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「ハワイで考察する、サーフィン業界の今後のベクトル」 – F+

F+(エフプラス)

なんかもうストーミー真っ只中な感じで、デカいしオンショアだし、時折雨ザーザーみたいな。明日スタートするんじゃないかって噂がビンビン飛んでるんだけど、これのどこでスタートするのか、という感じ。でもその先もろくでもない予報なので、とにかく可能であれば質を問わずにやっちゃおう、なんだろうな。なんか、最低の展開。
パイプはさぁ、やっぱいい波で見たいよね。ジャンクコンディションの番狂わせとか、ストレスなだけだし。
でもまぁ、私がいるのはレフトオーバーなので、パイプはここよりたいていクリーンだし、また違った波なのかもしれない。そこに期待。噂では明日やりそうな感じなので、早起き、準備だな。

着いた翌日、JPSAで活躍していたグレン松本の家(息子カイ・松本、コア・松本。両者JPSA公認)、でBBQパーティーがあって、久しぶりに、っていうか40年近く前のファインの売れっ子読者モデルの羽田野仲子とプロサーファーの植松シゲミ夫妻にそろって会った。当時のサーファーバイブルだったFineの表紙を何度もを飾ったトップ読モの仲子だけど、新島出身のプロサーファーのシゲに嫁いで新島婦人会入りした。
実はこの仲子が、新島、宮崎で行われたISAワールドアマ(現WSG)に来ていたシェーン・ドリアンに目を付け、「読モ仲子が見つけたイケメンサーファー」的な企画にシェーンが登場。日本初のメジャー雑誌デビューを飾り、シェーンは日本でサーフアイドル化していく。

まぁ。今思えばその辺から、90年代、ケリーとともにサーフィンバブルが始まるんだな。
ほかの世界のバブルがすごすぎて、サーフィン業界にいた私たちは、サーフィンはバブルとは関係ないと感じていたけど、今思えば日本もアメリカも、サーフインダストリーの様々な会社が毎月100万とかの広告料を使うって、実にバブリーだったんよなぁ、と思う。
現在アメリカの業界はまるでダメで、板は売れないしサーフブランドのウエアも瀕死の状態。みんなが言うのは、ブランドにしても業界にしても、大きくなりすぎた、という分析。60-70年台のように、ガレージシェイパーがちょっと稼ぐ個人レベルの器が、サーフィン業界という、もともと小さかった世界にちょうどいいのだということ。
大きな工場を持って、ライダーチームを作って、分業で社員が板を制作するより、ひとりで全行程こなして、ショップに置かずに自分で売るほうが利益率はずっと上がるんだという。まぁ、ハンドメイドってそういうものではあるけど。
おおむね皆さんの意見を総合すると、時代は戻っていく、という意見。WSLも結局ASP、IPS時代に、小さくコアな世界に戻っていくという、オリンピックのようなものとは正反対のベクトルを示唆している。

まぁねぇ、ネガな話ではあるけど、実際そうなんじゃないかな、と私も思う。
サーフィンがメジャーにならない(今サーフィンがメジャースポーツと思っている人はAIフィードの偏ったニュースチョイスに洗脳されてますので、ご注意ください)理由はいくつもあって、やはりスポーツとして入り口のハードルが高すぎること、例えば道具の値段や波がなければできないことなどがあげられる。まぁ、職業スポーツとしてほかのスポーツのように稼ぐには無理があると思うし、体格や運動神経に恵まれたハイグレードの素材はサーフィンではなくほかのスポーツに行くだろうし、第一線にいられる選手生命は短い。ケリーは例外中の例外。

でもさ、サーフィンが楽しいと思うなら各自続ければいいだけで、それを商売道具にしなければならない理由なんてないし、マーケットを広げる必要もないし、スターがいなくてもいいわけで、スポーツと金が結びつかなくてもいのかなと思う。
ONLY A SURFER KNOWS THE FEELING ってね、ホントにルーツだなと思う。よく言った、もんだ。
究極は自分で削った板で自分で楽しむ、自己完結なんだろうな。
超内向き(笑)

F+編集長つのだゆき

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