(ベルズのラインナップ)PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

運命のオーストラリアレッグが始まる!CT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』

昨年から施行されたミッドシーズンカットまで残り2戦。
ベルズ、マーガレットリバーと転戦するオーストラリアレッグの初戦となるCT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』が4月4日〜14日にビクトリア州のベルズビーチで開催される。

すでに終了した前半の3イベントはルーキーがベテランを凌駕するなどサーフィンが常に予測不可能なスポーツであることを証明。
ベルズビーチはサーフィンの歴史の中で非常に重要な場所の一つであり、ベルズビーチで優勝して表彰台でトロフィーのベルを鳴らすのは大きな栄誉でもある。

独特の波質と風によって変化しやすいのが特徴のベルズビーチで優勝するには卓越したテクニックと戦略が必要。更にミッドシーズンカットというプレッシャーがある選手にとって非常に重要なイベントになり、激しい戦いが繰り広げられるだろう。

記念すべき60回目のベルズ戦

(毎年大観衆となるベルズ戦)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

今年で60回目を迎える『Rip Curl Pro Bells Beach』は最も長い歴史を持つイベントの一つ。
ベルズビーチはメインスポンサーの「Rip Curl」のお膝元でもある。
毎年、オーストラリア全土が大移動するイースターホリデーを利用して開催され、サーフランチを除くと唯一入場料を徴収するのが特徴でもある。

ベルズビーチはインサイドのボウルズ、アウトのリンコンと2つのピークに分かれ、スウェルの向き、サイズ、潮でメインブレイクが変わる。基本的にボウルズの方が波質は良く、リンコンは難しいと言う選手が多い。どちらのピークもレール・トゥー・レールのサーフィンが求められる。
また、東側のピーク、ウィンキーポップはボウルズ、リンコンよりも掘れたセクションが多く、ここを好む選手もいる。
但し、見学のスペースが少なく、観客泣かせでもある。

昨年優勝したフィリペ・トレド(AUS)、タイラー・ライト(AUS)を始め、ケリー・スレーター(USA)、サニー・ガルシアHAW)、マーク・リチャーズ(AUS)、アンディ・アイアンズ(HAW)、ミック・ファニングAUS)、ジョエル・パーキンソンAUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)などサーフィンの歴史を築いた強者達がベルを鳴らしている。

ベルズビーチはオーストラリアの先住民アボリジニのワタウロング族にとって文化的に重要な場所でもあり、毎年開催前にセレモニーが行われ、ワタウロング族の代表がトロフィーを授与して締めくる伝統がある。

オーウェン・ライトの引退試合

(引退試合となるオーウェン)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

今イベントには特別なワイルドカードが用意されている。
「Rip Curl」の看板として10年以上CT選手として活躍しているオーウェン・ライト(AUS)が引退試合として参加する。

2018年に同じ「Rip Curl」の看板、ミック・ファニング(AUS)もベルズ戦を引退試合に選ぶほどこの場所は特別なのだ。

その他、メンズ、ウィメンズ共にトライアルを勝ち上がった選手がワイルドカードの枠を手にいれる。

欠場はラムジ・ブキアム(MAR)、ジャドソン・アンドレ(BRA)でリプレイスメントはカルロス・ムニョス(CRI)、デュラン・モファット(AUS)
怪我で3戦連続で欠場していたジョアン・ディファイ(FRA)は復帰して今季初のCT出場となる。

首位争いとミッドシーズンカット

(昨年とは対照的に悪い結果が続くカノア)
PHOTO:© WSL/Ed Sloane

『Rip Curl Pro Bells Beach』ではジャック・ロビンソン(AUS)、モリー・ピックラム(AUS)がランキング1位でイエロージャージを着用する。
ウィメンズではすぐ後ろに迫るカリッサ・ムーア(HAW)や、ルーキーにしてポルトガルを制したケイトリン・シマーズ(USA)の活躍にも注目が集まっている。
同じくポルトガルで優勝して最も勢いがある選手、ジョアオ・チアンカ(BRA)も他の選手にとって脅威だろう。

前半5戦の時点のランキングで下位がCS落ちになるミッドシーズンカットでは昨年のワールドチャンピオン、ステファニー・ギルモア(AUS)がカットラインを下回っている。
ファイナル5に進出した五十嵐カノア(JPN)も24位のカットラインぎりぎり、51歳のケリー・スレーター(USA)もすぐ下に位置しており、シーズン後半に残るためには、ここで結果を残す必要がある。

カレン vs オッキーのスペシャルヒート

(トム・カレン)
PHOTO:© WSL/Kelly Cestari

かつてライバル関係にあり、サーフィン界で最も影響力がある二人、カリフォルニアのトム・カレンとオーストラリアのオッキーことマーク・オクルーポのスペシャルヒートが開催される。

スタイルのカレン、パワーのオッキー。

カレンはベルズで2勝、ワールドタイトル2回。
オッキーはベルズで1勝、ワールドタイトル1回。

2014年にJ-BAYで行われたスペシャルヒートではカレン、2019年にベルズで行われたスペシャルヒートではオッキーと勝負は五分五分。
イースターホリデーで大観衆が予想される会場で最も盛り上がるのはこのヒートになるかもしれない。

(オッキー)
PHOTO:© WSL

Rip Curl Pro Bells Beach Women’s Opening Round Matchups:
Heat 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Sophie McCulloch (AUS)
Heat 2: Molly Picklum (AUS) vs. Macy Callaghan (AUS) vs. Johanne Defay (FRA)
Heat 3: Carissa Moore (HAW) vs. Lakey Peterson (USA) vs. Event Wildcard
Heat 4: Tatiana Weston-Webb (BRA) vs. Caroline Marks (USA) vs. Isabella Nichols (AUS)
Heat 5: Tyler Wright (AUS) vs. Gabriela Bryan (HAW) vs. Sally Fitzgibbons (AUS)
Heat 6: Stephanie Gilmore (AUS) vs. Brisa Hennessy (CRC) vs. Courtney Conlogue (USA)

Rip Curl Pro Bells Beach Men’s Opening Round Matchups:
Heat 1: Ethan Ewing (AUS) vs. Nat Young (USA) vs. Carlos Munoz (CRC)
Heat 2: Griffin Colapinto (USA) vs. Seth Moniz (HAW) vs. Maxime Huscenot (FRA)
Heat 3: Caio Ibelli (BRA) vs. Ryan Callinan (AUS) vs. Ezekiel Lau (HAW)
Heat 4: Joao Chianca (BRA) vs. Matthew McGillivray (RSA) vs. Dylan Moffat (AUS)
Heat 5: Filipe Toledo (BRA) vs. Ian Gentil (HAW) vs. Owen Wright (AUS)
Heat 6: Jack Robinson (AUS) vs. Kelly Slater (USA) vs. Event Wildcard
Heat 7: Italo Ferreira (BRA) vs. Connor O’Leary (AUS) vs. Kolohe Andino (USA)
Heat 8: Callum Robson (AUS) vs. Jordy Smith (RSA) vs. Michael Rodrigues (BRA)
Heat 9: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Rio Waida (INA) vs. Jackson Baker (AUS)
Heat 10: Yago Dora (BRA) vs. Samuel Pupo (BRA) vs. Jake Marshall (USA)
Heat 11: Gabriel Medina (BRA) vs. Kanoa Igarashi (JPN) vs. Liam O’Brien (AUS)
Heat 12: John John Florence (HAW) vs. Miguel Pupo (BRA) vs. Barron Mamiya (HAW)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。