日本の五十嵐カノアにとってノースショアのサンセットビーチは思い出深い場所だろう。
2022年にQSからCTイベントに変わって最初の年にCTキャリア3度目のファイナル進出を決めた場所。
その時はワイルドカードで優勝したバロン・マミヤ(HAW)に注目が集まっていたが、2年後に再びリベンジの機会が巡ってきた。
今回の相手は26歳、同い年の旧友であり、ライバルでもあるロボことジャック・ロビンソン(AUS)
現地時間2月21日のCT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』最終日は6-8ftレンジの完璧な波と舞台は揃った。
PHOTO:© WSL/Brent Bielmann
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パイプラインでの開幕戦を共に17位で終えた二人のファイナルはロボの奇跡のようなバレルライドで勝負が決まってしまった。
カノアはサンセットビーチでリベンジを果たすことはできなかったが、素晴らしいカービングで7ポイントを2本まとめてコンビネーションスコアは免れ、ランキングも6位に浮上した。
「カリフォルニア育ちの自分にとって、ハワイは飛行機ですぐだし、練習する場所でもあった。若い頃は、ノースショアでビッグウェーブに乗るの怖かった。来るのも嫌だったけど、年々できる限り時間を費やして、サポートしてくれる最高なチームにも恵まれてる。協力してくれる彼らには感謝しているよ。ツアーのトップサーファーになるにはここでの成績が重要なんだ。今年はスタートにすごく満足してるし、このまま調子を上げたいね」
オージーが完全制覇
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昨年のサンセットビーチはフィリッペ・トレド(BRA)、モリー・ピックラム(AUS)が優勝していたが、今年はオージーが完全制覇。
ロボはサンセットビーチで初優勝、モリーは2連勝。
CT通算6勝目となったロボはQFでイタロ・フェレイラ(BRA)、SFでライアン・カリナン(AUS)と二人のグーフィーフッターを倒してのファイナル進出。
一本目はカービングの連続で8.17。カノアのミスを尻目にマッシブなターンと際どいクローズセクションのターンに耐えて6.17。14.34をまとめ、ラスト15分であの波がやってきた。
大きなファーストターンからバレルになったセクションにプルイン。抜けてからもう一つのバレルセクションもメイクしたこの波に9.87がコールされ、カノアをコンビネーションに追い込んだ。
カノアも最後の波で7.83を返すが、この一本が決め手となり、ロボの優勝が決定した。
「ここ数ヶ月は本当に忙しかったよ。ハワイに来る前に赤ちゃん生まれたし、新しい環境に慣れようとしている段階なんだ。でも、今日はただ楽しんだよ。パイプラインは良くなかったけど、気にしてない。楽しむことが大事。サンセットビーチは特別さ。あの波はやばかった。サンセットビーチのインサイドボウルで2回もチューブに入ったのは初めてだよ。それにファイナルでカノアと対戦するなんて最高さ。彼とは一緒に育ってずっとやってきた仲なんだ。最高の歴史だし、これからあると思うよ」
ロボは今回の優勝でランキング2位に浮上。
トップはジョン・ジョン、開幕戦で優勝したバロンは3位に転落している。
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18歳のサクラが2位
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カリッサとステフが不在となり、メンズよりも世代交代が明確になっている2024年CT。
21歳のモリーは2戦連続のファイナル進出。
18歳のサクラことベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)は初のファイナル進出となり、ファイナルのハイスコア7.17を出していた。また、サクラは前日に9.17をスコアとホームのハワイで存在感を放っていた。
残念ながら勝負はミドルスコアをまとめたモリーのものになったが、サクラは開幕戦で3位、今回の2位でランキング3位と素晴らしいポジションにいる。
「最高の2日間だったよ。良い波が沢山あって本当にラッキーだったわ。ホームに戻り、代表として戦えるって本当に幸せなのよ。コーチが支えてくれて、このイベントで頑張るための自信もくれた。本当に信じられないわ。モリーとは2年前にも話していたことが現実になってる。CTの一員となり、レベルをさらに押し上げていきたい。きっと今後数年で女子サーフィンは新しいレベルに到達すると思うわ」
サクラのコメントの通り、パイプライン、サンセットビーチでのハワイレッグを見るとウィメンズのレベルは飛躍的に上がっている。
2連覇達成のモリー
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開幕戦でケイトリン・シマーズ(USA)とファイナルを争ったモリーが再びファイナルに残り、優勝。
見事サンセットビーチでの2連覇を達成してランキングでもトップに立った。
「なんて瞬間なの！ サーフィンは海が主役だから、タイトル防衛は本当に難しい。海は私に味方してくれたし、本当に嬉しく思っている。どの試合も違う感じなので、ありのまま受け入れ、合間のちょっとした楽しい瞬間を見つけるようにしている。今回はあまり自信がなかったけれど、常に信念を持ち続けたわ。それが私の強みの一つだと思うの」
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QFに残ったケイトリンはランキング2位。
3位にサクラで4位はイベントを通してのハイエストとなる9.67を出したブリッサ・ヘネシー(CRI)、5位は昨年のワールドチャンピオン、キャロライン・マークス(USA)が続く。
まだシーズンは始まったばかりだが、トップ5の平均年齢は20.6歳。
確実に世代交代が始まっている。
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次の第3戦は3月6日〜16日にポルトガルで開催される『MEO Rip Curl Pro Portugal』
その前にプエルトリコで2024年パリ五輪の最終選考を兼ねた『ISA World Surfing Games』が2月23日〜3月3日に開催される。
日本代表は都筑有夢路、松田詩野、前田マヒナ、五十嵐カノア 、コナー・オレアリー、稲葉玲王。
他国の代表もCT選手が勢揃いしている。
CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』結果
1位 ジャック・ロビンソン(AUS)
2位 五十嵐カノア(JPN)
3位 ジョーディ・スミス(RSA)、ライアン・カリナン(AUS)
5位 セス・モニーツ(HAW)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、リアム・オブライエン(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)
ウィメンズ
1位 モリー・ピックラム(AUS)
2位 ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
3位 ブリッサ・ヘネシー(CRI)、キャロライン・マークス(USA)
5位 レイキー・ピーターソン(USA)、ケイトリン・シマーズ(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)、イザベラ・ニコルス(AUS)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)
