(ファイナリスト)PHOTO: © WSL/Darren Anderson

脇田紗良が3位、岩見天獅が5位!QS5,000『Burton Automotive Pro & Speaking in Colour Pro』 最終日

オーストラリア・NSW州のセントラルコーストを舞台に2戦続けて開催されたQS。
アジアリージョナルとオーストラリア/オセアニアリージョナルのCSの出場枠を決める重要なこのオーストラリアレッグはビーチブレイクの難しいコンディションで行われ、現地時間3月26日に全てのスケジュールが終了。

先に終了したアヴォカビーチでのQS3,000『Vissla & Sisstrevolution Central Coast Pro』はカラニ・ボール(AUS)、ザーレ・ケリー(AUS)が優勝して池田美来、松岡亜音が3位。新井洋人が5位に入っていた。

ニューキャッスルのミアウェザービーチで開催されたQS5,000『Burton Automotive Pro & Speaking in Colour Pro』も日本人選手が活躍したが、アジアリージョナルのランキングに関してはCSの出場枠内で変動があったのみで、ランキング圏外から逆転した選手はいなかった。

脇田紗良が3位でランキングも上げたが…

(脇田紗良)
PHOTO: © WSL

アジアリージョナルのCSの出場枠は男子が上位5名とリージョナルワイルドカード1名。
女子が上位3名とリージョナルワイルドカード1名の枠が用意されている。

ウィメンズサイドはランキングトップの野中美波が不在の中、3名のCS枠をかけて熾烈な戦いとなった。

ランキング2位の都築虹帆、3位の松岡亜音、6位の脇田紗良がQF進出を決め、脇田紗良が松岡亜音との日本人対決、スローヒートを制してSF進出。この時点で脇田紗良は4位に浮上しており、残り1ヒートを勝ち上がることが条件となった。

(松岡亜音)
PHOTO: © WSL/Darren Anderson

SFの対戦相手はサラ・バウム。スモール&オンショアの厳しいコンディションの中、ミドルスコアで先行された脇田紗良。
サラは南アフリカ出身だが、現在はオーストラリアに住んでおり、昨年はCSをランキング10位でフィニッシュしている。すでにベテランの域に入る強豪選手だ。
残り10分を切ってからようやく波らしい波を見つけて2ターン、4.33をスコアした脇田紗良。ニード3.35と波さえ来れば逆転可能な数字だったが、プライオリティはサラ。
ピークが限られ、波に乗られないようにマークされた脇田紗良。ラスト5分に入ったポテンシャルがある波もサラが手に入れ、バックハンドでの3ターン。クリティカルセクションでの演技に6.17がスコアされ、ニード6.51に追い込まれてしまう。ヒート終了間際のチャンスもスコアは伸びず、3位でフィニッシュ。
ランキングは4位とCS枠には届かなかった。

ランキングからの3枠は都築虹帆、野中美波、松岡亜音が獲得。
リージョナルワイルドカードは未定。
2022年にCSランキング13位だった都筑有夢路がその枠を得るか、彼女の場合は「2022年CSランキングから5名」の枠に入る可能性もある。

岩見天獅が5位

メンズサイドで唯一ファイナルデイに残った岩見天獅はQFでジョエル・ヴォーン(AUS)と対戦。
両者共にCSの出場枠がかかった重要なヒートは最初のマッチアップでジョエルが7.67、岩見天獅が7.00を出してクロスゲームを予感させた。
中盤は小康状態、後半にジョエルが3.50、岩見天獅は二つのターンで3.07をスコアしてトップはジョエル、岩見天獅はニード4.18。
ラスト3分、岩見天獅は3.60を返すが、ジョエルがフロントサイドのエアーリバースをメイクして4.23とバックアップを伸ばし、ニードスコアも4.91。終了間際には岩見天獅がテイクオフするが、ポテンシャルがある波ではなく、ジョエルが勝利。岩見天獅は5位でフィニッシュ。ランキングは6位と一つ足らなかったが、17歳という年齢を考えると大健闘と言えるだろう。

ランキングからの5枠はクトゥ・アグース(IDN)、オニー・アンワー(IDN)、田中大貴、ジョン・マーク・トコン(PHL)、キアン・マーティン(SWE)で、田中大貴は初のCS入り。
リージョナルワイルドカードは未定。

ジョエル・ヴォーンが優勝でCS枠も獲得

(完成度の高いエアーが武器のジョエル・ヴォーン)
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オーストラリア/オセアニアリージョナルの選手にとっても重要なイベントになったQS5,000『Burton Automotive Pro & Speaking in Colour Pro』
メンズは岩見天獅を倒したジョエルがSFでリーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)を相手に巨大なエアーリバースで8ポイント台を2本出し、16.77のハイエストヒートスコアを出して圧勝。
この勢いはファイナルでも続き、ジョージ・ピッター(AUS)に大差で勝利した。

(優勝したジョエル・ヴォーン)
PHOTO: © WSL/Darren Anderson

「この勝利は本当に嬉しいね。もし、今朝このイベントに勝つと言われたら信じられなかっただろう。CSの枠も獲得したし、素晴らしい勝利になった。地元のノースシェリーの皆がビーチに来て私をサポートしてくれたのは本当に嬉しかったし、自信に繋がった。今年は良い流れで、これで完璧な締めくくりになったよ。この優勝はチャレンジャーシリーズに向けた自信に繋がる。待ちきれないよ」

オーストラリア/オセアニアリージョナルのCS枠は男子が上位7名とリージョナルワイルドカード1名。
ファイナルに残った二人もこの枠を手に入れている。
その他、ワールドジュニアで優勝したジャーヴィス・アール(AUS)もCS枠が約束されている。

(ジョージ・ピッター)
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ブロンテ・マコーレーが優勝

(ブロンテ・マコーレー)
PHOTO: © WSL/Darren Anderson

ウィメンズサイドは2020年に優勝経験があるブロンテ・マコーレー(AUS)と2022年に2位になったサラ・バウム(ZAF)がファイナリストに選ばれた。
両選手共にCS枠を獲得しての戦いを制したのはブロンテだった。

「この場所には何か特別なものがあって、本当に大好きなの。この1週間、友達と会って競技に参加したのは本当に良かったわ。CTに戻るためにチャレンジャーシリーズで努力したい。トップに戻るために必要なサーフィンのスキルを向上させる取り組みも考えている。その良いスタートになったわ」

(サラ・バウム)
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2023年のCSは5月のスナッパーロックスからスタートする。
開幕戦『Boost Mobile Gold Coast Pro』は5月6日〜13日に開催され、すぐに第2戦『GWM Sydney Surf Pro』がノースナラビーンで行われる。

『Burton Automotive Pro & Speaking in Colour Pro』 結果
1位 ジョエル・ヴォーン(AUS)
2位 ジョージ・ピッター(AUS)
3位 ヒューイ・ヴォーン(AUS)、リーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)
5位 ジェイコブ・ウィルコック(AUS)、アリスター・レジナート(AUS)、岩見天獅(JPN)、デュラン・モファット(AUS)

ウィメンズ
1位 ブロンテ・マコーレー(AUS)
2位 サラ・バウム(ZAF)
3位 コビー・エンライト(AUS)、脇田紗良(JPN)
5位 ディミティ・ストイル(AUS)、都築虹帆(JPN)、松岡亜音(JPN)、ミア・ハップツ(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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