(和井田理央) PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

『Hurley Pro Sunset Beach』2日目 和井田理央が残る

パイプライン、サンセットビーチと続くハワイレッグはシーズンを占う大事な2戦。
全10戦の内、前半5戦終了時点でミッドシーズンカットが遂行されるため、明らかに選手にかかるプレッシャーは増しているのだ。

CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』は1日のレイデイの後、現地時間2月15日にメンズOpening RoundのH9から再開。
敗者復活戦のElimination Roundまで進行して4名がイベントから姿を消し、32名が中盤戦を戦うことになる。

波乱含みの2日目

(同じマウイ島出身のイアン・ジャンティとカイ・レニー)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

コンテスト2日目は新しい北西ウネリが入ったとはいえ、風がノースよりで悪く、難しいコンディション。
サンセットビーチはライトのポイントブレイクながら、レフトでスコアを出した選手もいたほどの波だった。

8ポイント台が何本もスコアされた初日と比べるとスコアも伸びず、ハイエストはルーキーのイアン・ジャンティ(HAW)がElimination Roundで出した7.67。
トータルでも1桁台のスコアが目立っていた。
また、Elimination Roundではジークことエゼキエル・ラウ(HAW)がルーキーの和井田理央(IND)にインターフェアを犯す波乱もあった。
このインターフェア、今年から導入されたApple Watchのアプリの不具合とも思えるが、結果は変わらず和井田理央が次のRound of 32に進むことになった。

(インターフェアを落ち込むジーク)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

イアンのハイエストはコナー・オレアリー(AUS)とワイルドカードのキアヌ・アシング(HAW)のカードでスコアされ、イアンは6.67と5.50のバックアップスコアを重ねてリード。
終盤、インサイドセクションで攻めたライディングで7.67を出し、トータルでも14.34とこの日のハイエストを獲得。
残念ながらこのヒートでコナーが3位敗退に終わった。

(イアン・ジャンティ)
PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

「最初のヒートの後、アパートに戻ってリプレイを見たんだけど、自分が見る限り、サーフィンに問題はなかったような感じだった。きっと、彼らは自分のサーフィンをもっと見たかったのかもね(笑)。敗者復活戦は深く考えずにアウトに戻り、接戦を楽しんだよ。風の影響が入った波に対応するために少し小さめのボードを選んだのが良かった。多分、今年のツアーの中でハワイでの大会が一番快適だと思うから、楽しんでいるよ」

マウイ島出身のイアンは27歳。長年トリプルクラウンを中心としたQSに参加しているので、名前だけは知っている方も多いのでは?
QSでは2桁〜3桁のランキングを彷徨っていたが、2022年のCSで好成績を重ね、晴れてCT入りを果たしたのだ。

ブラジリアンの強さが際立つ

(ヤゴ・ドラ)
PHOTO:© WSL/Brent Bielmann

4ヒートだけ行われたOpening Roundではサミュエル・プーポ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)が1位通過を果たし、ブラジリアンの強さが際立っていた。

カラム・ロブソン(AUS)、和井田理央(IND)との対戦でバックハンドで6.17、フロントサイドではローテーションエアーをメイクして6.83を出したヤゴは特にビーチブレイクのような戦いになったこの日のサンセットビーチで映えた一人だった。

(禁断のレフトでスコアを出したヤゴ)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

「今朝サーフィンしている時、ここはサンセットビーチだから長いボードに乗ってライトで大きなターンをしなければと思っていたんだ。でも、実際に見てみると今日はサンセットビーチとは思えない波だったのさ。だから、ビーチブレイクのようにアプローチしたんだ。今年はシーズンの最初から参加させてもらっていることに感謝している。家のソファで観戦していた時は本当に悲しかったから、参加しているだけでも凄いことなんだ」

昨年はシーズン前半を怪我で棒に振ってしまったヤゴだが、後半はリプレイスメントで参加して3位が2回、5位が1回と好成績を重ねており、今年はシーズンワイルドカードで出場権を与えられている。
CTファンならご存知の通り、優勝経験がないのが不思議なほどの実力の持ち主と言える。

(ガブリエル・メディナ)
PHOTO:© WSL/Tony Heff

コナー・オレアリー(AUS)、ライアン・カリナン(AUS)をバーディカルなターンで倒したガブリエルはサンセットビーチでのQSで2度の優勝経験があるビリー・ケンパーをコーチにつけて挑んでいる。
まさに鬼に金棒。復帰後初の優勝もあり得るだろう。

「楽しかったね。自分が知っているサンセットビーチとは違うけど、ただ波に乗ることに専念した。ヒートに勝てて嬉しいよ。ビリー・ケンパーはここの波を良く知っているし、今日はただ波に乗れというアドバイスだった。サンセットビーチで普段サーフィンすることはあまりないから、彼に助言をいただいたのさ。それが功を奏したね。ハワイではトコロサーフボードに乗っているんだ。ハワイでは彼のサーフボードが一番さ」

その他、Opening Roundではコロへ・アンディーノ(USA)が記念すべきCT100イベント目を勝利からスタートさせた。
一方、敗者復活戦で姿を消したのはコナーの他、ワイルドカードのカイ・レニー(HAW)、エゼキエル・ラウ(HAW)、ルーキーのマキシム・フスノット(FRA)の4名。

ネクストコールは現地時間2月16日の朝7時45分(日本時間の17日午前2時45分)
北西ウネリのピークは前半となり、オフショアとなる東南東風の予報。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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