴』

ニクソン大統領って知ってる?ちなみにあの時計ブランドとは関係ない。今号の記事『砂浜に革靴』にはアメリカの元大統領リチャード・ニクソンが登場する。あらすじは、米サーファー誌のファウンダー、ジョン・シバーソンの家のとなりにあった豪邸を、その大統領が購入して住みはじめたという、まるでコメディ映画みたいな話。だって、豪邸のお隣さんがサーフィンの本を作りながらプカプカしてたなんて…ねえ。

この記事のキーポイントは、そのニクソンという人物を読者が知っているかどうかに掛かっている。ウィキペディアで調べてざっくり説明すると、あのケネディに大統領選で敗れ(その後にリベンジして当選)共和党だったこともあり、リベラル派の米国民からはかなり敵視された。

とにもかくにも、ニクソン元大統領を超有名にしたのは、ウォーターゲート事件という民主党の本部を盗聴した事件だ。彼が関わっていたかどうかは謎だが、アメリカの歴史上で初めて辞任した大統領として、世界中の人々の脳裏に焼き付いている。

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The surfers journal Japanese edition 11-3

そのために、この元大統領には悪役的なイメージがつきまとう。この記事でも筆者のドリュー・カンピオンは、辛辣にニクソンを書いている。さらに、当時ジョン・シバーソンがスキャンダルを激写しようと、サーフィン用の超望遠レンズで、そのニクソン邸を覗き見していたなんて逸話も登場する。この記事の題名『砂浜に革靴』というのも「ビーチを革靴で歩くマヌケ」という意味が込められているわけだ。たしかに素足が好きなサーファーからして見れば、ニクソンって全くイケてない奴。

豪邸に住むそのスクウェアーな連中と、ドリューやジョンのようなヒップなライフスタイルとのコントラストがこの記事の魅力でもある。またドリューによってサーファー誌の編集方針がよりスピリチュアリティな方向へと進んでいったことや、ジョンがサーフィンを忘れてゴルフに興じていたこともやんわりとこの記事で暴露している。

さて、話題は逸れるけれど、やはりアメリカの多くの人々はニクソン大統領について良いイメージを持っていないかもしれないな、と私は思う。それは『ニクソン=ウォーターゲート』というイメージが強いからだろう。

しかしこの文章を書くためにリチャード・ニクソンという人物をウィキったことで、180度、彼に対する認識を、私は新たにすることになった。彼は米国史上最も有能な大統領の1人であったと断言したくなるほどだ。ジョンFケネディによって始められたとも言えるベトナム戦争を休戦させてから完全撤退。中国との国交正常化そしてニクソンショックと呼ばれた大胆な景気対策と、彼が行なった功績がその後のアメリカにとってどれほど価値があったか、それは政治にはうとい私でさえ理解できるほどだ。ちなみにリチャード・ニクソンはカリフォルニアの貧しい家庭に育ち、苦労して弁護士資格を得て、大統領へと昇りつめたアメリカンドリーマーでもある。

『サウンディング:それぞれの意見』

The surfers journal Japanese edition 11-3

ジャーナルらしい記事といえば『サウンディング:それぞれの意見』。サーファーならばサーフボードに興味があるはず。だから今号を手にした読者は、まず最初に読み始める記事かもしれない。この記事の翻訳を長年担当させてもらっているが、この記事は訳していて楽しい。(楽しく無い記事もあるのかって?私の英語力が足りないために、難解で骨の折れる文章があることは事実)

今回のサウンディングのテーマはサーフボードテンプレート。テンプレートとはいわばサーフボードのアウトラインを決める雲形定規と思っていい。コンピューター制御のシェープマシン隆盛の現代、テンプレートは時代遅れのように感じるが、いえいえまだまだテンプレートは重要ですよというお話。その使い方やサーフボードビルディングの今が書かれています。レニー・イエーターが珍しく登場しております。

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『幸運は勇者のもとに訪れる』

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これも面白い。G-ランドの開拓記の抜粋です。ジャワのジャングルにあるインドネシアの至宝、世界に名だたるレフト、ジェリー・ロペスを魅了したバレル。マニアックなサーファーならば、Gーランドがどのような経緯で開拓されてきたか、あるていどは知ってると思うけど、その常識がたぶん間違っていることをこの記事を読むとわかる。

どうやら、あのマイク・ボイヤムって一儲けを企んでこの開拓に便乗したペテン師らしい、最初にGランドにたどり着いたのは、バイクではなくカタマランのヨットだったの?などなど、情報量が多すぎてちょっと読みにくいけど、なんども読みたくなる記事ではある。じつは私、2年前にGランドへサーフトリップに行っている。コロナ前に行っておいて良かったな、また行きたい。

『異端児と呼ばれて』

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シェーン・ベッシェンの半生記。昔、デレクハインドがドリームツアーというプロツアーを画策していて、噂になった。今のCTのように世界中の良い波で戦うっていうのが構想だったけど、それにベッシェンが一枚噛んでいたという話もこの記事にはある。それまでのプロに試合と言ったらビーチブレイクばっかりだったんだな。しかしこの計画はある事情で頓挫する。ベッシェンは、ケリーがいなかったら世界チャンプになっていた男だな。『武士は食わねど高楊枝』的な人生も有りだぜ!つーのがこの記事でよくわかる。みなさん波乗り人生を誇り高く生きましょう!

THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版11.3号

●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。

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